Mar 19, 2021

【蒲蒲線・新空港線】東京都と大田区の協議の報告について

大田区議会令和3年3月18日予算特別委員会で新空港線・蒲蒲線について質問しました。

大田区は来年度予算で、蒲蒲線、新空港線と蒲田駅前の一体整備のために鉄道・都市づくり部を新たに設置。またコロナ禍の中ではありますが、新空港線、蒲田のまちづくりのために多額の費用を計上しています。一方で、新空港線(蒲蒲線)についての今までの大田区の説明と、昨年から始まった東京都と大田区の協議の報告について、言ってることが違うのではないか?と思いました。過去の議事録、区議会での議論の積み重ねをもとに質問しました。

東京政策フォーラム無所属・都民ファーストの会のおぎの稔です。

本日は都市整備費において、新空港線、蒲蒲線について質問致します。この件、私は多摩川線沿線に住む議員として、初当選以来質問を重ねてきました。しっかりと一つ一つ議論をしていきたいと思いますので明快な答弁をよろしくお願いいたします。

大田区は新空港線整備促進、蒲田のまちづくりの整備のために組織体制を改め、新しく鉄道・都市づくり部を新たに立ち上げると報告がありました。各会計予算事項別明細書を見ると、今まで同様新空港線の整備主体設立に1憶八千万円、鉄道・都市づくり部、蒲田駅周辺のまちづくりに1億2300万円余、計上されています。来年度以降、本格的に新空港線と蒲田のまちづくりの一体化した整備を進めていこうという大田区の意気込みであると考えております。

新空港線については大田区と東京都との間で公式に動きがありました。昨年3月に区長が都知事と会談し「協議の場」を設置することとなり、昨年9月と本年1月に東京都との協議を重ねて来られたとのことですが、先日の自民党の高山委員の総括質疑での答弁におきまして、第三回の東京都との協議についても今後、状況を見て行っていくとあり、今年度中に行いたいとのことでしたが、間違いはありませんか?①

 

【答弁①】

委員のお見通しの通りでございます。

【質疑②】

なぜその質問をしたのかというと、大田区の今までの報告と、東京都との協議の進展、その報告に乖離があると考えているからです。今までの大田区議会での議事録をもとに、実際に行われた発言を紐解いていきます。

大田区議会の会議録を検索してみると、HPでの検索で出てくる蒲蒲線という言葉は、平成18年第3回定例会から出てきています。平成18年、2006年ですから、15年近くこの言葉が使われていました。同時期に、議員側の質疑に置いて新空港線駅という言葉が出てきています。
平成23年の促進区民協議会で蒲蒲線が、蒲蒲線「新空港線」になりました。その平成18年当時から、昨年の協議の場を正式に設置するまでも、大田区と東京都は協議を重ねてきたのだと思いますが、どのくらいの協議を重ねてきたのでしょうか?②

 

【答弁②】

昭和62年から区の独自調査でJR・東急蒲田駅から京急蒲田駅間の東西連絡船整備の可能性の調査を行い、現在の計画内容へと変更してきております。委員お話しの東京都の協議に関しては、平成18年当時からこの間、鉄道事業者も参加する新空港線の調査に伴う勉強会を開催してまいりました。東京都はその勉強会にオブザーバーとして参加しており、その都度助言をいただいております。都との本格的な協議は平成26年から開始し、これまで適時適切に行い、現在に至っております。

【質疑③】

東京都との本格協議は平成26年から開始してきたと、今、お答えいただきました。
では、最近の議会での発言を確認していきます。昨年の3月16日の予算特別委員会の福井委員の質疑の「都と大田区が出す地方負担分、これは今、調整中だと思うのですが、合わせて幾ら大田区は積み立てる、幾らかかるかというのは想定していますか。」との質問に対して、山田新空港線まちづくり調整準備担当課長は、「今、新空港線につきましては、都区の最終協議で費用負担割合をつけておりますので、引き続き協議をしていきたいと考えております。」と答弁をされています。最終協議とは何について決める場を指すのでしょうか?③

 

【答弁③】
最終協議とは、都区の費用負担割合を決めるものです。その前提条件として、事業費、整備内容や採算性などを総合的に検討し、都区双方で検討内容の確認を行っております。

