ゆりかごから墓場まで!?子供や若者への自殺対策について
(マンガは以前の政策マンガ 自紙遺族支援編の一コマです➡詳細はこちらおぎの稔政策マンガ第8弾 自死遺族支援編)
先日の大田区議会決算特別委員会において学校など児童生徒と触れる場での自殺対策、及び若者への自殺対策について質問をしました。
自殺対策基本法が作られ10年、国でも大田区でも年間の自殺者数は減少傾向にあります。
特に、中高年への対策の前身は目を見張るものでしょう。
素晴らしい事です。
一方で10代~30代の死因のトップは変わらず自殺です。
改正された自殺対策基本法にもあるように未遂者、遺族への支援と共に若者への自殺対策強化を進めていく必要があります。
また、改正自殺対策基本法では学校で子供の頃からSOS、生きる力を育んでいく事も義務付けられました。
生きる力の総合的な支援と言われている、自殺対策。
子どもの頃から人生の困難、課題の受け止め方、相談や解決方法について学ぶ事は、仮に死を考える程追い詰められなくとも、生きていく事で必要な力を学ぶことに繋がっていくと思います。
自ら死を選ばない為の、生きる力の支援を、子どもから大人まで。
自死遺族の一人として、今後も訴えていきます。
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質疑&答弁概要
https://youtu.be/KMX-s8kpG28?t=14m1s
【⑦自殺対策について 学校の取組】
引き続き、教育分野についてお聞きします。
自殺対策基本法が改正され、平成28年4月1日より施行されました。
この中には『学校は、保護者・地域住民等との連携を図りつつ、各人がかけがえのない個人として共に尊重し合いながら生きていくことについての意識の涵(かん)養等に資する教育・啓発、困難な事態、強い心理的負担を受けた場合等における対処の仕方を身に付ける等のための教育・啓発その他児童・生徒等の心の健康の保持に係る教育・啓発を行うよう努める。』とあります。こちらはSOSの出し方、また予防教育と呼ばれています。
特に家庭と学校だけで人間関係や社会的つながりが限定的になりがちな子供にとっては、周囲の大人や他者に助けを求める力を養う事は、彼・彼女らが生きていく上で、必要な要素になります。自治体独自の計画策定も改正法によって義務付けられている中、28年度、区内の小中学校ではどのような取組を行ってきましたか?
【答弁 概要】
現在、健康政策部を中心に自殺対策基本法を基づく、市町村自殺対策計画の策定に向けた準備が行われておりますが、教育委員会においても計画策定に先駆けて自殺防止についての教育に取り組んでおります。
各校では道徳の時間において自他の尊重、命の尊さ等について考えさせると共に、生命尊重週間を設定し事故や犯罪被害者のご遺族のお話を伺ったり、生命尊重の作文、絵、標語作りに取り組みかけがえのない命の大切さを考える機会としております。
また、小学校第2学年、中学校第2学年の児童生徒を対象にスクールカウンセラーによる全員面接を実施しているほか、小学校第4学年から中学校第3学年までの児童生徒を全員対象に、メンタルヘルスチェックを年2回実施しております。
更に、今年度からはキーホルダーを作成し、教育センターの連絡先を記載して、全児童生徒に配布するとともに中学生については生徒手帳にも相談機関を記載する事で、子ども達が電話やメールで気軽に相談出来る環境作りを行い、いち早く子どものSOSのサインを受け止められるよう努めております。
【自殺対策⑧】
子どもからのSOSを受け取る、またSOSを出す、誰かに助けを求める力の育成という意味で、児童館のような学校以外の子供と触れる場所ではどのような取組を行っていますか?
【答弁 概要】
遊びが中心となる児童館では学校とは異なる顔を見せる児童も多く、児童館職員は日常の会話を通じて、子ども達との信頼関係を築き、交友関係や家庭での悩みなどをキャッチした場合は、
一人一人の子どもに寄り添った支援に努めております。
また、相談内容によっては専門機関と連携しながら子どもの最善の利益となるような対応を心がけております。
子ども同士のトラブルの際にはお互いの気持ちを素直に表現できるような助言や葛藤を克服した時には褒めるなど、自己肯定感や相手を思いやる気持ちを育み、自らSOSを出せる力の育成につとめております。
【自殺対策⑨】
自殺対策は生きる事の総合的な支援と言われています。
子供の頃から、SOSを出す力、困ったときに助けを求める力を含めた生きる力を養う事は必要な事であり、義務教育の後、大人になるまでの切れ目のない支援も重要です。
私もこうした政治家という職に就いていますので、いつも周りの方に助けてもらってばかりの事もありますが、やはりそうして、困ったときに誰かに助けを求める事は、難しい事ですが、大切な事です。
自殺対策基本法が2006年に成立し、
多くの方のご尽力により、自殺者は減少傾向にあります。
その中にあって、若者の自殺の割合の減少が非常に弱い事が懸念となります。
平成28年の大田区内の自殺者数を見ると、全体で117名の方が命を絶っている中、10代から30代までの自殺者数は40名。男性は71名中21名、女性は46名中19名と高い割合を維持しており、平成24年から27年までの10代、20代、30代の死因の一位は自殺。28年も残念ながら同様の結果となっています。
社会経験もまだ浅く、孤立しがちなために、助けを求める相手がいない、またそうした方法が判らずに追い詰められて、死を選んでしまう事が想像できます。
大田区における若者の自殺対策について、所見を伺います。
【答弁】
区全体の自殺率は減少傾向にある中、若者の自殺率が減少していない現状を踏まえ、若者に対する自殺対策を充実する必要がございます。
このため区内大学等との連携を検討するとともに、各種相談窓口やゲートキーパーの役割をSNSを通じて周知するなど若者に関する普及啓発を充実してまいります。
区の自殺計画の策定におきましては、国の自殺総合対策大綱等を踏まえると共に、自殺総合対策協議会を活用し、若者に対する効果的な対策を検討してまいります。
【質疑】
自殺は追い込まれた末の死であり、本来、救えたはずの命です。
それにも関わらず、深刻な子どもや若者の自殺があとを絶ちません。
本来、救えるはずの命がいっぱいあるのに、次々と失われてしまうのは政治や行政、社会の対応が遅れているからです。
大田区でも昨年、40名の若者が自ら命を絶っています。
こうした若者が一人でも多く救われるよう、また、命を絶つという最後の段階まで行かずとも、色々な面で命や生活を守るというのは、今の政治に必要な事だと思います。
こうした事が進み、大田区の自殺対策が更に進んでいくことを祈念し、また議場の皆様のさらなるご理解、ご協力をお願いし、質問を終えます。