Dec 1, 2018

平成30年第3回定例会質疑(自殺対策・動物愛護)

おぎの稔です。先日の定例会での質問です。

質問ではGK研修について、インターネット広告を活用したGK対策について、区職員の体制について、自死遺族支援について

また、産後うつ、歯科検診についてなどを質問しました。

 

【衛生費①】

たちあがれ・維新・無印の会のおぎの稔です。本日は衛生費について、質問を行います。

まず、ゲートキーパー研修についてお伺いいたします。

「ゲートキーパーとは、「門番」という意味です。自殺対策におけるゲートキーパーとは、「地域や職場、教育、その他様々な分野において、身近な人の自殺のサインに気づき、その人の話を受け止め、必要に応じて専門相談機関につなぐなどの役割が期待される人」のことでゲートキーパーの役割とは、ひとことで言うと、「気づき、受け止め、つなぐ」ことです。

 

私も中級研修を受けました。

ゲートキーパー研修について、議会事務局を通じて東京23区に調査を依頼し回答を頂きました。その抜粋をタブレット型端末に資料として配信しています。資料1をご覧ください。一番右側が平成29年度のGK研修参加者です。

人口約73万人の大田区の一年の履修者は、240人。一方で人口25万人の港区は、995人。人口近い足立区は645人、江戸川区は785人、練馬区は 335人、人口約28万人の目黒区が365人、およそ人口が大田区の半分の新宿が248人となっています。

皆様、如何お考えですか?

 

大田区より人口の多い世田谷区が101人と比率で見ても数字で見ても、大田区がワーストというわけではありません。しかしながら、この場で何度もお訴えをしてきた通り、自殺を防ぐには、様々な機会を通してその予兆を掴み、適切な機関につなげていく事が肝要であり、その役割の一部は、区民の皆様にも担って頂く必要があります。

数字が全てでありませんが、この履修者数について、私はまだまだ、少ないように感じますもっと多くの区民の方に研修を受けて貰う必要があると思いますが、見解をお伺いします。

 

【衛生費②】

続けて、区職員のゲートキーパー研修履修数について伺います。

配信資料1をご覧ください。平成30年4月1日現在の職員の履修数を載せています。

大田区は9.4%となっています。

他区では港区は73.4%、人口の近い足立区は82.5%、江戸川区が 40%、練馬区も21.2%でした。大田区より少ない自治体も勿論ありますが、低い数字であるといえると思います。

 

実際に自殺対策に先進的に取り組んでいる、足立区でお話を聞いてきました。

GK研修は3400名いる職員の3年目の必修となっており、中級、上級研修もそれぞれの職層の必須科目となっているそうです。足立区の8割を超える履修率の要因には職員個々の意識だけでなく、区全体の意識、首長のリーダーシップもあります。

自殺対策は保健師、福祉職の方だけが取り組むわけではありません。経済的、身体的理由、仕事の関係や人間関係、様々な要因が複合的に重なって起きる自殺は起きます。専門職だけでなく様々な機会を通して身近な方の悩みをキャッチし必要であれば専門機関に繋げていく事が重要です。

身近な存在として多くの区民に接する区職員にこそ、対策の必要性を認識して頂く必要があります。区の自殺対策についての姿勢として、この数字で良いのでしょうか?予算を掛け、取組を行っていただいている事を否定はしませんが、一層の努力を期待したいと思います。

大田区の自殺者数は、全国同様年々、減少傾向にあります。0には出来なくとも、対策によって減らす事はできるのです。それでも、多くの方が未だに自ら命を絶っています。区民の生活と命を守る最前線にいる区職員の皆様に、研修をもっと多く受けて貰う必要があると考えますが、見解を伺います。②

 

【衛生費③】

若年層などへの幅広い支援、啓発としてインターネット検索と広告機能を活用したGKシステムについて伺います。タブレット型端末に配信した資料2、3をご覧ください。こちらは実際に足立区でスマートホンの位置情報をオンにした上で「自殺 孤独」の文字で検索した画面です。 画像のような広告が表示され、クリックすると足立区のページに繋がります。このシステムは「インターネットGK」と呼ばれ、検索の文字列の中から、語句を抽出し、広告を表示、HPに繋げます。