【質疑④】

費用負担について決める最終協議を少なくとも、昨年の3月時点ではしていた、ということですね。
では次に、その半年後、昨年9月の交通臨海部活性化特別委員会で議事について取り上げます。山田新空港線・まちづくり調整準備担当課長は「新空港線及び沿線まちづくり等の促進に関する協議の場(第1回)開催の報告にて、「こちらの会議は非公開で行い、最終的な検討結果についての取りまとめ次第、公開させていただくものでございます。」と報告をしています。最終的な検討結果とは何を指すのでしょうか?④

【答弁④】

協議の場での検討項目として、JR・東急蒲田駅における乗り換え利便性、沿線開発の動向、事業費の縮減などがあります。これらを踏まえて、需要予測、収支採算性を精査し、都区の費用負担割合をとりまとめることとなっております。このため、都区の費用負担割合をとりまとめることが最終的な結果となります。

【質疑⑤】

昨年3月の予算特別委員会での答弁にあった最終的な協議も、9月の交通臨海部活性化特別委員会での答弁にもあった「最終的な検討結果」も「費用負担」を指しているとのご回答ですが、では、最終的な協議、検討といった費用負担について、正式な協議の場の設置以前に東京都と議論が始まったのはいつからでしょうか? ⑤

 

【答弁⑤】

先ほどもお答えしましたが、東京都と本格的に開始したのは平成26年度からでございます。

【質問⑥】

最終協議を重ねてきた。その後、今年度になって新たに協議の場が設けられ、松原区長と小池東京都知事も会談をし、知事に親書もお渡しし、これまで2度、協議をおこなってきた、ということですね。
さて、昨年3月23日の予算特別委員会、三沢委員の締めくくり総括質疑での質疑に対して齋藤新空港線・まちづくり調整準備室長は、「新空港線に関しましては、今年度内の合意に向けて、都区間で実質的かつ具体的な協議を精力的に行ってまいりました。こうした中、先週、小池東京都知事と松原区長との会談がございまして、知事のほうから、東京都と大田区において新たなステージとして、さらなる検討の深度化を目的とした協議の場を設ける旨の提案がございました。今後は、この協議の場におきまして、早期に協議を整え、合意形成を図ってまいります。」と回答しています。

ここまで費用負担についての協議をしてきた中で、新たなステージとしての協議の場を設けたのですよね?しかし、この協議の場の概要に書かれた内容を見ると、昨年9月は
「新空港線及び沿線まちづくり等の促進に関する協議の場(第 1 回) 議事概要を見ると

〇新空港線は、他路線との相互直通運転を通じて、羽田空港とのアクセス利 便性が向上する効果があることから、まちづくりの要素等も加味し、新空 港線をより良い事業プランとし、その結果をベースに、都区負担等に関する協議を進める。
〇検討項目として、JR・東急蒲田駅における乗換利便性の向上、沿線開発 の動向、事業費の縮減などについて検討を行い、これらを踏まえ、需要予 測、収支採算性等を精査し、都区負担の考え方の整理を行う。第2回以降は、検討の状況に応じて開催し、進めることとした。」
更に、今年の1月に行われた第二回の議事概要には
「〇乗換利便性の向上、沿線開発の動向、事業費の縮減等の各検討項目ついて、 検討状況の確認を行った。
〇引き続き、検討項目について、施工性、事業性、整備効果等の観点から評価をしたうえで、実現に向けた関係者調整等を行っていくことを確認した。第3回以降は、検討の状況に応じて開催し、進めることとした。」

 

とあります。

最終協議、費用の負担というところではなく、一からお互いに検討、課題を出し合い議論をしているように思います。実際に第一回の協議の場で東京都からは収支採算性の改善、費用の圧縮についても要望を受けていると聞いています。
第二回も大田区から部長、課長二人。東京都も部長、課長、課長補佐が出席し、検討結果をお互いに持ちより、話し合ったのだと聞いています。東京都に確認しましたが、第一回と第二回でそこまで何か進捗があったとも聞いていません。実際に、新しい情報は特に議会にも報告はされていません。

この状況は、今までの議会で最終協議、費用負担について話をしているという説明に食い違いがあるように感じます。東京都とこれまでの間、してきた協議はどこにいってしまったのでしょうか?改めて協議の場で改めて都から収支採算性、また費用負担についての検討を要望されたことについて区はどのように考えますか?お答えください。⑥

 

【答弁⑥】

現在、蒲田駅周辺地区基盤研究会において、蒲田駅および駅周辺の一体的な機能更新を検討しているところです。協議の場にいては、新空港線整備にそれらのまちづくりの要素を加味することで新空港線がより良い事業プランに出来るかどうかを含めて検討しているものですので、区としては新空港線をさらにより良い事業プランにするためと考えているところでございます。

【質問⑦】

蒲蒲線、新空港線をより良い事業プランにできるか検討をしてると、答弁がありました。
そういう話って、費用負担を決める段階でするのですか?

