制度化に向けて、大田区での地域猫活動
こんばんは。おぎの稔です。
先日、大田区議会で質問した「地域猫活動の制度化」についてご報告させて頂きます。
いわゆる「地域猫活動」は飼い主のいない猫対策であり、糞尿などの環境被害の防止を始めとした、望まない猫の繁殖による住環境の悪化防止、弱い命を大切にする事により命の大切さを育む情操教育、人と猫(動物)との共生社会の実現などの一環として、各地で行われています。
地域における飼い主のいない猫対策については、ボランティア等の民間の活動のみに終始している自治体もあれば、制度として行政が何らかの形で関わりを持っている自治体もあります。
私は「地域における飼い主のいない猫対策」を大田区で制度化するべきだと考え、議会での質問を重ねてきました。大田区も各自治体の事例の研究、調査を行ってきた事もあって、今回、議会での制度化に向けて提言に繋がりました。
今後も制度化の実現に向けて、動きを議会の側から注視していきます。
●登録ボランティア型とモデル地域型
東京都下の自治体での地域猫対策制度は、おおまかに2種類あります。
一つは登録ボランティア制度。
地域において、行政が定める「飼い主のいない猫対策指針」等に基づく活動を行っている方を「登録ボランティア」として登録、行政が登録ボランティアの活動を支援し、地域における飼い主のいない猫対策を推進する制度で練馬や渋谷、荒川区等はこのような形をとっています。
メリットとして、猫ボランティアの方の身分が保証される事、個人のボランティアの方の活動がしやすい事。
デメリットとして負担、苦情などが集中しやすい事、時間の経過とともに地域とのトラブルが起こりやすい事が挙げられます。
もう一つはモデル地区制度。
飼い主のいない猫の問題を地域の環境問題としての視点に立ち、地域団体や地域住民達で作る団体が主となって、地域住民の理解と協力の下で、猫の適正管理、対策を行っていく制度で、品川、中野、板橋区などが採用しています。
メリットとして、活動に対して地域住民の協力が得られやすい事、個人の負担を軽減し、分担できる事、地域コミュニティが生まれる事。
デメリットとして地域住民、団体の理解を得るまで時間がかかる事、猫ボランティアの方個人、活動への支援が行われにくい事が挙げられます。
それぞれ一長一短で、制度が適した自治体、そうでない自治体もあるかと思いますが、私は大田区には後者の「モデル地区制度」が適していると考えます。
理由として、大田区は地域ごとの特色が強く、また町会自治会や商店街などの地縁団体が機能している自治体であり、地域猫対策を地域に根差した活動へと結び付けていく事が出来るからです。
モデル地区制度は、松原区長の掲げる「地域力」にも合致します。
●制度化の必要性と効果
今回の質問に至るまで、地域猫活動を始め、動物愛護活動を行っている個人、団体、施設の方と意見交換を行い、実際に保護活動の現場を見てきました。
その中で、活動が知られていない事、自治体からの認証、お墨付きを得てない事といった理由から、動物愛護活動をする方が直面する問題や地域の抱える課題についてお聞きする中で、制度化の必要性を感じていました。
制度化が行われ、活動が承認され、自治体や地域が協力していく事で、地域猫対策はもっと進んでいくだろうとの想っています。
登録ボランティア制度にしてもモデル地区制度にしても、行政が認可し支援をする以上、一定のルールが存在するため、自由さは無くなるかもしれません。
しかしながら、行政が認可し支援をする活動にしていく事で、活動が一般化され、様々な方が参画しやすく、また活動や活動への支援、広報、啓発への予算などもつけやすくなっていきます。
飼い主のいない猫対策を、大田区の地域の課題として捉え、今後も提言を続けていきます。
動物愛護、猫の不妊去勢手術については政策マンガでも取り上げてきました。
政策マンガ第10弾「動物愛護問題における大田区の取組について」
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●関連ブログ
