Jul 23, 2018

精神についても身体・知的障害と同レベルの支援、啓発を!

 大田区議会議員のおぎの稔です。今回のブログでは精神障害について、先日の大田区議会での代表質問について取り上げた内容をご報告させて頂きます。

 私が何度も精神疾患や障害を取り上げる事の理由には、私自身が「てんかん」という持病を持ち、運転免許取得や定期的な服薬などを行って来た事から、目に見えない持病や疾患を抱えた方の生きづらさ、苦労などについてはもっと発信する必要があると考えている事があります。議会内外で発信を続けており、冒頭のマンガは学校教育の中で、そういった課題について取り扱うべきだと質問をした内容を本にしています。

 昨年の代表質問で、見た目で判断の難しい持病や疾患についての教育について質問をしたところ、教育長からは「ご指摘の精神障害や内部疾患など、見た目では判断しにくい困難を抱えた方々の生きづらさや、逆に、その困難を乗り越え前向きに生きる姿に学ぶことも、児童・生徒が見落としがちな人々の存在に気づかせ、また、みずからの生きる力の育成につながる大切な取り組みと考えます。」と答弁を頂きました。課題を持たない方にとっても意義がある事を答弁頂いた事は有難い事です。

 さて、これら精神障害や疾患に分類されるものは、まだ社会に認知されてから日が浅く、他の障害や疾患に比べて支援、啓発などの面でまだまだ体制が不十分となっている事も多くあり、誤解などから来る取り扱いもあるのではないかと思っています。社会全体としても判断に迷う部分もまだあるのではないでしょうか?

 理念上は当然の事だと思うかもしれませんが、今回はあえて身体・知的障害と並び、精神障害が平等であり、同様に支援が必要な課題である事、前述の2つの障害に比べて、まだまだ対応が追い付いていない事などを取り上げさせていただきました。皆様、如何お考えでしょうか?

 

 

【質疑】

 外見的には判別の難しい障害のひとつである「精神障害」について伺います。

 精神障害者の手帳取得も5年で1000人以上と急増し、サービス利用の数、全体の割合も増えています。労働分野においても、法定雇用率の計算にも精神障害者の方が加わり、社会全体の認知度として精神疾患・障害が増えてきています。しかしながら、支援団体、また行政とのかかわりの歴史・時間について他の2障害との浅さから、多大なご努力を頂いているものの、どうしても努力が追いつかず、当事者、家族、または職場などに支援や啓発が届ききっていない部分、理解の追いついていない部分もあるのではないかと考えます。また、今まで問われてきたバリアフリーについても、ハードの観点とは別に、精神、心のバリアフリーというソフトの視点も今後重要になってきます。精神障害また疾患や、それによって生じる悩みや心理的負担感は見た目で判断できず、本人も当事者であることを申告しないケースもあります。理解・啓発の促進には身体・知的障害とはまた異なる困難さがあると考えます。当たり前と思える事が出来ないという意味で当人にとって大きな生きづらさとなっている事は間違いがありません。

 今後、精神障害、疾患を持った多くの方が社会に参加していく事なども踏まえ、区は改めて、身体・知的の2障害と同じく、精神障害が平等であり、共に支援を行っていかなければならない課題であることをはっきりと打ち出し、その上で精神、心のバリアフリーの促進などを含めた精神障がい者の支援や啓発にあたっていくべきではないでしょうか?見解をお示しください。

 

 

【答弁 松原区長】

 次に、精神障がいがある方への理解等についてのご質問ですが、障がいの種別にかかわらず、障がいのある方が地域で自分らしく安心して暮らせるようにしていくことが重要です。区は、この理念を実現するため、平成30年度から3か年を計画期間とする「おおた障がい施策推進プラン」を策定しました。このプランにおいては、精
神障がいがある方の地域における暮らしを支えるため、必要なときに適切な支援を受けることができる体制整備に向けて、保健、医療、福祉、就労機関等の関係者による協議の場を設置することとしております。

 また、区はこの間、障害者差別解消法に関する職員研修等の機会で、障がいのあるご本人からお話を伺い、精神障がいの特性等を理解したうえで、相手の思いを酌み取り、適切な支援ができる人材の育成にも努めております。さらに、区民向けに配布しております「心のバリアフリーハンドブック」には、平成28年度から「精神障が
い」の内容も盛り込んでおります。区は、こうした取り組みを着実に進め、精神障がいがある方も等しく地域の一員として人格を尊重され、ともに暮らせる地域社会づくりに取り組んでまいります。

 

マンガの詳細はこちら→

政策マンガ第9弾「学校での持病への啓発について」

政策マンガ第3弾 多様な個人を尊重しあう社会の実現編

 

前回の予算特別委員会はこちら→

代表質問はこちら→

 

〇関連ブログ

 

意欲があっても働けない方や精神障害者への支援の現状と働き方改革

やらない善より、まず手を。大田区の自殺対策の現状

見た目で判断の難しい持病等への教育の必要性を訴えました。

一人のてんかん患者として

10月はてんかん月間。100人にひとりの「てんかん」とどう向き合うか?

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コメント1件

 なずな | 2018.07.24 10:50

初めまして。なずなと申します。この文章を読ませていただきました。精神疾患ではないですが、トランスジェンダーの治療費用の補助や、同性パートナー制度についても検討していただけると嬉しいです!

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