Apr 6, 2020

ロックダウン?緊急事態宣言が出たらどうなる?大田区

 大田区議会議員のおぎの稔です。報道においてCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を受け 安倍総理は「緊急事態宣言」を明日、発表すると表明しました。発令された場合、 対象の地域は 東京、千葉、埼玉、神奈川、それに大阪、兵庫、福岡の7つの都府県、期間は一か月と想定されているようです。これを受けて小池百合子東京都知事から緊急事態宣言が出された場合、自治体はそれぞれBCP(事業継続計画)に基づいて自治体業務の継続などを行います。大田区で何が起こるかを、特措法やBCPを元に現状わかる範囲でまとめました。

 結論から申し上げますとロックダウン。海外のような都市封鎖にはなりません。ではなぜそうなのかを解説していきます。こちらは元がインフルエンザ対策であることと細かい内容が明日発令されるであろう政令の内容によって変わるので、参考程度にご確認ください。長文になってしまいますので細かい法文などはブログ下部に記載しています

●参考法令

【根拠法 ○新型インフルエンザ等対策特別措置法】

新型インフルエンザ等対策特別措置法+同施行令

大田区は基本的に、BCP事業継続計画新型インフルエンザ編に沿って行動します。

●BCP(事業継続計画)新型インフルエンザ編(「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(特措法)施行に伴い、平成27年3月に修正)

別表各部ごと各課の業務一覧

ページ下部の大田区のBCPの基本的な考え方を参照して頂きたいのですが、大田区のBCPの大まかな目標は二つあります。

 

目標1 感染拡大を可能な限り抑制し、区民の生命及び健康を保護する

目標2 区民生活及び経済活動に及ぼす影響が最小となるようにする

区民の生命及び健康を保護するのは勿論のこと、区民の生活および、経済活動に及ぼす影響が最小となる事も目標とされています。社会生活、経済活動を守る事も自治体の計画の目標なのです。さて、BCPにおける感染防止の為の対策としては以下の3つが実施されます。

対策1 感染予防の啓発

対策2 ※リスクコミュニケーションの確立

対策3 感染拡大の防止

さて、生命、健康を守る以外に特に皆様の生活に影響があるのが、都知事などによる施設等の使用制限や自粛要請だと思いますが、こちらも規定があります。区分は以下の3つです。

●区分1施設(感染リスクが高い施設)➡事業者に対し、最優先で施設の使用制限やイベントの制限の要請を行う。

○ 学校(小中学校、高校)
○ 保育所、介護老人施設、通所・短期入所・福祉・保健医療サービス施設

 

●区分2施設(社会生活を維持する上で必要な施設)➡事業者に対し、使用制限、イベントの制限以外の措置について協力の要請を行う。

○ 病院、食料品店、薬局、銀行、工場、事務所、公共交通機関等

 

●区分3施設(運用上柔軟に対応すべき施設)➡事業者に対し、できる限り使用制限、イベントの制限以外の措置について協力の要請を行う。感染拡大の状況に応じ、使用制限、イベントの制限の要請を行う。

○ 大学、専修学校、各種学校等
○ 劇場、観覧場、映画館、演芸場
○ 集会場、公会堂
○ 展示場
○ 百貨店、マーケット、小売店
○ ホテル、旅館
○ 体育館、水泳場、ボーリン場等の運動施設、遊技場
○ 博物館、美術館、図書館
○ キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール等の遊興施設
○ 理髪店、質屋、貸衣装屋等のサービス業
○ 自動車教習所、学習塾等の学習支援業を営む施設
○ その他

 上記の内容ですと、区分3は気を付けていれば営業ができるようにも書いてあり、今までの国や都知事の意見とも違うように思えます。自治体のBCPがそんなに国や都とかけ離れたものにはなると思わないのですが、これはインフルエンザ対策で作られた計画である事と、いわゆる三密、今回のCOVID-19の特性からむしろライブハウス、ダンスホールなどが感染拡大の可能性が高い、と判断していたのですね。明日発動されるとされる緊急事態宣言は新型インフルエンザ特措法に基づくものであり、そちらでの要請は下記になります。

 

【政令】
(使用の制限等の要請の対象となる施設)

第十一条 法第四十五条第二項の政令で定める多数の者が利用する施設は、次のとおりとする。ただし、第三号から第十三号までに掲げる施設にあっては、その建築物の床面積の合計が千平方メートル(1000㎡)を超えるものに限る。

一  学校(第三号に掲げるものを除く。)

二  保育所、介護老人保健施設その他これらに類する通所又は短期間の入所により利用される福祉サービス又は保健医療サービスを提供する施設(通所又は短期間の入所の用に
供する部分に限る。)

三  学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学、同法第百二十四条に規定する専修学校(同法第百二十五条第一項に規定する高等課程を除く。)、同法第百

