Sep 20, 2021

大田区議会令和3年第三回定例会一般質問

大田区議会議員のおぎの稔です。先日、令和3年大田区議会第三回定例会において一般質問を行いました。

テーマは自宅療養者への食糧支援、デジタルデバイド、情報セキュリティ対策、新空港線(蒲蒲線)についてです。

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東京政策フォーラムのおぎの稔です。まず、9月4日にご逝去されました、北澤潤子区議会議員に哀悼の意を表します。北澤議員には2015年に初当選して以来、1期上の先輩として特に文化芸術関係、子どもへの支援などの分野でご一緒させていただくこともあり、大変勉強をさせて頂きました。子供たちのために身を削って活動されていた北澤議員の活動に対しまして改めて敬意を表しまして、心よりご冥福をお祈りいたします。

それでは、質問に入ります。

まず、大田区の新型コロナウイルス感染症 自宅療養者への食糧支援について伺います。

<健康政策部>

 

新型コロナウイルス感染症と診断され自宅療養をされている方のうち、保健所から依頼を受けた方には、自宅療養者フォローアップセンターより配食が行われています。配送は依頼があった日の翌々日。療養者の方がご依頼いただいてから数日お待ちいただくことがある、とのことでした。実際の問題として8月以降感染者が激増した際にはなかなか食べ物が届かない、という事が起きていました。自宅を出ることもままならない方にとっては深刻な問題です。大田区も例外なく、一人暮らしの方が多く、支援は大切なことだと考えております。

こうした事態を受け、区市町村独自に、食糧支援を行った都内自治体があります。立川市や豊島区は8月25日から1人あたり3日分の食糧を、小平市は8月20日から同じく1人あたり3日分。解熱用冷却シート、マスク、手指消毒用品、体清拭用品、トイレットペーパー等も一緒にお届けしていると聞いています。

小平市の場合、緊急の対応として予備費を使って配食事業を行った後に、補正予算で事業化したと聞いております。また、都の自宅療養者への支援として宅配される食料品は、中華料理のレトルト食品やカップ麺などが例として掲載されておりますが、腸内環境が症状の軽重に関係するという研究もあり、お粥や梅干しなどの回復や養生に効果のある食材などを自宅療養者に提供してはどうか?と市議会でも提案があり、そうした内容も盛り込まれたと聞いています。

変異株の登場など、今後、新型コロナウイルス感染症がどのようになっていくのかはわかりません。また新たに第6波、感染が拡大するような事態も起きるかもしれません。そのような事態に備えて、区もフォローアップセンター以外に独自の対応をとれるように体制を構築するべきだと思いますが、区のこれまでの取り組みと今後の対応について見解を伺います。①

また、一言申し添えます。知人からも行政の事態療養中の支援について聞いたところ、感謝の意を表しておりました。自宅療養中、毎日やることは一日二回のラインで体調に関するアンケートに答える事。体温と酸素濃度の入力をします。少し体調が悪くなった時に夜に電話がありました。体調が悪化した時の対応を教えてくれ安心できました。陽性者への対応はとても丁寧です。とのことでした。コロナ対応にあたる皆様に、多くの区民が感謝していることも是非、知っていただきたいと思います。

 

 

【答弁】

自宅療養者への食糧配送についてお答えします。食料は陽性者への電話による調査の際に希望を確認し、東京都から配送を行っておりますが、7月末以降の患者数急増のため、一時配送に日数を要する事態となっておりました。

当時、区は基礎疾患等のない20代の方への本人連絡が遅くなっていたため、支援の少ない単身者の方へ患者数急増の暫定対応としまして、東京都からの配送のつなぎとしまして、約3日分の食糧配送を緊急で行いました。今後、再度、患者数が増加した場合には本人への調査や健康観察の重点化など業務を見直し、東京都とも連携しまして、引き続き対応してまいります。

 

★デジタルデバイド、大田区の情報セキュリティ対策について

<総務部>

デジタル社会、行政のデジタル化、そういった言葉が叫ばれて久しくなっております。さまざまな技術の革新、蓄積は進んできましたが、コロナ禍によって、物理的に対面等でやりとりする困難さが生じたことで、技術の利用、体制構築が推進されていきました。各種申請、手続きのオンライン化も進んでいることは皆様もよくご存知かと思います。

 

今年3月に出された、大田区情報化推進計画では、

 

視点1 区民ニーズに即した行政サービスの提供

視点2 多様な「ちから」を活かした公共の実現

視点3 透明性・持続性を担保した組織運営

視点4 ICTの活用による職員能力の最大化

 

と、4つの視点と取組について挙げ、

 

「区民生活の向上に寄与する行政サービスを提供し、「ずっと住み続けたい大田区」の実現を目指します」としています。私は行政、手続きのオンライン化などといった取り組みはどんどん進めていくべきだと考えています。