・殺処分のない社会を目指して~動物虐待防止と不妊・去勢手術助成について質問しました
・殺処分のない社会に向けて~動物愛護センターを視察してきました。
一般質問はこちら➡
大田区議会平成29年第4回定例会一般質問
大田区議会議員 おぎの稔 公式サイト
https://youtu.be/p-CKHJdDylQ?t=2s
【質疑 】
【動物愛護について】
動物愛護について伺います。
飼い主のいない猫について、大田区では「地域猫」対策についての啓発活動に加えて、猫の去勢不妊手術の一部助成などを行ってきました。
地域猫対策とは、飼い主のいない猫問題を地域の合意のもとに、地域に暮らす方々が力を合わせて取り組む地域の環境改善活動であり、具体的には猫に去勢・不妊手術を行う事により、望まない猫の繁殖を制限する事や、えさやりとふん尿の適切な管理及び周辺の清掃を行う事によって猫による被害を少なくしていきます。
地域猫対策を進める事は、人と猫との共生社会を実現し、環境美化、公衆衛生の観点からも区民の利益向上に結びついていきます。
昨今の動物愛護意識の高まりや社会的な潮流もあり、対策を進めようとする方が増えてきた一方、そうでない方との間で見解の相違によるトラブルが生じているとも聞いています。
更に、地域猫対策といっても明確な場所、時間、方法などのルールが統一されておらず、個人個人が自身の思い描くように活動をされている事、また地域猫活動が住民の理解を得られていない事などから、誤解なども起きていると聞いています。
こうした飼い主のいない猫に掛かる活動は、既に東京23区の別の自治体でも実例があり、地域猫対策に取り組む登録ボランティア制度を採用している練馬区等の自治体や、地域猫の対策に地域として取り組みたいとの要望を持った町会や自治会等を行政が支援している、品川区等の自治体があります。
特に、地域ごとの特色、違いの大きい大田区では問題が発生している地域に対し、区が住民と協力をして、その解決を図っていく、地域ごとの問題解決型の制度が適しているように考えます。
地域団体、地域に住む方々によるグループが、住民の理解と協力の下に進めていく活動であれば個人的な費用などの負担は少なく、さらに地域活動への理解者、協力者を新たに発掘していくメリットもあり、まさに松原区長の掲げる「地域力」を生かした上での、人と動物との共生社会の実現のための一つの施策となるでしょう。
また、都の補助金のような制度も併せて活用する為にも制度化が必要です。
大田区もこの間、飼い主のいない猫対策についての啓発、広報や他区の事例研究を行ってきた事は聞き及んでおりますが、今後は飼い主のいない猫に関わる問題等が発生している地域を支援するために、具体的な地域猫対策の制度化に向けて検討を進めていくべきではないでしょうか?地域における飼い主のいない猫対策の制度化について区の見解をお示しください。
【答弁 概要 保健所長】
私からは飼い主のいない猫対策に関する質問にお答えします。
これまで区では地域に赴き、それぞれの地域の実情に応じた方策を行うよう努めてまいりました。
今後は飼い主のいない猫にかかる問題はその地域の課題であるとの視点に立ち、住民が主体となって、地域の関係者の理解と協力の下で行う猫の管理活動の仕組みづくりについて検討し、人と猫の適正な地域共生を推進してまいります。以上です。
宇野 | 2018.05.28 22:47
はじめて。大田区在住しております、宇野と申します。
地域猫の考えに賛同致します。動物たちが自分たちで出来ない避妊や去勢を人間がおこない、不幸な猫をへらし地域猫として幸せに一生を送ってもらいたいと考えております。
相談なのですが、西糀谷2丁目の松原もとき議員の自宅が猫の繁殖場となっています。不幸な子猫を減らすために、何か良い方法がありましたら、教えて頂きたいです。
おぎの議員さんのお力をおかりしたいです。
殺処分のない、平和な暮らしのためにどうぞ、宜しくお願い致します。