三 十四条第一項に規定する各種学校その他これらに類する教育施設

四  劇場、観覧場、映画館又は演芸場

五  集会場又は公会堂

六  展示場

七  百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗(食品、医薬品、医療機器その他衛生用品、再生医療等製品又は燃料その他生活に欠くことができない物品として厚生労働大臣が定めるものの売場を除く。)

八  ホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る。)

九  体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類する運動施設又は遊技場

十  博物館、美術館又は図書館

十一  キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類する遊興施設

十二  理髪店、質屋、貸衣装屋その他これらに類するサービス業を営む店舗

十三  自動車教習所、学習塾その他これらに類する学習支援業を営む施設

 

 上記の内容から、要請を掛けられる施設の中で3~13は1000㎡以下の施設は営業していてもOKで、要請対象でもありません。(政令は変わる可能性があります)また7をご覧頂くとわかるように、特に食料品や生活必需品を販売する店舗を対象にならず、銀行なども入っていませんね。特にダンスホールなど今回のCOVID-19の特徴に合わせて、政令部分は面積や内容、また自治体によっては政令では対象外でも自粛のお願いがされることがあるかもしれません。そちらは実際の政令を見ての判断になりますが、現状は海外のような強力な都市封鎖が行われることはないと、ご理解頂ければ幸いです。皆様もお住いの自治体の業務継続計画(BCP)をご参考になさってみてもいいかもしれませんね。

・基本方針2 保険医療体制の強化

基本方針2では、保健医療体制の強化とあり。新型インフルエンザ等に感染したおそれがある場合にも、安心して相談ができ、適切な治療が受けられるよう保健医療体制を強化するとして、相談体制等の強化、医療機能の拡充が行われます。

・基本方針3 区民生活の維持

緊急宣言が出された後も、区の業務は継続されます。大田区からも緊急事態宣言を想定した区の対応として、感染の拡大防止のため、職員の2交代制を実施する基本的な方針を決めたと連絡がありましたが、区民生活に不可欠な機能維持として以下のものが挙げられます。ページ下部の③大田区 業務継続計画(BCP) をご覧頂きたいのですが、一部休止、縮小はされますが大田区の自治体としての基本的な業務は維持されます。基本的には以下の事が行われます。

 

・窓口業務の維持

・区民生活への支援

・各種システムの維持

・事業者との協力

・人員の確保(最大40%の職員が欠勤する事を想定)

 

 

①【根拠法 ○新型インフルエンザ等対策特別措置法】
※第二節 まん延の防止に関する措置
(感染を防止するための協力要請等)

第四十五条 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。

特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。

②【新型インフルエンザ等対策特別措置法+同施行令

【政令】
(使用の制限等の要請の対象となる施設)
第十一条 法第四十五条第二項の政令で定める多数の者が利用する施設は、次のとおりとする。ただし、第三号から第十三号までに掲げる施設にあっては、その建築物の床面積の合計が千平方メートルを超えるものに限る。

一  学校(第三号に掲げるものを除く。)

二  保育所、介護老人保健施設その他これらに類する通所又は短期間の入所により利用される福祉サービス又は保健医療サービスを提供する施設(通所又は短期間の入所の用に
供する部分に限る。)

三  学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学、同法第百二十四条に規定する専修学校(同法第百二十五条第一項に規定する高等課程を除く。)、同法第百

三 十四条第一項に規定する各種学校その他これらに類する教育施設

四  劇場、観覧場、映画館又は演芸場

五  集会場又は公会堂

六  展示場

七  百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗(食品、医薬品、医療機器その他
衛生用品、再生医療等製品又は燃料その他生活に欠くことができない物品として厚生労
働大臣が定めるものの売場を除く。)

八 ホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る。)

九 体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類する運動施設又は遊技場

十 博物館、美術館又は図書館

十一 キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類する遊興施設

十二 理髪店、質屋、貸衣装屋その他これらに類するサービス業を営む店舗

十三 自動車教習所、学習塾その他これらに類する学習支援業を営む施設

十四 第三号から前号までに掲げる施設であって、その建築物の床面積の合計が千平方メートルを超えないもののうち、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフル
エンザ等の発生の状況、動向若しくは原因又は社会状況を踏まえ、新型インフルエンザ等のまん延を防止するため法第四十五条第二項の規定による要請を行うことが特に必
要なものとして厚生労働大臣が定めて公示するもの

2 厚生労働大臣は、前項第十四号に掲げる施設を定めようとするときは、あらかじめ、感
染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聴かなければならな
い。

【政令】
(感染の防止のために必要な措置)
第十二条 法第四十五条第二項の政令で定める措置は、次のとおりとする。

一 新型インフルエンザ等の感染の防止のための入場者の整理

二 発熱その他の新型インフルエンザ等の症状を呈している者の入場の禁止

三 手指の消毒設備の設置

四 施設の消毒

五 マスクの着用その他の新型インフルエンザ等の感染の防止に関する措置の入場者に
対する周知

六 前各号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等の感染の防止のために必要な措置として厚生労働大臣が定めて公示するもの

