Nov 13, 2017

【こぼれ話】コンビニ強盗に遭遇した件

 こんばんは。おぎの稔です。今回は私の過去の体験についてです。

 

 2009年4月頃に上野、浅草橋、秋葉原近辺で連続してコンビニ強盗が起きました。

私もその中の一つの事件に店員として遭遇をしたので、その時の感想を皆様と共有させて頂きます。

あくまで私の個人の感想です。防犯用具の使い方や認識等、間違っている事もあるでしょう。

また、私の過去の体験についての記載は特定の企業、組織を否定する目的もありません。以上をご理解頂いた上で、お読みいただければ幸いです。

 

●犯人の様子と事件発生前後の様子

 

 明け方、店内で一人で作業をしていました。この時は深夜一人での勤務でした。

強盗が入ってきた時は他にお客様はおらず、強盗もいきなり何か事を起こすのではなく、普通に店内を歩いていましたので「強盗が入って来た」との認識はありませんでした。

暫くして、その男が商品をレジに持ってきたのでレジに入り対応しようとしました。

 

 商品のスキャンをしてふと見ると目の前に相手がおらず、レジの中に入られナイフを突きつけられていました。

「金出せよ、刺さねえからよ」と言われたのを覚えています。

 

ここで

 

「だが断る」

「このおぎの稔が最も好きな事のひとつは、自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ」

 

と言えればカッコいいのかもしれませんが、事前に教わっていた対処法通りにレジ下にある警報灯をつけるボタンを押し、お金を渡しました。

 

 その後、犯人がどちらに向かって逃げたかを確認し店長にも連絡。仕事を続けていました。

 

●最初に来たのは警備会社

 

 10分もしないうちに警備会社の方が駆けつけてくださいました。

その後、店長、警察の方も来たため仕事を交代し、警察の捜査協力に。

まさか昼過ぎまで拘束されることになるとは(苦笑)

 

 コートを着たベテラン風の刑事さんが「兄ちゃん、大変だったなぁ~」とたばこを吹かしながら話しかけてきて、ドラマに出てきそうだと思ったのを覚えています。

 

 その後、現場での事情聴取が終わり、警察署に。

「犯人の似顔絵を描く方がいるのだけど、桜田門から呼んでいるから着くまで待ってくれ」との事で待機。似顔絵作成に協力をしました。

若干ですがイラストも描いていたので「だいたいこんな感じです」と私も描いたりしました。

 

●相次いで起きた強盗

 

 下記の参考事例にもありますが、同時期に深夜・明け方の強盗が多発しました。

夜間人口の極端に少ないオフィス街だったこともあるのでしょうが、犯人は最初からこの地域に狙いをつけていたようでした。

当時を振り返れば隙があったのだと思います。

 

●コンビニ側の強盗対策(当時)

 

 コンビニ強盗は儲かりません。

 店舗側の対策として私が働いていたコンビニでは「中間回収」というものがあります。

これはレジ内の現金が一定額を上回った場合、警告音とメッセージが表示され、現金を袋に入れ金庫に仕舞うよう指示を出すものです。

 

 入れたら入れっぱなしの入れ方になっており、店長が持っている鍵でのみ金庫を開けます。

回収をさぼっていた場合はその限りではありませんが、中間回収が必要な一定額以下であれば本社が補償をするから、抵抗しないで犯人にレジの金額を渡してくれていいと教わりました。

 後述する、寝屋川の事件などの教訓もあり「抵抗するな。それよりも状況を記憶し、通報・連絡と言った対処を確実にこなしてくれ」と言われていたのを覚えています。

金庫は地面と接着しており持っても帰れません。

 

●カラーボール

 

 これは正しい説なのか判りませんが、私が教わったのは徒歩の犯人に向かっては投げるなという事でした。犯人が逆上して戻ってきてしまうからと。

自転車、バイク、車で逃走しようとする犯人に向かって投げろと教わったていたので当時は投げませんでした。

 

 カラーボールを「ばああん」と投げても良かったのですが、刃物で武装していますし戻って来られても困りますので

 

