Nov 28, 2019

大田区議会令和元年第4回定例会おぎの稔一般質問(台風関連)

こんばんは。大田区議会議員のおぎの稔です。本日は大田区議会本会議で一般質問をした内容について、ご報告します。20分時間を頂きましたが、殆どを台風19号発生に伴い得た経験や、ご意見から来る災害・風水害対策に充てました。新空港線(蒲蒲線)も風水害対策の視点からです。こちらも多摩川線沿線に住む議員として、欠かせませんでした。答弁付きの解説はまた改めて行わせて頂きます。

——

大田区議会第4回定例会 大田区民の会令和 荻野稔

質問時間20分 質問のみの時間12分

主なテーマ

1、発災時の区民にとってわかりやすい情報発信について 

2、それぞれの属性に応じた避難体制の準備について

3、発災時の医療情報の共有について

4、保育園や子育て施設の災害体制について

5、路上生活者、滞留者、帰宅困難者の受け入れ、対応について

6、災害時の区有施設の取り扱いについて

7、蒲蒲線 新空港線について

 

【質問 本文】

先日の台風19号について、私も消防団の一員としても現場で活動をしました。そうした点から気づいた点、また区民の皆様からも頂いたご意見などを元に本日、質問を行います。

 

1、発災時の区民にとってわかりやすい情報発信について 

 

 10月12日、夕方、台風19号の接近に伴い避難警報や災害情報が流される中、大田区の公式HPがアクセスできなくなりました。強風などの影響で特にマンションの多い蒲田地域、矢口地域などは防災無線も聞きづらかったとご意見も頂いております。

 ツイッターなどのSNSは機能したものの、情報量や主体的に必要な情報にアクセスできないため、細かい地域ごとの課題が入手しづらく、エリアメールも同様で、課題がそれぞれありました。避難所等では受け入れ人数が超過し、受け入れ不可能になったことなどの現場の情報、新たな避難所開設など追加の情報についても、区民の取得が難しく混乱を招きました。先に上げた、区民への情報伝達手段のどれかが欠けた状態でも、区民に情報が伝わるようにする体制が必要です。今回は実際にHPへのアクセスが難しくなりました。インターネットやSNSを使えない方もいます。

 また、昨今は鉄道会社等の意識変化により、「こんな時まで出勤させるなんてブラック企業だ」と話題になっていた事が改善した一方、別の課題も生まれました。鉄道の運行が停止され、道路混雑等、今までにない混乱も予想されるようになりました。鉄道会社の運休計画など、区は情報を把握していたが、情報伝達は広く区民に行っていませんでした。区民や企業に対して、必要な情報は伝達すべきです。

 災害時、区民にとってわかりやすく必要な情報発信について見解を伺います。①

 

2、それぞれの属性に応じた避難体制の準備について

 

 今回の災害時、インターネットなどを通じて情報を取得した若者は避難し、高齢の方は自宅での垂直避難を選択した傾向もあったように思います。避難警報が出てからの避難が高齢者、災害時要援護者ほど困難を極めた事情もあるでしょう。対策が必要です。

福祉施設における自主避難スペースを3つ開設しましたが、区内の要配慮者、一人一人をどう区は見ていくのか、どう災害時の情報を伝えていくかもとても大切な視点です。個人、世帯の抱える課題や属性はそれぞれです。今回、私の元にも、ペットの同行避難、妊婦、乳幼児のスペースはあるか、車での避難が出来るかなど多くの質問が寄せられました。日本語を母国語にしない方向けの災害情報発信も指摘されました。障害、病気、精神疾患対応。これらは災害が発生してからでは間に合いません。常日頃からの備えとして、マイタイムラインを活用する事の推奨も必要ですが、全ての区民に利用して頂くにはまだ遠く、普避難所の情報、何処に避難するのか?どういう経路で?何が必要か?といった課題について、災害時にすぐ情報発信が出来るような備えも必要です。大田区の見解を伺います。②

 

3、発災時の医療情報の共有について

 

