【大田区議会】新空港線・蒲蒲線、いつ決着をつけるのか!?
こんにちは。大田区議会議員のおぎの稔です。衆議院選挙の真っ最中ではありますが、先日の大田区議会本会議での質問に対して本日はご報告させていただきます。
多摩川線沿線に住み、活動する議員として2015年の初当選当初から取り上げてきた、新空港線・蒲蒲線についてです。
質問の中でも明らかにしていますが、今年7月に国土交通省が「東京圏における今後の地下鉄ネットワークの在り方などについての答申」を公表しました。以下の2路線を、事業主体の選定や費用負担の調整を早急に進め、早期の事業化を図るべきとしました。8号線の延伸と品川地下鉄構想の二つです。答申では、この二つが同格、同じ文言で記載されています。江東区が進める8号線沿線については、国土交通省においても東京8号線延伸に関する勉強会が継続的に開かれ整備に向けた準備が進められています。大田区は、「江東区の8号線や、2016年に交通政策審議会がまとめた今後の東京圏の鉄道整備指針を示す都心での6路線になかった品川地下鉄や臨海部地下鉄の後塵を拝することは許容できない」と言っておりましたが、事実上、品川地下鉄が8号線同様に新空港線の先を行っていると見える状況です。
一方で、大田区は今年の3月以降、新空港線・蒲蒲線についての東京都との協議の場が開かれていません。もともとの2016年の整備すべき6路線にあった、JRの羽田アクセス線、多摩モノレール、そして8号線が動き出し、8号線と同格で元々6路線に無かった品川地下鉄も動き出しました。コロナ禍で東京都にも大田区にも予算の余裕もない。その中で、一向に先行きの見えない新空港線・蒲蒲線、具体的にどうなっているのか?いつ計画に動きがあるのか?改めて議会の場で質問をしました。区側の意思表明、部長の決意表明という形での答弁ではありましたが、引き続き、この課題も追い掛けていきます。
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動画
【質問】最後に、新空港線蒲蒲線について質問します。2021年3月に策定された東京都の「未来の東京」戦略において、多摩都市モノレール(箱根ヶ崎方面)は「事業化に向けた調査に着手」とあり、羽田空港アクセス線は「関係者との協議・調整を加速」、東京8号線は「事業化に向けた協議・調整をさらに加速」と書いてあります。新空港線の表記は「事業化に向けた関係者の取組をさらに加速」と書いてあり、関係者の合意をまず決めて、実際の事業化の道筋を立ててくれということだと思います。これは当たり前です。
この時点での都心地下鉄品川構想は「事業化の検討を進め、構想の具体化をさらに加速」という文言で、まだまだ新空港戦と比較しても遅れていると思える表現でしたが、今年7月に国土交通省は、東京圏における今後の地下鉄ネットワークの在り方などについて答申を公表しました。以下の2路線を、事業主体の選定や費用負担の調整を早急に進め、早期の事業化を図るべきとしました。8号線の延伸と品川地下鉄構想の二つです。答申では、この二つが同格、同じ文言で記載されています。江東区が進める8号線沿線については、国土交通省においても東京8号線延伸に関する勉強会が継続的に開かれています。整備に向けた準備が進められています。大田区は、8号線や、そもそも2016年に交通政策審議会がまとめた今後の東京圏の鉄道整備指針を示す都心での6路線になかった品川地下鉄や臨海部地下鉄の後塵を拝することは許容できないと言っておりましたが、事実上、品川地下鉄が新空港線の先を行っていると見える状況です。
では、大田区はどうでしょうか。多摩のモノレール、空港アクセス線も動き、8号線も品川地下鉄の調整が加速し、臨海地下鉄も動き出すという見込みの中、大きな前進が見えないのが新空港線です。令和3年3月の予算特別委員会において、自民党の海老澤圭介議員の締めくくり総括質疑において、「都知事から設置の提案があった協議の場は、平成26年度から都区で検討してきた内容に新たに蒲田のまちづくりを一体的に進めていくという視点を加えることにより、よりよい事業プランにするものであり、決して後退するものではないと私は思います。むしろ鉄道整備とまちづくりの相乗効果を最大限に生み出し、都区相互の考えを尊重しながら細部にわたって調整し、最終的に都区の費用負担割合の協議を行う場であると私は思っていますが、いかがでしょうか」との質疑に対して、当時の齋藤新空港線・まちづくり調整準備室長は、「この協議の場は、委員がお話しのとおり、都区の考えを尊重しながら細部にわたって調整を行いまして、都区費用負担割合の最終的な協議を行う場でございます。お話しのように、決して後退しているわけではなく、さらに熟度を深めて協議を行ってございます」と答弁しております。
あれから6か月がたちました。令和3年度も残り半年となり、9月4日にはパラリンピックも閉会しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響は一向に収束が見えない状況です。その中で、新空港線の東京都との協議は、令和3年3月に第3回が開催されて以降、開催していないことが特別委員会での報告からも分かります。しかし、さきに挙げたように、ほかの路線も進んでいく中で、再度、新空港線について大田区はどのように考えているのでしょうか。今までの経緯と今後の展望について、大田区の見解をお聞かせください。以上です。
【答弁:高橋鉄道・都市づくり部長 】
私からは、新空港線の今までの経緯と今後の展望についてのご質問にお答えいたします。
平成28年の国の答申第198号において、区として、かねてより実現を要望していた新空港線が「矢口渡から京急蒲田までの事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体鉄道事業者等において、費用負担の在り方等について合意形成を進めるべき」と示され、都内他の5路線とともに整備に向けた明確な位置づけを
得たところでございます。
その後、令和2年3月に行われた区長と知事との会談において、まちづくりの要素等も加味し、新空港線をよりよい事業プランとし、その結果をベースに、都区負担等に関する協議を進めるため、都と区において、新空港線及び沿線まちづくり等の促進に関する協議の場を設置することとし、令和2年9月に第1回を開催し、これま
でに3回開催いたしました。本年3月末に開催した第3回においては、JR及び東急蒲田駅における乗り換え利便性の向上について、今後、関係者調整を行っていく上での基本となる案を整理したところでございます。この間、本年3月に、都は「未来の東京」戦略を公表し、新空港線を含む6路線について「鉄道事業者をはじめとす
る関係者との協議・調整を加速し、調整が整った路線から順次事業に着手」と記載するなど、整備着手に向けた目指すべき到達点を明確にしたところです。
本年度に入ってからは、度重なる緊急事態宣言の発出等により協議の場が開催できておりませんが、現在、第4回の開催に向け、各検討項目の詳細を詰めるなど都区の担当者間で鋭意調整を進めているところでございます。また、議員からお話しがありましたまちづくりの連携という点におきましても、私も都から派遣されている立場を十分理解し、まちづくりの連携方策なども含めて、引き続き検討していきたいと思ってございます。
「未来の東京」戦略にも記載されているとおり、都や鉄道事業者などの関係者との協議・調整をさらに加速させながら検討を進め、年度内の都区合意及び第三セクターの設立に向けて、スピード感を持って取り組んでまいります。私からは以上でございます。