Mar 24, 2016

更に自治体の取組が重要に!自殺対策基本法改正に向けて

3月19日、砂防会館別館で開催された日本自殺総合対策学会フォーラムに参加をして来ました。

ここで主に語られていたのは自殺対策基本法の改正で何が変わるかです。

以前のブログ でも触れている通り、私は当選以来、自殺対策には注目し質疑をして来ました。

 

若者の自殺の現状と自死遺族支援の為の体制整備について

遺族として自殺対策強化を大田区に訴えました。

 

<自殺フォーラム>法改正で対策を積極的に

 

 国会で審議されている自殺対策基本法改正案の意義について話し合うフォーラムが19日、東京都内で開かれた。改正案は全ての自治体に対し、地域の自殺の現状に応じた対策作りを義務づける。出席者から「自治体が中長期的な計画を立てて対策に取り組めるようになる」などの意見が出た。

 民間団体や研究者、首長らで作る「日本自殺総合対策学会」(発起人代表・清水康之NPO法人ライフリンク代表)が主催し、約250人が参加した。

 国内の自殺者数は減少傾向にあるが、現在も1日平均で約66人が自ら命を絶っている。清水代表は「異常事態が続いている。法改正で対策を積極的に進めていく必要がある」と話した。

【古関俊樹】

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現在、審議中の自殺対策基本法改正案。

現行に比べ、相当な変化が盛り込まれた内容でした。

ここに至るまでの関係者の皆様のご努力に敬意を表します。

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・自殺対策自死遺族支援については政策マンガでも触れています。

 

おぎの稔政策マンガ第8弾 自死遺族支援編

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フォーラムはライフリンクの清水康之代表を始め、自殺対策に取り組んできた方々、省庁の方、自治体の首長、自死遺族支援をされてきた方、国会議員の方々などからお話を頂き、これまでの開いたバケツの穴をふさぐような緊急避難的なものではない、中長期的な視点に立ち、戦略的かつ安定的に社会全体で自殺対策に取り組んでいる事が示されました。

改正案には目的・理念に「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」が盛り込まれ、「生きる事の包括的な支援である」事、「保健、医療、福祉、教育、労働等の関連施作との有機的な連携の下で総合的に実施すること」が条項に書き加えられました。

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法律で制定されることは珍しいのですが、改正案では自殺予防週間(9月10日~9月16日)と自殺対策強化月間(3月)の法定化が追加されます。

それだけ自殺を社会全体にとって重要な課題であると認識させる必要があるとの事でしょう。

 

また、今まで内閣府が所管していた自殺対策を、厚生労働省が4月1日より行う事になり、補正ではなく、しっかりとした予算として国でも計上されています。

これも大きな変化になると思います。

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大田区議会議員という地方議員の私の職務と大きく関係のある事に、改正による都道府県自殺対策計画、市町村自殺対策計画の策定があります。

自殺対策における実態、予防、地域の状況に応じた自殺対策の在り方、調査研究、検証、成果の活用(PDCAサイクル)の推進が掲げられました。

改正案にも「都道府県、市町村は自殺対策計画を定めるものとする」とと書かれています。

交付金の交付を引き続き行われ、助言や援助を国の責務と明記しています。

 

以前、中小零細企業を多く抱える経営者の自殺の実態や、大田区の自殺の現状についても質問しました。

自殺の現状は自治体によって異なるのですが、その地域ごとの自殺対策の実態把握と体制作りを国から指示されることになります。

また、基本的施策には人材の確保、相談、支援体制強化だけではなく、心の健康の保持に係る教育・啓発の推進とも書かれています。

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地域の自殺対策の財源確保、いのちのセーフティーネット構想、学校でのSOSの出し方教育などの自殺の0次予防。

地域に地域自殺対策推進センター(仮)の設置、民間団体の支援、二次保健医療圏ことに自殺未遂者、未遂者支援の拠点病院を定めるといった自殺未遂者の再企図の防止や自死遺族支援の強化(自死遺族支援地域センター(仮)の設置等)といった、今までなかなか体制が組まれていなかった自殺対策における関連分野に光が当たった事は大いに評価できると思います。

 

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特に、私も以前から質疑で繰り返し触れてきた自死遺族支援や、自殺未遂者、若者の自殺対策について、こうして前進が大いに期待できること、勇気づけられます。

 

様々な遺族の方はいらっしゃいますが、法律で遺族支援体制が整備されることもやはり珍しいとの事。

 

自死だけでなく、様々な分野での遺族、周囲への支援は進んでいっていただきたいと思います。

自死遺族当事者としても強く、思います。

 

これを機に、自死遺族のケア、そして、更に進んで未だに存在する偏見・無理解も少しずつ解消していければと思います。

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このフォーラム参加を機に、大田区の方ともお話をしましたが、まだ自治体に話は降りてなく、成立後、都道府県を通じて、区市町村にも話が下りてくるだろうとの事でした。

改正法によって、国の大きな姿勢の変化、理念は示されます。

 

しかし、その時にどう大田区(自治体)が体制を構築し、現実的な取組、対策を行っていけるのか?

現場の自治体が効果的な取組を行えなければ、せっかくの素晴らしい改正も単なる掛け声で終わってしまいます。

 

勿論、自殺だけを防げれば良いわけではありません。

学校、家庭、職場、社会生活を送る上で課題、困難、苦しみは沢山あります。

それらの課題解決、改善も踏まえて、生きる上での困難、生きづらさを社会全体で解消していかなければなりません。

 

引き続き、今後も、改正案にある「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」、「生きる事の包括的な支援」に向け、区議会、区の皆様と力を合わせて、大田区で取り組みを続けていきたいと思います。

 

 

 

関連ブログ

 

若者の自殺の現状と自死遺族支援の為の体制整備について

大田区の経営者の自殺の実態。対策と支援について

遺族として自殺対策強化を大田区に訴えました。

おぎの稔政策マンガ第8弾 自死遺族支援編

 

余談ですが、自身が遺族である事を開して以降、私が自殺の問題について話す時は、茶化すようなヤジはほとんどなくなったと思います。

自殺が社会全体にとって重要な問題である事が大田区議会でも認知されてきたのかとも思っています。

少しずつ、少しずつでも変えて行ければと思っています。

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