Dec 15, 2019

蒲蒲線は水没しました?新空港線と多摩川

 大田区議会議員のおぎの稔です。今回は先日の台風19号と新空港線(蒲蒲線)についてのご報告です。大田区議会で蒲蒲線(新空港線)について質問で取り上げたのは、4月の当選以来、2期目の区議会議員の任期としては初めてになりましたが、多摩川線沿線に住む議員として、譲れないテーマです。

 今回、台風19号接近に伴い大田区のハザードマップ(風水害編)が注目をされました。環状八号線(環八)以南の地域、また多摩川線沿線地域は多摩川ともほど近く、多摩川氾濫時の浸水が懸念されます。大田区が進めようとしている蒲蒲線は新たに地下に路線を掘っていく線路です。東急多摩川線の矢口渡駅の先から、蒲田の地下に入り、東急線を京急蒲田の下まで伸ばすこの計画。多摩川氾濫と合わせた場合、どうなるのか?「わたし、気になります!」という事で、大田区議会本会議でも取り上げました。

 

(図はハザードマップに、蒲蒲線(新空港線)エリアを黄色く書いたもの)

 今回の台風19号では多摩川もぎりぎり耐えましたが、温暖化などの影響で気象変動が続く昨今、来年、再来年、いつ今回以上の大型台風が来るかわかりません。その時に同様に耐えられる保証もないのです。

 蒲蒲線(新空港線)を地下に掘っていく予定エリアの矢口渡駅周辺は家屋倒壊等氾濫想定地域ともなっており、氾濫時どのような影響が出るかもわかりません。そして、ひとたび氾濫すれば、蒲蒲線エリアは浸水、または防潮壁を使用せざるを得ない状況になります。なにも蒲蒲線(新空港線)だけでなく、今ある京急の地下鉄もそうなのですが、多摩川に近いエリアの地下鉄は、水害対策を改めて考えなければなりませんし、計画運休だけでなく、浸水による被害により、移動手段として使えなくなることも考えなければなりません。また、災害時の代替えルートとして新空港線が機能する事も、大田区は強調をして来ました。しかし、浸水などの被害を受けた場合、すぐの復旧は難しい事、またそもそも計画運休等、鉄道会社の列車運行への考え方が変わってきた昨今、どこまで意義があるのでしょうか?

 以前のブログでも取り上げましたが、大田区が前のめりになって進めようとしている、蒲蒲線(新空港線)、本当に今、進めていく必要があるでしょうか?

 


【質問】

7、蒲蒲線 新空港線について

 続いて、新空港線・蒲蒲線について伺います。私は何度も特に東急線、多摩川線沿線の住民の不安、利便性の悪化という点についてどう考えているのか、議会でも訴えてまいりました。1分1秒を争い、鉄道会社がダイヤ改正、乗り換えを行なっている昨今、乗り換えと地上地下の移動、接続を考えた際、空港に接続する公共交通としての新空港線の機能は弱いように考えます。

 大田区側からの渋谷、池袋方面への利便性についても、地下と地上での乗り換えを考えると言われるほどに向上が出来るのか、疑問であります。今後の少子高齢化時代を考えた際に今、新線設置が必要と考えるか?という点もありますが、今回は風水害に関連して、質問します。

 今回風水害時のハザードマップが注目をされましたが、蒲蒲線(新空港線)計画の、矢口渡の先から蒲田の地下へと掘っていくエリアは多摩川氾濫時の浸水エリアにあります。蒲蒲線が沈むんです。浸水、冠水対策としてどのようなことが考えられるでしょうか?

また、鉄道会社が早めの計画運休、運行停止を行っている傾向になってきた中で、新空港線も同様の対応をとると考えられます。電車が止まります。その場合、大田区の言う、災害時の代替ルートの利用は目的の機能を十分に果たせないことも考えられますが、合わせて見解を伺います。⑦-⑧

 

【答弁】

私からは新空港線に関する二つのご質問にお答えします。

まず、新空港線の浸水対策についてのご質問でございます。

台風や大雨などで浸水が予想される地区に整備されている、現在の東京メトロや都営地下鉄では、駅出入口対策としまして、歩道より高い位置に整備を致しまして、止水版や防水扉などを講じてございます。

また、トンネル対策といたしましては、トンネル断面を完全に閉鎖する事ができる、防水ゲートの設置と共に、万が一、トンネル内に浸水しても対応できるよう、集水ピットを設け、強制的にポンプでトンネル外に排水する設備を設けてございます。新空港線も多摩川線を地下化する事から、同様の対策を計画してございます。

 次に新空港線の代替ルートの役割についてのご質問でございます。計画運休には、駅での混乱や駅間での列車の非常停止などを防ぐとともに、住民の不要不急の外出抑止など、社会の安全を確保する役割がございます。今回の台風15号、19号において、橋梁や高架道を有しない、東京メトロおよび都営地下鉄の一部の路線では早期に運転の再開をしております。

また、地下鉄はトンネル構造の為、地震等に対しても強固な施設となっております。

新空港線整備計画は地下鉄と同様の整備計画である為、災害時の代替えルートとしての役割を十分に担うものと認識してございます。

いずれにいたしましても、災害時での新空港線の安全性の確保、それから代替えルートとしての威力の発揮という意味では、新空港線の意義が十分にあるのかなと考えております。

 

 

参考ブログ

大田区議会令和元年第4回定例会おぎの稔一般質問(台風関連)

台風接近時の対応は?大田区の保育園問題について

蒲蒲線は見直しを!蒲田駅周辺のまちづくり等に関する意見書に反対しました。

蒲蒲線についておぎの稔の考え

蒲蒲線で大田区は便利になりません!一端、見直しを

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