令和2年大田区議会予算委員会総務費(感染症と差別、HP、公務員と表現の自由)
こんばんは。大田区議会議員のおぎの稔です。本日は予算特別委員会、総務費で質問しました!予算や決算特別委員会は歳入、議会費、総務費、福祉費、衛生費、土木費、都市整備費、環境清掃費、教育費、各特別会計などの中から自分の持ち時間の中で、好きな款に時間を割り振りし質問する事が出来ます。
私の持ち時間は全部で31分。今回は総務費で質問しました。テーマは感染症と差別、HPのわかりやすいレイアウト、職員の言論・表現の自由の3点です。答弁など個別の解説、ご報告は後ほど行います!
【感染症と差別対策】
感染症と差別問題について質問。今回のコロナウイルスで問題なのはあくまでウイルスであり、特定の国や地域、人種、また感染者に対する差別が行われないようすべきだと質問。大田区からも学校やHPで既に取組を始めた旨と今後も行っていく旨の回答がありました。特に大田区は戦後、中国の方が多く住んできた土地でもあります。羽田空港を抱えた首都東京の玄関口としても今回のコロナウイルスによって差別が引き起こされることのないよう、取り組んでいく必要があります。
【質問文】
昨今の新型コロナウイルスに関連して質問します。日本の感染症法は前文で「我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。」と記載があります。感染症の原因がわからなかった時代には悪魔や魔女などの魔術、怨念、祟りなど禍々しいもののせいだとされてきました。近代においてもしばしば感染症は病による被害以外に、差別を産み出してきました。ハンセン病の他に、近年では福島の方への風評被害をご記憶されている方もいると思います。
現在も、新型コロナウイルスの件で、中国人への差別、そしてヨーロッパなどではアジア人への差別ともとれる事態が既に散見しています。差別はそもそも人権を損なうものであり起こってはならないものです。ヨーロッパの国では、コロナウイルス騒動当初から、科学的な根拠なく、アジア人をまるごと施設への立ち入りを拒否するなど差別が行われています。日本政府の対応が批判を浴びていましたが、1月末、2月初旬に渡航制限や直行便を止めた各国でもすでに日本と同等数、またはそれ以上に感染が拡大しており、水際対策でも100パーセント感染を防げないことは明らかです。また、中国語の翻訳ミスからの誤解から、中国が日本型肺炎という風に、今回の新型肺炎を語っているとのデマが流れているようですが、こちらは日本の新型肺炎の状況という意味だったということなど非常時には憶測やデマが流れやすく、注意が必要です。
感染者を忌避するかのような差別イメージが感染症につくと、差別を恐れて隠してしまう人が出ることにもつながり、感染症の抑止の面からも極めて問題です。政府や東京都も対策に乗り出していますが、学校や各種地域団体と密接な関係にある地方公共団体として、大田区は積極的に「ウイルスを憎んで人を憎まず」のような意識啓発を行うべきと考えるがいかがでしょうか?①
【HPのわかりやすいレイアウト】
大田区のHPの情報のまとめ方、出し方について質問しました。個別個別のページに飛べば細かい内容は把握できるのですが、たどり着くまでにわかりづらいと区民の方からご意見を頂き、質問で取り上げさせていただきました。補助金や制度の名前を区民の方は知っている前提でなく、簡単なワード検索でもたどり着く事が出来るように大田区は努力をするべきです。特に一覧ページなどは積極的に活用するべきで、こんな制度もあるんだ。こんな支援もあるんだと必要な時に情報が一覧で見れるよう、工夫する必要があります。
【質問文】
HPの利便性、判りやすい広報について質問します。参考に配信した資料をご覧ください。大田区の子育て関係の申請書類一覧のページと、浦安市ので事業者が委託を受けて作成しているHPです。浦安市の場合、届け出や補助金の概要、担当課、連絡先と簡単に内容が把握できるようになっています。
大田区も届出や補助金といった名目ににそのままリンク、また別のページではリンクの埋め込まれたボタンを押すとそれぞれのページに飛ぶ仕様になっています。しかし、それだけではその届出が自分に必要なものなのか?どんな支援が受けられるのかわかりません。
各種申請、補助金、権利は区民の方に利用していただくためにあるのです。何度も何度も調べてもらったり、区の窓口に行き来してもらうのではなく、なるべく一度で済むように区の広報もわかりやすくすべきべきです。
概要を一覧ページに載せることはSEO対策の面からも重要ですし、区民が制度をわかっていることを前提にするのではなく、ほかの制度を調べているときに、こんな制度もあるのかと、わかるように情報を掲載しておく必要があるのではないでしょうか?
必要な届出を一覧にしている事は評価できるのですが、それがどんなもので、どう使う事が出来るのか、どこへ行けばいいのかもわかるように記載する必要があるのではないでしょうか?見解を伺います。②
参考:【MY 浦安 浦安市】
【大田区 HP】
【区職員の言論、表現の自由】
最近は公務員の方がSNSで情報発信をしたり、趣味や社会活動に参加しその内容を発信する事も多くなってきたと思います。そういった中公務員としての縛りやルールとの衝突。また、個人個人との話に収まらず、職場への迷惑行為などのトラブルにまで発展する事もあるかと思います。生身の公務員だけでなくキャラクターや民間とのコラボレーションに対しても同様の事が起きるかもしれません。大田区としての見解を確認しました。
区としては、言論・表現の自由は、日本国憲法で保障された権利であり、民主主義社会を支える重要な基本的人権の根幹をなすものである。それは地方公務員も例外ではないと表明頂いたうえで、公務員については法令により守秘義務、信用失墜行為の禁止、政治的行為の制限などの規定がある事についての回答。
職場への妨害行為などについては、個人としての活動であるので個人の自覚と責任において対処すべきことであるが、区への誹謗中傷や職場への妨害行為など区の業務に著しい支障が生じる場合は、そうした行為を排除する必要があり職員個人に押し付けるのではなく、所属課と人事や総務課が連携し、組織的かつ毅然とした対応をとる。と回答を頂きました。
【質問文】
昨今は、インターネット・SNSの発達も伴い、多くの方が趣味や慈善活動、社会運動、地域のボランティア活動、また言論、表現活動を発信、公開するようになりました。公務員の方もその例には漏れず、さまざま社会問題への言及をする公務員の方も匿名、実名を問わず増えているように思います。有名になった事例ですと、北九州市のバナナ姫ルナという市の名産品を紹介するキャラクターのコスプレをした職員の方がいます。この方の場合は職場の理解もありました。
地方公務員法など業務上の縛りはありますが、公務員の方も言論・ 表現の自由があります。では、区として公務員の方の趣味や、SNSインターネット等での言論、表現活動について、制限はありますでしょうか?③
ありがとうございます。個人での活動の発信がしやすくなった分、当該自治体以外の方も含めて、言論、表現、趣味などの活動について、ともすれば区に批判や苦情があることも予想されます。あくまで個人の活動は個人の責任とすべきですが、職場等への度重なる妨害、嫌がらせなどが行われた場合、区としてどのように対処しますか?④