一方、私自身、区議会議員として様々な相談を受けた中で、難しさを感じたのが技術の活用、機器の利用です。デジタルデバイトと呼ばれており、主に「情報格差」を指します。スマートフォンを持っている方は沢山いますが、書類作成等PCに比べてまだまだ難があります。またプリンタ、スキャナーなどの機器をお持ちでない方もおり、簡単なスマートフォン操作以上の事が難しい方も多くいます。

書類作成、編集などには専門の有料ソフト、有料アプリを導入する必要がある場合もおおく、誰でも簡単に・・とはいかない現状があります。デジタル化の推進と共に、区民を置き去りにしないことが大切ではないかと考えます。見解をお聞かせください。②

また、サイバーセキュリティについて質問します。サイバーテロ、ハッキングなどの事例で行政、民間が標的にされること、情報流出やアカウント乗っ取りなども身近になってきました。SNSなどで知人からおかしなメッセージが送られてきた経験のある方も多いのではないでしょうか?子供たちもトラブルに巻き込まれる事例が散見されます。

人が操作している以上、人為的なミスの発生をゼロにすることは難しいので、何かあった時の初期対応、初動の事故対応が大切と考えます。被害の拡大を防ぐためとはいえ、大田区のインターネット機能を遮断してしまえば、多くの区民の生活に影響を及ぼします。そのためには業務の継続性が重要となります。大田区はサイバー攻撃などを受けた場合、行政の業務の継続性、個人情報流出などへの対策をどのように考えていますか?職員一人一人が意識を持ち、初動対応について学ぶことも大切です。見解をお聞かせください。③

 

★新空港線・蒲蒲線について <鉄道・都市づくり部>

最後に新空港線・蒲蒲線について質問します。

2021年3月に策定された東京都の「未来の東京」戦略において、多摩都市モノレール(箱根ヶ崎方面)は「事業化に向けた調査に着手」とあり、羽田空港アクセス線は「関係者との協議・調整を加速」、東京8号線は「事業化に向けた協議・調整をさらに加速」とありました。新空港線の表記は「事業化に向けた関係者の取り組みを更に加速」とあり、関係者間の合意をまず決めないと、実際の事業化の道筋はまだ遠い、とも読める内容です。この時点での都心地下鉄・品川構想は「事業計画の検討を進め、構想の具体化を更に加速」という文言で、まだまだ新空港線と比較して遅れていると思える表現でしたが、今年7月に国土交通省は、東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方などについて、答申を公表。以下の2路線を「事業主体の選定や費用負担の調整を早急に進め、早期の事業化を図るべき」としました。8号線の延伸と品川地下鉄構想の二つです。答申ではこの二つが同格。同じ文言で記載されているのです。江東区が進める8号線延伸については、国土交通省においても、東京8号線延伸に関する勉強会が継続的に開かれているなど、整備に向けて準備が進められています。大田区は8号線や、そもそも2016年に交通政策審議会がまとめた今後の東京圏の鉄道整備指針を示す答申での6路線に無かった品川地下鉄や臨海部地下の後塵を拝することは許容できないと言っておりましたが、事実上、品川地下鉄が新空港線の先を行っているとも見える状況です。

では、大田区はどうでしょうか?多摩のモノレール、空港アクセス線が動き出し、8号線も品川地下鉄も調整が加速し、臨海地下鉄も動き出すという見込みの中、大きな前進が見えないのが新空港線です。

令和3年3月の予算特別委員会にて、自民党の海老沢議員のしめくくり総括質疑において

「都知事から設置の提案があった協議の場は、平成26年度から都区で検討してきた内容に、新たに蒲田のまちづくりを一体的に進めていくという視点を加えることにより、よりよい事業プランにするものであり、決して後退するものではないと私は思います。むしろ、鉄道整備とまちづくりの相乗効果を最大限に生み出し、都区双方の考えを尊重しながら、細部にわたって調整し、最終的に都区の費用負担割合の協議を行う場であると私は思っていますが、いかがでしょうか。」との質疑に対して、当時の齋藤新空港線・まちづくり調整準備室長は「この協議の場は、委員がお話しのとおり、都区の考えを尊重しながら細部にわたって調整を行いまして、都区費用負担割合の最終的な協議を行う場でございます。お話しのように、決して後退しているわけではなく、さらに熟度を深めて協議を行ってございます。」と答弁しております。あれから6か月が経ちました。令和3年度も残り半年となり、また9月4日にはパラリンピックも閉会しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響は一向に終息が見えない状況です。その中で、新空港線の東京都との協議は令和3年3月に第3回が開催されて以降、開催していないことが特別委員会での報告からも分かります。しかし、先に挙げたように他の路線も進んでいく中で再度、新空港線について大田区はどのように考えているのでしょうか?今までの経緯と今後の展望について、大田区の見解をお聞かせください。④

 

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