福祉は幅広く。介護と精神疾患や依存症の関係について質問しました。
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【福祉費】7分
介護と福祉の縦割りの弊害について
Q1:アルコール依存症や精神疾患の疑いのある高齢者を介護し、同居している方から相談を受けた。精神疾患などの場合は介護では対応しづらく、その方は福祉課やケースワーカーに相談したうえで、更に区に部署を横断した対応をお願いしたが、ケース会議を開くといって出席者を訪ねた場合、福祉課とケースワーカーといった元の福祉課のメンバーで行うという内容で、相談者はたいそうお怒りだった。介護の問題についてこのような課題を区はどのようにとらえているか?
【答弁】
精神疾患などの疑いがある高齢者とその家族の支援には、その方々の心身の状態や日常生活の状況といった情報を収集し、課題に応じて介護以外の分野も含めた適切な支援を行う事が必要です。区はこれまでも生活面や健康面、金銭面などの課題に応じて、大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTA や地域健康課の保健師など、多様な機関が連携しながら支援を進めてきました。
しかし、精神疾患の特性を理解したり、課題等を聞き取ったりするには、ある程度の専門性と経験が必要です。また、当事者の方々からは、個人情報の共有の同意が得られないことも多く分野を超えた有効な連携尾がとれない事例があります。
今年度、大森地域でモデルを実施している重層的支援会議でも、精神疾患のある方も含めた複合的な課題の事例が多くを占めている状況です。精神疾患のある方への支援のあり方については、来年度から本格実施する重層的支援体制整備事業の実施計画の策定過程においても、議論がされており、大きな検討課題ととらえております。
Q2:介護に置いて精神疾患、依存症などのケース、本人が行動を自制出来ないことも介助者、家族を苦しめることになると思う。そうしたケースの対応をお願いしたい場合、はっきりとした窓口がない。区民が相談に行ってもたらい回しにされることも多い。
大田区の重層的な支援においても精神疾患について支援が不足している旨、現状認識がされている。今、医療の分野でも総合診療のように考えが広まっているが、職員の中にもゼネラリスト的に対応できる職員を育成していく必要がある。また、区民の声をいかに受け止めるか。窓口の体制が必要だと思うが、見解を伺う。
【答弁】
現在、精神疾患を含む複合的な課題がある方には支援が必要であり、関係機関同士が知恵を出し合いながら、これまで以上に連携を高めていく必要があります。
大森地区で、モデルとして実施した重層的支援会議では、多機関連携を調整する地域福祉課の担当者が、聞き取った情報をもとに、関係機関に集まってもらい支援方針と役割分担について話し合っています。
また、会議には実戦経験が豊富で行政福祉を専門とするスーパーバイザーも参加しており、支援方針への助言もいただいております。
中立的な調整役が会議を進め、支援の計画づくりを検討することで、各支援機関が、役割に応じて主体的に動ける体制が出来、効果的であることがわかりました。
参加した支援者からも会議に参加したことで、知らなかった知識も得られ、勉強になったという声も聴いております。
令和5年度からこの多機関連携を調整する重層的支援会議を4つの地域福祉課で実施する体制に拡充します。
今後はこうした実践を積み重ねることで、支援に必要な広い知識と連携協力のスキルをもった職員の育成にもつなげてまいります。
引き続き、庁内や医療などの関係機関との連携に努め、包括的な支援体制の整備を進めてまいります。