Apr 30, 2022

大田区議会 第一回定例会 予算特別委員会質疑

大田区議会令和4年第一回定例会 予算特別委員会 東京政策フォーラム・おぎの稔質疑。

サイバーセキュリティ、副区長の管掌事務、自殺対策、若者支援、新空港線・蒲蒲線

<総務費>

<サイバーセキュリティ―関係>

①大田区は今までは国際関係の緊張などの備えについてミサイル発射に備えたJアラートの訓練などを行ってきた。一方で近年、注目されているのはサイバー攻撃である。オリンピック・パラリンピックの際も大規模な攻撃が行われていたことが先日、明かされた。また、今般起きているロシアとウクライナの間での戦争においても、ウクライナで、また日本国内の企業においてもサイバー攻撃によりインフラ、金融機関などが被害を受けていることが示唆されている。現在、大田区にも大量のSPAMメールのような形で、何者かからの攻撃を受けていると聞いている。これは事実でしょうか?

 

答弁【情報セキュリティ担当課長】:

独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンターによりますと、エモテットと呼ばれるウイルスへの感染を狙う攻撃メールが本年2月から急増しており、国内企業、組織からも感染被害が次々と公表されています。区におきましてもエモテットが含まれている疑いのあるメールの受信として、各部局からの報告されているものが20件以上あり、警戒を強めています。

 

②サイバー攻撃は物理的な軍事攻撃などより安価で、また目立たず行え、市民生活、区政運営に対して大きな打撃を与えることができる。大田区も区庁舎だけでなく民間も含めたサイバー攻撃の被害により大きな混乱を招くことが懸念されます。ミサイルを打つよりも、軍隊を派遣するよりも安価で広範囲に攻撃を行うことが出来ます。今後こうしたことが増えていくのではないか。住民生活への影響が大きいことはサイバー攻撃でも変わりません。

災害時などの大田区、委託先など民間インフラも含めた備えが必要ではないでしょうか?区としての見解をお答えください。

 

答弁【情報セキュリティ担当課長】:

コンピューターウイルス感染や大規模地震による情報システムの停止など、情報セキュリティ事故が起きた際の、初動から事後対応の体制については、大田区情勢セキュリティ事故対応マニュアルに従いまして、外部委託事業者を含めまして障害の検知、識別、初動対応、復旧、再発防止対策等の手順を定めまして組織的に事故対応を行っております。今後もサイバー攻撃等の最新情報を適切に収集し、情報セキュリティの確保に努めてまいります。

<組織経営について>

③組織経営において4大経営資源と呼ばれるものがあり、ヒト・モノ・カネ・情報といわれています。組織経営とはこの4大経営資源の活用が問われていると言われています。大田区において、昨年6月までは2人の副区長でヒトを所管する総務部と、カネを所管する企画経営部に権限を分けていましたが、昨年の7月からは1人の副区長が総務部と企画経営部を所管しています。言い換えればヒトとカネの権限を1人の副区長が掌握しているといえますし、ヒトとカネの権限を持つことはそこに付随するモノと情報も集まることになります。端的に言えば4大経営資源の権限を副区長がおひとりで持つという状況になっています。そこで伺います。従前は人事と財政を担当する副区長を分けていましたが、1人の副区長が担うことになりました。その理由と、それぞれの職務の分担について改めてお聞かせ下さい。

 

④1人で担うならば、もうおひとりの副区長は区政運営の中でどういった役割を担われているのでしょうか。財政と人事を集約することで、スムーズに意思決定、区政を進めることも出来るのかもしれません。しかし、そうなると懸命に大田区が経費削減をしている中、副区長2人体制とすることの意味がどのようにあるのか。そのことを区民の皆様の前でしっかりと説明する必要があるのではないでしょうか?

これは今のお二人の前の体制の時から続いてきた体制を、形にも見ることができますが、今まで理由があって副区長お二人で権限を分けていたのか、また、それをなぜ今になって一人に集約したのか、そうした理由について、議会に人事について同意を得た後に変更したわけですから説明も必要だと思います。

今、着任されているお二人の副区長は、それぞれ長年区役所を務められた上で、その能力を評価され、区長から副区長へと人事の同意も含めて、議会にも図られました。今までの副区長の中には東京都から来た方もいらっしゃいますが、今のお二人は昨年6月以前と同じくお二人とも、大田区に長年勤められた副区長です。その副区長の権限が昨年6月以前の形と変わったことになります。

答弁;

 

副区長は区政に置いてその能力をどのように生かされているのでしょうか?

