Sep 15, 2018

不健全図書とコンビニの成人向け図書の違いをご存知ですか?

 大田区議会議員のおぎの稔です。今回は先日ツイッター上で話題になった、有害図書、表示図書、類似図書の違いについて、ご報告いたします。

 

 

おぎの議員の『コンビニのエロ本』ゾーニング論争で「有害図書」「表示図書」「類似図書」の違いが争点に 

togetterのまとめ

 

東京都青少年健全育成審議会 6月

http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/696/696gijiroku.pdf

 

 

確認する図書類は、不健全図書として指定した図書類、不健全指定図書類、成人向けなどの成人マーク付の図書類の表示図書類、コンビニなどで販売されている青い半透明のシールで止めることで青少年が容易に閲覧できない措置がされた小口シール止め誌の類似図書類の3種類です。この3種類の図書類について、協力員の調査結果をそれぞれ表に示しています。まず、不健全図書として指定した図書類を不適切に販売している店舗はございませんでした。表示図書類を販売している店舗のうち、2店舗において包装が、2店舗において区分陳列が適切になされておりませんでした。類似図書類については、2店舗で区分陳列が適切にされておりませんでした。また、青少年への販売等を制限する制限掲示がなかった店舗は1店舗ありました。

 

 

 こちらは、東京都青少年健全育成審議会6月の議事録の冒頭部分になります。この中で確認する図書として「不健全指定図書類」「表示図書類」「類似図書類」の3つが出てきます。皆様、なかなか聞いたことない用語ではないかと思いますので、簡単に説明をします。

 

・有害図書(不健全図書)

 不健全指定図書類は、各自治体の青少年健全育成条例に基づいて有害図書(東京都は不健全図書)として指定されたものを言います。指定を受けたら、一般書店などでは包装などの上で成人専用コーナーに陳列し※、青少年(18歳未満の者)に対しては販売する事が出来なくなります。よって、指定を受けた図書がコンビニなどの流通に載る事は難しくなります。一方でわいせつ物頒布罪(刑法175条)により全面的に頒布が禁止される「わいせつ物」とは違い、18歳以上の者への販売は禁止されていません。

(※自治体により陳列方法などは異なります)

 

表示図書

 

 次のような図書類を東京都青少年健全育成条例で、青少年(18歳未満)に見せないよう、指定しています。

 

 

 一 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

 二 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

 

 このうち、上記の有害図書(不健全図書)に個別に指定されていないもので、「青少年が閲覧し、又は観覧することが適当でない旨の表示」しているものが表示図書となります。要するに、最初から成人向け(18禁)として「成人マーク」が表示され、販売も一部の専門店などに限られているものです。不健全図書のような行政による指定を受けるまでもなく、出版・販売業者の自主規制としてのレイティングが行われています。

 

(図書類等の販売等及び興行の自主規制)
第7条 図書類の発行、販売又は貸付けを業とする者並びに映画等を主催する者及び興行場(興行場法(昭和23年法律第137号)第1条の興行場をいう。以下同じ。)を経営する者は、図書類又は映画等の内容が、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、相互に協力し、緊密な連絡の下に、当該図書類又は映画等を青少年に販売し、頒布し、若しくは貸し付け、又は観覧させないように努めなければならない。

 

・類似図書

 最後に類似図書類について、こちらがコンビニなどにおいてある成人向けの本になりますが、上記2種と違い条例などで18歳未満に見せたり販売をしてはいけない事になってはいません。「そうは言うが、青いビニールテープで中身を開け無くなっていたり、成人向けと書いた看板がついていたりと規制がされているではないか?」とお考えの方もいるでしょう。あちらは、販売側と出版側(コンビニや出版社)が行っている自主規制です。簡単に表現をすると「一般向けなのだけど売る側が成人向けと推奨をしている本」となります。

 コンビニなどで売られている成人向けの本に対して「ゾーニングが不十分だ」とお考えの方もいらっしゃると思います。しかし、あの規制は「不健全図書や表示図書のような本来の18禁図書」に対するゾーニングではなく、その他一般誌と同じ一般向けの図書に対するゾーニングとなっているのです。

 

 そもそも18禁として売られる表示図書は、インターネットなどでの成人向けのページ、または専門店などに行かない限り、一般の目につくところには置いていません。発売後に行政の基準で一般向けの流通乗らない不健全図書などについても同様ですが、こちらは本来一般で発表をする目的のものであったのですから、消費者の見たい権利、作家や出版社の発表したい権利などを侵害する恐れもあり、長年にわたり議論を呼んでいます。公共の福祉(社会法益)による個人の権利(個人法益)の制限についての議論は、たとえ成人向けの図書のようなものであっても、慎重である必要があります。

 そうはいっても「あの表紙は過激だ」という意見もあろうかと思いますが、一般誌を規制対象とする場合は、漫画やグラビア、青年誌、女性誌なども含めて統一の基準で議論をしなければなりません。その為には現在の基準や運用をしっかり確認したうえで議論がなされないといけないのではないでしょうか?皆様、如何お考えですか?

 

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実際に、自らの作品を不健全図書指定された糸杉柾宏先生に作画を行っていただいています。

 

マンガで振り返る「東京都の表現規制」、だから都議会は重要だ 作画:野上武志先生

マンガ紹介:NPO法人ドットジェイピー様 

作画 松山せいじ先生 おぎのが原案に協力しました。

 

松山先生も都から作品を不健全図書指定されています。

 

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