Aug 19, 2018

大田区のIT化推進と職員のIT環境改善を提言しました!

 大田区議会議員のおぎの稔です。「行政のICT化」と言う言葉が使われ出して久しくなっている一方で、大田区役所はどうなっているか皆様、ご存知でしょうか?今回は、大田区の情報化対策と共に、区職員の皆様のおかれている環境について、先日の区議会での質問を紹介します。

 私自身、職員の方からお話を聞く中で、大田区役所内のIT利用環境がとても不便であると言う事を聞いていました。特に管理職以外の、一般職員の利用環境は制限が強く、個別のPCでの外部環境接続に難があるだけでなく、別途パスワードを添付するZIP付きのメール、クラウドなどは利用せずいちいちUSBで持ち運び共有を行わなければならないファイルなど、手間が多いそうです。効率化、簡素化は場合によってはセキリュティの問題との兼ね合いも出てきますが、改善する余地が全くないのでしょうか?

 

 総務省の示したモデル導入により、旧来一つにまとめられていたシステムが、区民情報、内部情報、外部情報と3つにわけられるなど、情報流出に対してもシステム面での対策もなされるようになった昨今、状況の変化などにも対応し利用環境改善を行うべきではないでしょうか?

 「今のままでも不便だが出来るではないか」という意見もあるでしょう。やはり情報流出、不祥事と言った事も人が扱うものである以上0ではなく、一定の対策、セキリュティは常に必要です。一方で新技術導入による業務効率化や、その技術を扱う職員の利用環境の改善は目先のスピードアップ、業務負担の軽減だけでなく、将来的な大田区の行政運営能力の強化や、より注力が必要になってくる多様化、多層化する福祉、教育分野への、区の対応力強化にも繋がっていきます。

 

 職員の皆様には、セキリュティ研修や民情報を扱う際の正しい取り扱い、心構えをしっかりとご理解頂いたうえで、技術の進歩、対策強化に沿った環境で仕事ができるようにするべきだと言う事を区議会で要求しました。質問の前日の区長の挨拶でもICT化、区職員の環境改善については言及がありましたが、掛け声だけではなく予算措置も含めてしっかりと反映されるよう、区に要求をしていきます。

 

 

質問はこちら→https://ogino.link/2018/06/6036/

【質疑】

 続いて、業務効率化、職員のIT利用環境について伺います。23区の中で、港区は2018年3月港区情報化計画を発表、ICTやAI活用、アプリ活用による業務効率改善を打ち出した。オープンデータの活用、区民参加型のアイディアソンなど参考になるべきことも多い計画となっています。では、大田区はどうでしょうか?大田区も「大田区行政情報化ビジョン」を2002年に策定・公表しています。昨日の区長のご挨拶の中で「デジタルガバメント実行計画」や自治体のIT化について言及がございましたが、15年以上前の計画では、目まぐるしく革新を遂げる現状には対応できていないと考えます。昨日も自民党の田中委員の代表質問の中で、IT化について言及がございましたが、国際都市として、また東京都内の交通の要所としても、国内外との折衝も増えるなど、今後増加する業務、区民ニーズを考えると、業務の効率化、多様化に対応するための技術導入は不可欠です。新たに情報化計画、ビジョンを策定するべきではないでしょうか。

 続けて働き方改革についての視点から、区職員のIT利用環境について質問します。職員の方から職務を行う上で、IT利用環境の不便さが課題となっているというお話を耳にします。各課に一台あるパソコンのみを通して外部とのやり取りを行っているそうです。たしかに、データの漏えいやウイルス感染などを避けるため情報安全管理を徹底することは必要であることは承知していますが、総務省の示したモデル導入により、旧来、一つにまとめられていたシステムが、区民情報、内部情報、外部情報と3つにわけられる事となったという状況の変化などにも対応し、利用環境改善を行うべきではないでしょうか。「今のままでも不便だが出来るではないか」という事ではなく、新技術導入による業務効率化や、その技術を扱う職員の利用環境の改善は、目先のスピードアップ、業務負担の軽減と言うだけでなく、将来的な大田区の行政運営能力の強化や、より注力が必要になってくる多様化、多層化する福祉、教育分野への対応力強化にも繋がっていきます。これはまさに区長の掲げる「選択」と「集中」を推し進めていく為にも重要な事であり、改善が必要です。お答えください。

 

【答弁 松原区長】

 次に、業務効率化、職員のIT利用環境についてのご質問でございますが、区民サービスの向上と行政事務の効率化を進めるためには、情報通信技術の有効活用が必要であり、戦略的な計画のもと、業務改革を進めることが重要であります。これまでも区は、各種システムの活用などによる業務改善を進めてまいりましたが、今後も情報セキュリティの確保に取り組むとともに、AI等のICT技術を活用した業務の効率化などによりまして、スマートワーク宣言に基づく働き方改革を進めてまいります。引き続き、最新技術を活用した業務プロセスの改革により、限られた経営資源の選択と集中を進めてまいります。

 

【区長挨拶】(該当部分 抜粋)

 行政経営という視点から区の基本的な考え方などを取りまとめた「新大田区経営改革推進プラン」におきましては、行政における経営を「政策の達成に向け、ヒト・モノ・カネ・情報などの行政資源を効率的、効果的に配分すること」と定義しているところでございます。今後、区が新たな課題に対応し、区民サービスをさらに向上させていくためには「時間」という概念も行政経営上重要であると考えております。これは区が昨年2月に行った「スマートワーク宣言」の趣旨である、限られた勤務時間の中で質の高い仕事を行い、最大の効果を出す働き
方を実現するという方向性と軌を一にするものでございます。本年1月に国が策定した「デジタル・ガバメント実行計画」におきましては、地方公共団体がデジタルガバメントを推進するに当たり重要な点として、IT化とBPR、いわゆる業務改革が挙げられております。組織全体としての業務改革の実現に向け、ICT業務環境をはじめとして、これまでの仕事の仕方を見直し、改善していくことにより業務の生産性や効率性を高め、一層の区民サービス向上につなげてまいります。一方、区は、税務情報や健康データなど膨大かつ大切な個人情報を管理しており、高度なセキュリティー対策が求められます。こうした中で生産性や効率性の向上とセキュリティー確保を同時に実現していくためには、まさに経営的な判断が求められるところでございます。高情報化社会が加速度的に進展する中で、職員の働き方に直接つながるこれらICT業務環境を着実に改善していくことで、全体最適を実現する行政経営を進めてまいります。

 

LINEで送る
Pocket

関連記事

Comment





Comment



CAPTCHA