 

 

③大田区 業務継続計画(BCP) (平成25年4月に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(特措法)施行に伴い、平成27年3月に修正しました。)

BCPの基本的な考え

「区は、区民にとって最も身近な基礎的自治体であり、新型インフルエンザ等発生時に区民の生命と健康を守るとともに、区民生活に必要不可欠な行政サービスを継続して提供し、社会・経済を破綻に至らせないための対策を実施していかねばならない。新型インフルエンザ等発生時には、区職員も感染し、出勤率が低下することにより感染拡大防止対策の実施や平常時と同様の業務処理が困難になることが想定される。そこで、発生時において優先的に取り組むべき業務や休止すべき業務を選定し、都内感染期に最大 40%の職員が欠勤する状況下においても、区として継続する業務に支障が生じないよう「大田区業務継続計画※(BCP:Business Continuity Plan)(新型インフルエンザ等編)」(以下、「BCP」または「本計画)という。)を策定し、最悪の事態に備える必要がある。BCPの実施により、感染拡大防止を図り、支障なく業務継続することで感染のピーク時を遅らせることや短期間に感染者が急増する事態を防ぐことが期待でき、対策を講じるための時間的余裕を生み出すことで、医療体制や社会機能の破綻を回避することが可能になる。」

1 業務区分の考え方

(1) 新たに発生する業務(A)

① 感染拡大防止策
感染の流行のピークを抑えることや、感染者数を減少させるための感染拡大防止に関する業務。主なものは次のとおりである。

ア 感染拡大防止策の周知

イ 情報の収集及び提供

ウ 相談窓口の開設

エ サーベイランスや積極的疫学調査の実施

オ 関係機関や施設等に対する感染拡大防止策の指導
カ 地域における医療連携の支援

② 危機管理体制上必要となる業務

新型インフルエンザ等の発生に伴う危機管理上必要な業務。主なものは次のとおりである。なお、国内発生早期以前から取り組む業務もある。

ア 対策本部の設置

イ 職員の感染状況、出勤状況の把握

ウ 職員の応援体制

エ 関係機関(医師会、町会・自治会、商店会 等)との連携

(2) 継続業務(B)

① 区民の生命や健康を守るための業務

区民の生命や健康を守るため、その機能を縮小や休止することができない業
務。主なものは次のとおりである。
ア 福祉施設(入所施設)の運営
イ 介護業務
ウ 災害発生時の緊急対応
② 区民生活の維持に係る業務
区民生活に密着した業務で、縮小や休止することにより、区民生活や社会活
動に支障が生じる業務。主なものは次のとおりである。
ア 戸籍住民事務
イ 生活保護事務
ウ ごみの収集
エ 各種貸付や助成、給付事務

③ 休止すると重大な法令違反となる業務

国や都の法令により期限等が定められており、区の判断で休止や縮小するこ
とができない業務。主なものは次のとおりである。
ア 選挙事務
イ 法令等で定められている検査

④ 区業務維持のための基盤業務

区業務を支える中断や休止すると重大な支障が生じるため必要なシステムや業務。主な業務は次のとおりである。

ア コンピュータ等基盤システムの維持
イ 戸籍住民、福祉関連等システムの維持
ウ 警備、エレベータの保守点検、庁舎管理

(3) 縮小業務(C)

① 継続・休止以外の業務

限られた職員で必要な業務を実施するため、業務の実施方法を工夫するなど
縮小して実施する業務。主なものは次のとおりである。
ア 道路、公園等の管理
イ 人事、財務、契約等の内部管理事務

② 対面業務を中止して、工夫して実施する業務

庁舎内での感染拡大を防止するため、電話、郵送やインターネット等による
取扱等で対応する対面業務。主なものは次のとおりである。
ア 税務、保険、年金等の申請、届出等の事務
イ 各種相談業務

(4) 休止業務(D)

① 多数の人が集まる施設や業務
人が集まることや、人と人とが対面する機会を減らすことが、感染拡大防止に有効な業務。主なものは次のとおり。

ア 学校の運営
イ 福祉施設の通所サービスの運営
ウ 文化施設、スポーツ施設等の運営
エ 研修会、講演会、イベント、集会の開催
オ 表彰事務
② その他、緊急性を要しない業務
実施時期を延期できるような業務や、休止しても区民の生命や健康または区
民生活に影響が少ない業務。主なものは次のとおりである。
ア 新規事業に関する業務(新規設計、工事等)
イ 各種計画の策定業務
ウ 監査
エ 各種調査事務

●大田区議会議員 おぎの稔公式HP

●形になったこと

大田区議会でおぎの稔が取り組んできた中で、特に形になった事柄を紹介します。

●大田区議会

大田区議会本会議や予算・決算特別委員会でのおぎの稔の取り上げたテーマをご紹介します。

 

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