●作戦名「いのちを大事に」

 

 事件の約一年半前の07年10月、大阪寝屋川のコンビニで万引き殺人とも言われる殺人事件が起きました。

カゴに商品を入れたまま逃走する窃盗犯を店員が追いかけていったのですが、奮闘空しく、追いかけていった窃盗犯に刺され命を落としてしまった事件です。

その事件を引き合いに出され「強盗を追いかけてはいけない。通報、連絡などの処理をちゃんとして欲しい」「勇気と無謀は違う」と教わりました。

 

●支払うべきコストはちゃんと払うべき

 

 数年前、某牛丼チェーン店の深夜ワンオペが社会問題になりました。

 犯行に及ぶ人間は、それまでにその様子を確認しに来ることも多いそうですので「犯罪者に隙を与えない体制作り」というのも必要だと思います。

 

 防犯だけから全てを考えろとは言いませんが、雇用形態・労働形態等、現場の負担・無理を前提に動くシステムは、場合によっては低コストととらえることも出来るのかもしれませんが、大きな事故や事件を誘発するリスクも有し、一歩間違えば、物的・人的被害や社会的信用の毀損など大きな代償を払う事になります。

 

 ブラック企業、劣悪な職場環境なども話題になって久しいですが、そうした企業、職場を情報取得を行った先に選んでくるでしょうか?

インターネットの世界では検索も容易で、お話も瞬く間に広がります。

 最低限支払うべきコストはしっかりと払い、防犯、福利厚生、労働環境を雇用側は整えるべきだと思います。

 

———

 

参考:

13日午前5時10分頃、東京都台東区東上野のコンビニエンスストア「セブンイレブン台東東上野1丁目店」で買い物客を装った男がレジカウンターにいた男性アルバイト店員(23)にナイフのような刃物を突きつけて「金を出せ」と脅しレジから売上金約4万円を奪って逃走した。警視庁・上野署で強盗事件として捜査している。同区と隣接する千代田区内では7日からほかにもコンビニ強盗が3件相次いで発生しており、同庁は手口や犯人の特徴から同一犯の可能性があるとみている。このうち7日に台東区三筋のコンビニで約23万円が奪われた事件に関与したとして強盗容疑で男の逮捕状を取り行方を追っている。

 

12日午前4時30分頃、東京都台東区浅草橋のコンビニエンスストア「am/pm浅草橋CSタワー店」で客を装った男がアルバイトの男性店員(34)に刃物を突きつけ「金を出せ」と脅しレジの売上金約3万円を奪って逃走した。店員に怪我はなかった。警視庁・蔵前署が強盗事件として捜査している。同署によると、男が店内に陳列されていた菓子などを持ってレジに来たため店員が会計をしようとしたところ、突然ナイフのようなものを突きつけたという。男は金を奪うと店舗近くにあった自転車で逃走した。男は20~30歳ぐらい、身長は約170センチ、がっしりとした体格で、灰色っぽい服を着ていたという。当時、店内は店員1人だけだった。台東区では今月7日にも「am/pm台東三筋1丁目店」で男が現金23万円を奪って逃走しており同署が関連を調べている。

 

11日午前4時35分頃、東京都千代田区神田佐久間町4のコンビニエンスストア「セブンイレブン神田佐久間町店」に男が押し入り男性アルバイト店員(23)にバタフライナイフのような刃物を突きつけて「お金早く、札を出せ」と脅した。男は店員がレジから出した売上金など約6万円を奪うと自転車で逃走した。警視庁・万世橋署が強盗事件として捜査している。男は30歳前後、身長約170センチ、黒っぽいスエットの上下を着ていたという。

 

7日午前4時15分頃、東京都台東区三筋のコンビニエンスストア「am/pm 三筋1丁目店」に客を装った男が押し入りカウンターを飛び越えて男性店員に包丁のようなものを突きつけて「金を出せ」と脅し現金23万円を奪って逃走した。男は25~30歳くらい、身長約175センチ、髪の一部が金髪で、上下とも黒っぽいジャージーを着用していたという。

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