 

330文字の語句を広告の表示対象に、4月からスタートしたこの事業は予算として約450万円、2013年から活動しているNPO法人に受託をしています。毎月一回、報告を受けており、妊産婦や学校と言った個別の支援につなげたケースや私立の中学生からの相談も受けるようになった事から、私立学校が盲点であった事など発見もあったそうです。

特に若年層は、他の世代が減少傾向にある中で、自殺者数が比率として減少していない事からも、重点的な取り組みが必要になります。取り組みの一つとして、インターネットGK導入に意義はあると思いますが、区の見解を伺います。③

 

【衛生費④】

自殺の最後に、自死遺族支援について伺います。私自身も、自死遺族の一人としてこの場で何度も自殺対策について訴えてまいりました。

都のリーフレットなどは本区も窓口で配布をしておりますが、具体的な事業はまだ行われておりません。23区の中では、足立区などの4区が自死遺族支援のための事業として、自死遺族の会、グリーフサポートへの協力を行なっております。自死遺族支援は改正された自殺対策基本法によって、取り組む必要のある事業として記載されており、大田区も今後行なっていかなければならない事業です。大田区の見解を伺います。④

 

 

【衛生費⑤歯科】産後うつ、歯科検診

 

国立成育医療研究センター9月5日発表した調査結果によると2015と16年の2年間に死亡した妊産婦のうち、自殺は102人で全体の3割を占め、死因として最多。産後うつが主な理由だとされます。妊産婦の方の、健康づくり、ケアはとても重要な課題となりますが、今回はお口の健康の点から質問いたします。衛生費歳入歳出決算概要説明書の244ページの母子保健費、歯科保健の項目をご覧ください

 

大田区は妊娠中に1回、区内の指定歯科医療機関で受診できる「妊婦歯科健康診査」を行なっており、平成29年度は1919名の方が受診をし、支出額が862万円余となっております。

大田区在住の方以外の方も含まれている為、正確な数値にはなりませんが、昨年度の妊娠届出数は6751名。仮に計算をすると割合は28%

まだまだ啓発、利用促進の余地があると考えます。

続けて産後の歯科ケアですが、産婦さんは24時間体制で子育てに臨まなければならいため、なかなか子供から離れることができません。訪問診療を活用できれば良いのですが、家から出ることのできない明示的な理由が示されている人のところには保険適応で訪問歯科診療にいけるのですが、妊娠、出産、産後の状況は、疾病や傷病ではないため、保険適応内で訪問診療をうけることはできません。

赤ちゃんが生まれると、赤子のお世話が優先になり、自分のことが後回しになるお母さんは多く、診療、治療を後回しにする方も多いと聞きます。こうした事は、虫歯や歯周病、他口内トラブルの悪化にも繋がっていきます。

妊婦さんと共に、産婦さんへのケアの充実が必要です。区の認識をお答えください⑤

 

 

【衛生費⑥地域猫】

 

最後に飼い主のいない猫対策について伺います。

大田区では「地域猫」対策についての啓発活動を行なって来ました。地域猫対策は、飼い主のいない猫問題を地域の合意のもとに、地域に暮らす方々が力を合わせて取り組む地域の環境改善活動であり、具体的には猫に去勢・不妊手術を行う事により、望まない猫の繁殖を制限する事や、えさやりとふん尿の適切な管理及び周辺の清掃を行う事によって猫による被害を少なくしていきます。地域猫対策は猫の好きな方の為といったものだけでなく環境美化の為にも必要な施策です。

昨年の第4回定例会の一般質問での私の質問に対し、保健所長から「今後は飼い主のいない猫にかかる問題はその地域の課題であるとの視点に立ち、住民が主体となって、地域の関係者の理解と協力の下で行う猫の管理活動の仕組みづくりについて検討し、人と猫の適正な地域共生を推進してまいります」と回答を頂きました。本区の検討の状況、また今後の展望があれば、お聞かせください⑥

 

ありがとうございます。以上で質問を終えます。

 

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