今までのプランでは問題があったという事でしょうか。
平成26年度から本格協議を始めていて、昨年3月の段階で最終協議をしていたのですよね?費用負担について決める場だと先ほど、答弁がありました。

昨年3月の段階で費用負担を決める最終協議をしていて、9月に改めて東京都と協議を始めた。部長も年度内の決着を目指していたとおっしゃっていた。

これは前の計画では都は合意が難しいということの裏付けではないのですか?

さて、蒲蒲線、新空港線は国の交通政策審議会での答申において、整備すべき6路線に選ばれています。この国の交通政策審議会は概ね2030年のあるべき姿として現在の答申を出しています。蒲田駅周辺地区基盤整備研究会において、蒲田駅周辺のまちづくりの計画も含めて意見が出されていますが、今まで15年かけて議論をしてきた鉄道計画に、更に街づくりも一体となって整備をするとなると、時間は余計にかかっていくのではないかと思います。2030年までにできますでしょうか?大田区としてどういったスケジュール感、計画を立てて、新空港線と蒲田のまちづくりの一体化整備を考えているのでしょうか?お答えください。⑦

【答弁⑦】

交通政策審議会は10年、15年ごとに答申が出されるもので、答申第198号は平成28年4月に公表され、概ね2030年の首都圏の鉄道網のあるべき姿を示すものでございあmす。答申第198号では整備すべき路線と整備に期待する路線に分かれております。鉄道整備は検討、計画、工事、そして運航まで数十年以上かかるものでございます。新空港線整備については決して2030年に固執しているわけではございません。現在、協議の場において行っている、都区費用負担割合の協議を速やかに終わらせ、早期に事業着手し、完成を目指して鋭意取り組んでいるところでございます。

【質問⑧】

国の答申で、概ね此処までにと言ってるんですよ?そんなこと言っていいんでしょうか?
区が公表している資料からすると、京急蒲田地下駅から京急線への乗り換えが便利とは思えません。昨今はスマートフォンなどのアプリ、インターネットでの検索で乗り換えを検索し、一番早い、または乗り換え回数の少ない路線を検索し、移動する方が多いのではないかと思います。実際に蒲田と京急蒲田を歩くと徒歩8分から9分かかりますが、今の新空港線、蒲蒲線の京急蒲田地下駅案は、京急蒲田の真下に作るのでなく、少し離れた場所にできます。どう考えても、5分程度は京急蒲田駅まで時間がかかる。電車での移動時間も考えると、徒歩移動もあるし、所要時間も大して変わらない。これなら動く歩道で良いじゃないかと思われてしまうのではないでしょうか?
私が危惧しているのは、これが先日の中央防波堤、江東区との領土問題の話が頭を過ぎるからです。議場の皆様は覚えていらっしゃると思いますけど、都知事の調停の時もこれはいけるんだ。大田区のものだと。それで蓋を開けたら、概ね1:9の割合で江東区となっていた。裁判を経て大田区の部分は多少広がりましたけど、最初に意気揚々と言っていた話と結果が全然違った。

 

このコロナ禍でもそれでも進めるというのなら、我々議会もそうですし、何より区民の皆様のしっかりとした賛同が必要なのです。議会、区民への情報提供、連携をもっとしっかりやってほしい。都と認識の違いがあったり、拳を振り上げて、準備にお金をかけてきたけど、進みませんとか、東京都から9:1の割合で負担しろ、とかなり無理な費用負担の条件を言われるということでは困るのです。

最後に時間が余ったので一点、質問します。これは今、聞くことなので答えられないかもしれませんが、この都の認識、現在の進行具合と区が報告してきたことは私は乖離があると思います。今までの区議会、区民への情報提供について、どのような認識でしょうか?適切だったと思いますか?お答えください。⑧

 

【答弁⑧】

私共は、適時適切に皆様の方に情報提供をしているという風に考えてございます。

 

 

今回、今までの答弁や議事録も挙げてきましたが、私はやはり、区の今までの説明と都の見解、実際の進み具合に乖離があると思います。まだ交渉中とのことですので、区民にとってより良い協議の場の議論の進展を希望して、私の質疑を終えます。

 

動画はこちら⇒

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