遺族として自殺対策強化を大田区に訴えました。
誰も自殺に追い込まれることのない社会の為に。
平成27年10月1日 決算特別委員会 衛生費の質疑で、
・自殺対策においての現状と、現状自殺の年代一位である50代以外の区内の10~30代の若者の自殺の要因、対策について
・自死遺族への支援体制の強化、家族を自殺で失った児童の数の区は把握するなど、特に家族や友人を失った子供への支援体制構築について質問をしました。
自殺の多くは追い込まれた末の死であり、本来は防げた死です。
個人の勝手な選択ではなく、社会全体の問題として捉えて取り組んでいかなければなりません。
私自身小学生の頃に家族を自殺で失い、家族が自殺の決意をするほど追い込まれていながら、止める事が出来なかったことを15年以上にわたり、後悔し続けてきました。
自殺者は生き返るわけではありませんので、自殺者の総数が減る事は決してありません。
年間ベースでの自殺者数は減っても総数は増えるわけではありませんので、
悲しみを抱え、喪失体験をする方は増え続けていきます。
まず自殺を防ぐ事。
そして残念ながら自殺者を出してしまった場合に、その周囲の家族、友人といった方々(特に子供の)のケアにも、もっと力を入れていかなければならない事を訴えました。
絞り出すように声を出す・・・という表現がありますが、質疑の最中に力が入りすぎてしまい、言葉が続かなくなる経験をしました。
半年で、質疑・討論と、何度も議場に立たせて頂きましたが初めての経験です。
この経験は貴重な財産になると思います。
かつての自分のような体験をする方が一人でも減るように、自殺対策、遺族支援に力を入れていきたいと思います。
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自殺対策についてお伺いいたします。
自殺は個人ではなく社会の問題であり、自殺の多くは追い込まれた末の死であり、本来防ぐ事の出来た死です。
自殺は様々な要因が重なったうえで起きる死である事から対策は、様々な部署が横断的に取り組み、地域ごとの特徴も把握していく必要があります。
大田区では昨年は約130人の自殺者がおり、特徴としては年代では50代男性が一番多く、職業は専業主婦や年金受給者を含む無職が全体の約5割、要因は健康問題が最多となっております。
さて、私からは若者の自殺についてお聞きします。
2014年版の自殺対策白書によりますと、15歳から34歳の若い世代では、男女ともに死因の一位が自殺となっています。
若い世代で死因のトップが自殺なのは先進7カ国のなかで日本だけです。
昨年の大田区内の自殺者は10代が3名、20代が11名、30代が20名と、多くの若者が命を絶っております。
また、全体の要因の一位である健康問題が、この若い世代でも一位であるとは考えにくく、子供や若者の自殺についても区は実態の把握、対策を行わなければなりません。
【荻野】
質問します。
大田区では、区内の若者の死因の統計、及び若者の自殺の要因の統計を把握していますか?
また、今後、関係機関と連携をして、実態を把握し、若者の自殺を防ぐための取組を進めていくべきではないでしょうか?お伺いいたします。
【答弁概要】
大田区における保健所の年間のデータによると、10代から30代では自殺が死因の第一位を占め、さらに10代では不慮の事故、20代から30代では悪性新生物がこれに続く状況です。
自殺の要因については、現在、大田区では警察庁統計をもとに、内閣府から提供されるデータにより把握しているが、年齢別のデータは提供されていない為、年齢別の原因は把握していない。
今後は、国に年齢別・男女別の集計を依頼し、若年者の自殺の状況についても分析を行っていく。
平成26年度に設置した「大田区自殺対策総合対策協議会」は、警察や民間活動団体、医療機関など地域の多様な機関・団体で構成されている。
地域における自殺の現状が明らかになるよう、一層の連携を図り、地域の実情や世代に応じた効果的な支援につなげていく。
【荻野】
ありがとうございます。続きまして自死遺族支援について質問いたします。
一人自殺者が出ると約4~5人の自死遺族が生まれるそうです。
友人、知人も考えれば、自殺のもたらす影響は甚大です。
質問します。
大田区として自殺防止に加え、自死遺族に対する支援の体制を整えていくべきではないでしょうか?また、親や家族を自殺で失った児童の数を区は把握をするなど、特に家族や友人を失った子供への支援の為の体制を組み、実施をしなければならないと思いますが、見解をお伺いいたします。
【答弁概要】
区は自死遺族支援として、東京都作成の遺族向けのリーフレットを関係部署に配布し、適切な情報提供と生活の相談を行える体制を整えている。
リーフレットにはこころの悩みや日々の生活相談窓口、心身の不調に気づいた時の医療機関、各種手続き等の情報がまとめられている。
ゲートキーパー研修には、身近な人を亡くした遺族も参加しており、研修修了者を対象に、今年度からアンケートを実施し、ニーズを把握の上自死遺族の集いの開催を含めた支援の在り方を検討していく。
自死遺族のうち、特に子供への支援については、関係機関と連携し、「大田区自殺対策庁内連絡会議」「大田区自殺総合対策協議会」において、検討課題としていく。
【荻野】
ありがとうございます。なぜ、今回自殺対策についてお聞きしたか、私自身が小学生の時に、同居していた家族を自殺で失った、自死遺族であるからです。
当時の光景は脳裏に焼き付いており、家族が死を選ぶまで追い詰められたのに救えなかった事を今でも後悔しております。
大田区には自殺対策への更なる取組と、遺族支援の前進、将来的に緊急一時避難等の設置も視野に入れた対策強化等、誰も自殺に追い込まれない社会を作る為の対策を進めて頂きたい事を要望し、質問を終了いたします。
ありがとうございました。
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余談ですが、このブログは奥華子さんの「迷路」を聞きながら書いています。
素敵な歌ですよね。