意欲があっても働けない方や精神障害者への支援の現状と働き方改革
こんばんは。おぎの稔です。
今回は代表質問で取り上げた自治体と働き方改革と精神障がい者の方や働く意欲があるのに働けない方への就労支援についてです。
国の「働き方改革」がどのように進んでいくのかの議論も注目していきたいところですが、実際に現在政府が進めている働き方改革が進んでいった場合、公のサービスや福祉などに対するニーズの変化、地域の人の流れの変化などが起きる可能性もあります。
どこまでの影響が及ぶのかはまだ未知数ですが、時代の変化に対応する準備も着実に進めていく必要も行政にはあり大田区は現状をどのように認識しているのか区長に質問しました。
また、同時に精神障がい者への就労支援、高齢化社会の到来などでまだまだ働きたいのに働く事が難しくなってくる方々への就労支援・アプローチをどのように考えるのか?も質問しました。福祉施策を一生懸命やっても働き先の受け皿や、働く環境がしっかりとしていなかれば雇用には結びつかず、無理をしても長続きはしません。
働く意欲のある方がしっかりと働ける環境を作っていく為に、今後も声を上げていきます。
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【質疑】
安倍政権では、働き方改革を一億総活躍社会に向けた最大のチャレンジと位置づけ、今年の3月に働き方改革実行計画をまとめました。現在の日本の長時間労働などの労働をめぐる問題は、単なる意識改革だけでは解決が難しい側面があります。理想の働き方、望ましい働き方と一口に言っても、その形は人それぞれであるため、議論には慎重を要します。この議論自体も働き方の見直しに逆行した内容にならないよう注意しなければなりませんが、働き方、就業に対する意識も多様化していく中で、働き方改革が施策として継続的に機能していけば勤務形態、賃金、労働時間などが大田区民にも大きな影響があると予想できます。
働き方改革を機能させるためには、自治体における働きやすいまち、環境づくりが必要だと思います。例えば、労働負荷を緩和する働き方が浸透した場合、区民が地域やまちに出ていく余暇が生まれます。交流、活性化や現役世代の地域・社会参加などにもつながる等、区政にとって重要な意味を持ちます。それと同時に、行政サビスに対するニーズの多様化なども予想されますが区はどのように考えていますか、お答えください。
先日、厚生労働省が5月30日に障がい者の法定雇用率を31年に2.3%に引き上げることを決定したと報道されました。来年4月からは、法定雇用率の計算式に精神障がい者が加わります。精神障がい者の社会的な雇用の受け皿や社会参加のための対策が必要になりますが、現在の取り組みと課題についてお答えください。
また、社会的に精神的な障がいや疾患の受け入れの整備が進んでいく中で、教育の場である学校での取り組みも必要です。社会に出る前に自身の特性を受け入れること、自分の特性を早期に理解することで、その後の人生、社会との向き合い方は大きく変わります。もっと子どものころに自分の特性を理解していたら違った人生があったかもしれない、当事者や近しい関係者には、こう思う方が少なくありません。当事者でなくても、周囲にそうした特性を持つ方がいることを子どものころに理解することも、大きく意義のあることです。特に、見た目で判断のできない疾患や障がいなど、様々な特性、生きづらさについて理解するための啓発を学校でも強化すべきではないでしょうか。
あわせて、通常の働き方に困難を抱える方、生きづらさを抱える方の支援についてですが、高齢化社会の到来もあり、まだ働けるのに年齢の問題や様々な理由で社会経験、スキルを積むことのできなかった方、生きづらさを抱えた方の就労、雇用の問題が顕在化してくることが予想できます。他方、企業の側も受け皿がなければ、福祉策を懸命に整えても効果的に作用するとは言いがたい側面もあります。区は、雇用先を創出し、働きやすい環境や支援体制を整えていくべきではないでしょうか。
【答弁 松原区長】
働き方改革に関するご質問ですが、働き方改革の実現に向けて、自治体においても区民の働きやすい環境づくりを進めていくことが重要であると認識しております。
区は、大田区実施計画を策定し、ワーク・ライフ・バランス、女性活躍の推進、高齢者の就労促進を初め、保育園の整備や保育士の人材確保などの取り組みを進めております。また、長時間労働の是正などにより、区民が地域へ出ていく機会が増え、地域での交流や社会参加の促進にもつながることを期待しております。今後も引き続き区民の働きやすい環境整備を進めるとともに、新たなニーズを的確に捉え、暮らしやすく、にぎわいのあるまちづくりを進めてまいります。
次に、精神障がい者の社会参加の一つとしての就労支援についてのご質問でございますが、精神障がい者の雇用を促進する上では、その方の状況に応じた支援に加え、企業側に障がいの特性や対応を正しく理解いただくことが大変重要です。現在、区では障がい者総合サポートセンターの就労支援センターが中心となって取り組みを進めております。5月には、ハローワーク大森等の関係機関と連携し、就労支援情報説明会を開催し、就労支援事業所や医療機関等から約70名の参加がありました。今後も、関係機関との連携を一層強化しつつ、障がい者総合サポートセンターがネットワークの中心として機能をさらに発揮し、精神障がい者の就労支援を進めてまいります。
次に、様々な理由で生きづらさを抱えた方々の就労に関するご質問ですが、ご本人の経験や知識、技術や能力、意欲を活かした就労支援には、多様なニーズに応じた柔軟な働き方への対応が必要であり、雇用先の開拓及び関係機関の連携が大変重要でございます。区は、国の労働行政機関とともに、地域労働関係協議会を構成し、各種取り組みを進めております。
高齢者分野では、大田区いきいきしごとステーション、シルバー人材センターを窓口として求人の開拓の働きかけを行うとともに、障がい分野では、障がい者就労支援センターの職員が企業体験実習先の開拓を行い、実習先企業を着実に増やしております。
また、生活困窮者の分野では、大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAの就労支援員が求人開拓を行い、相談者一人ひとりの状況に合った就労が可能となるよう努めております。区といたしましては、様々な事情をお持ちでも、就労意欲のある方が安心して働ける地域社会の実現に向けて、関係機関との連携のもと、就労支援に取り組んでまいります。
【答弁:津村教育長】
私からは、外見では判断できない疾患や障がい、様々な特性、生きづらさについて理解するための啓発についてのご質問にお答えいたします。
児童・生徒に対して、人々の多様なあり方を知り、その人格、個性を尊重することの大切さを理解させる上で、障がいや様々な疾患のある方などから学ぶことは大変意義のあることと考えております。
このようなことから、例えば、総合的な学習の時間において、身体障がいや知的障がいの当事者の方、もしくは保護者の方からお話を聞く、あるいはみずから車椅子体験をするなどの取り組みを進めてまいりました。ご指摘の精神障害や内部疾患など、見た目では判断しにくい困難を抱えた方々の生きづらさや、逆に、その困難を乗り越え前向きに生きる姿に学ぶことも、児童・生徒が見落としがちな人々の存在に気づかせ、また、みずからの生きる力の育成につながる大切な取り組みと考えます。今後も、多様な人々の存在や生き方を知る機会をつくり、子どもたちの人への関心を高めるとともに、みずからが生きていく上で励みとなるような取り組みを、様々な教育活動を通じて進めてまいります。私からは以上でございます。
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