大田区の副区長について、ですから人事の同意、所管の変更の時はそうでも、その後時間が経った時には、区長の意思を議会で説明できる形も必要ではないかとは、思います。

権力の集中による不祥事は後を絶ちません、記憶に残る事例として日産のカルロスゴーン元会長の事件、また日大の田中元理事長。いかに優秀で高潔な人物であっても陥りがちで、権力は放っておくとさらに拡大をします。その結果、恣意的な行動に走ってしまうと言われています。今のお二人の副区長がそうだ、というわけではありませんが、そうなる危惧は常にあるということをご認識いただければと思います。

権力の濫用を防ぐためには権力を分散することが重要で、職務上担う権限が大きければ大きいほど権力の集中につながるといえます。もちろん、それで仕事が回らなくなってしまっては本末転倒ではありますが、ヒトやカネのような重要な権限はなるべく分散し、牽制しあうシステムの中で適切な経営を実現する、このかじ取りや決断こそが区長の重要な職責であるともいえます。行政運営を任される経営陣に於かれましては意思決定の際に大変なご苦労があると思います、組織経営にバランス感覚をもたせる上で副区長の権限について再度見直し、時には激しい議論も厭わず、健全な議論の中から最終的な決断を民意で選ばれた区長の責任において下す、まだまだお元気な松原区長のリーダーシップに期待し質問を終わります。

 

答弁:

 

 

<衛生費>

問:荻野議員
インターネットを活用した自殺防止相談事業の具体的な成果はどのようになっているか

答:健康医療政策課長
区内で自殺に関連するキーワードを検索した人の端末に相談を促す広告を表示、広告を
クリックすることで相談を希望した人に臨床心理士等がメール等で相談を受け必要に応じ
て医療機関への同行や家庭訪問をおこなう。
相談者の年代別では30歳未満の若年層が令和二年で全体の 59.7%、令和三年も同様の
傾向にある。メンタルヘルスに関する質問は令和元年が 47.4%、二年が 76.6%と支援ニー
ズが高まっていることについてコロナ禍の影響もうかがわれる。若年層は従来の相談形式に繋がりにくいが、親和性の高い ICT を活用し、関係機関につ
なぐなど実績をあげている。

問:荻野議員
子供の居場所整備が果たすべき役割について、他の窓口と被る部分があるが、その意義と
は今後どのように運用していくのか、なぜ地域力推進部に設置し地域力推進部が主体となっていくのか、どのような取り組みが期待できどういった課題を解決できるのか。

答:青少年健全育成担当課長
子供若者総合相談窓口は気軽な相談が可能で、年齢によって制度のはざまで支援が途切れることを防ぐ新たな取り組みである。支援においては地域とのつながりが重要。こうした
強みを生かして、今後地域力を生かした伴走的支援に取り組んでゆく。

問:荻野議員
居場所づくりとは具体的にどのようなモノを区は想定しているのか、窓口で支援される
べき若者とはどういう人たちを指すのか

答:青少年健全育成担当課長

義務教育終了後の15歳~ポスト青年期と言われる39歳を指す。
気軽に立ち寄ることができ、安心して過ごすことができる場所。具体的には情報検索や学
習等ゆったりと過ごせる空間に加え個々のニーズに合わせたプログラムを予定、更に本人
にとって安心できる個々の居場所と連携した支援を行うことが重要

 

<都市整備費>新空港線・蒲蒲線について

問:荻野議員
新空港線蒲蒲線における整備主体設立のための出資金について今までも予算計上が行わ
れてきたが、今回で何回目の計上になるのか。

答:新空港線・沿線整備担当課長
「平成29年に一回目を行い令和4年目で6回目になる」

問:荻野議員
「計上が6回も行われており、大田区議会への説明と実際の交渉の動きに大きな乖離があ
る。今までに答弁で出なかった品川地下鉄や多摩モノレールの延伸も先日決定したことに
ついて、都や国との考え方において先にいくつかの路線が決まったから他の路線を後回し
になるようなことは考えるのか。

大田区は新空港線蒲蒲船の協議を続けてきており、この協議さえ終了すればほかの路線
の計画が先に始動したとしても計画は履行できるのか。他の路線で予算を使ってしまった
ので(計画は)来年度以降にということにならないのか」

答:新空港線・沿線整備担当課長
調整が整った路線から事業を着手する。新空港線については東京都との協議の場におい
てもどかしい部分はあるものの、都区の費用負担割合の合意に向け協議を調整しており今
年度内の合意を目指して取り組んでいる

問:荻野議員

新空港線の整備に向けた特別局長会や沿線自治体との協力取り組みについての現状につ
いて、最近は表立ったアクションが以前より見えないが協議は進んでいるのか

答:新空港線・沿線整備担当課長
これまでも区は国土交通大臣や東京都知事に対し新空港線の早期実現を求める要望活動
を行ってきた。特別区長会に対しての東京都にやいする施策及び予算の要求の中に新空港
線の早期整備という項目を入れるように毎年要望しており、特別区長会もそのことを受け
止め要望に盛り込んでいる。

問:荻野議員
東京都と最終協議を続けてきている負担割合について、仮に東京都側の負担割合が小さい場合、住民や議会の同意が得られるのであればそのまま遂行していくのか。また、大田区側のほうが大きな負担を負うことになった時は、都が新空港線の役割を首都圏の空港アクセス強化よりも大田区内での話という意味合いが大きいという風に認識していると考えて
よいのか。区としてはどのように負担割合について考え、協議に臨んでいるのか
答:新空港線・沿線整備担当課長
東京都には区としての考えをしっかり伝えている

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