 台風15号で甚大な被害を受けた千葉県では大規模な停電も起こり、病院も含め被害をこうむり、熱中症の疑いで死者も出ました。

私は矢口西小学校の防災活動拠点会議のメンバーになっています。矢口西小学校は矢口地区の災害医療救護所にもなっているのですが、そこの運営マニュアルには「重傷者が搬送されてくる事も考えられます。スペース確保と状況を把握し、本部に報告します。」「困難と思われる方は福祉避難所への移送を検討します」とあります。発災時にはすぐの搬送や医療関係者がすぐ揃うというわけでなく、傷病者も数日は避難所で過ごして頂く事も考えなければなりません。震災、風水害、雪害によってインフラが寸断される可能性もあり、特に配慮や対処が必要な方の備えは重要です。

 電源や物資の備えが大切なのは医療関係施設も同様です。大田区は緊急医療救護所等開設・運営訓練と言う事で、提携している病院と訓練も行っておりますが、その病院の体制、また地域に点在する患者たちがどのような配慮、支援を必要とているかを把握していますか?実際に災害時に動かしてみたら非常用電源が動かなかった事例も他自治体で聞いていますが、災害発生時を見込み提携病院の、非常用電源、また、非常時の備えがどれだけあるのか?発災時の医療関係者の出勤体制など、区として情報をあらゆる形で収集、把握すべきですが見解を伺います。③

 

   4、保育園や子育て施設の災害体制について

 台風19号の接近に伴い、今回区内の保育園で、保育士の出勤体制についてSNSで話題になりました。区内在勤の保育士さんが金曜日の出勤時に、土曜日の体制についてお知らせを受けた事に端を発したこの出来事、特に、民間の保育園であれば区の直営と違う事、遠方からも通う保育士が多い事などで課題もあったと思います。保護者が夜間でも子供を受け取りに来れるよう保育所の開設をと通知があった事は、逆に保育士さんにとって帰宅のタイミングを逃す事にもなり、施設の災害時避難の備えなど、不安を覚えた保育士さんも多かったのではないでしょうか?

 一方で法律上は11時間開所と決まりがある中、大田区は保育を必要とする利用者の為に最大限、他区に比べても、保育園を開園しようと努力をされた面もあります。実際に、12日お昼の時点で、区内の保育園には区立11名、私立7名の園児が預けられていました。介護関係者など、どうしてもお子さんを預けなければならなかった方だったと聞いています。

 大田区は金曜日の時点で、保護者に12日の状況についても通知、自宅での保育を推奨しました。結果、12日は40名近くの園児を預かる体制をとっていましたが、実際に預かった18名との事、これは大田区の努力もあっての事です。一方、私立園はマチマチですが、大田区は公立の認可園を全て開園していたと聞いています。ハザードマップの浸水エリア内の園も開設していた事になります。たまたま土曜日、それも台風が近づくのは夜でしたからまだ良かったかもしれませんが、災害時に全ての保育園を開けることは、場所によっては危険も伴います。学校、児童館などの施設も含め、風水害時どういう対応をしていくのかは今後、課題になると思います。

 避難所開設の基準については、今回質問しませんが、私も矢口地区に住む人間として、多摩川に隣接する事から、矢口出張所管内の学校施設が一つも、避難所としてつかえなかった事に苦慮しました。浸水エリア内の園では、働く保育士さんや預かったお子さんの安全を踏まえ災害時、どの段階での避難体制を保育園では考えていたのですか?見解を伺います。④

5、路上生活者、滞留者、帰宅困難者の受け入れ、対応について

 台東区で避難所での路上生活者の方の受入れ拒否が話題になりました。人権問題上、ゆゆしき問題です。また、公共交通機関等が早めの運休を進める中、区内に滞留する帰宅困難者も多くなることが予想されます。ホテル、マンガ喫茶などの簡易宿所、単身赴任者などの一時滞在施設などを利用している方々といった、区内に住所のない避難者の点にも目を向けなければなりません。区では発災時、区内滞留者、路上生活者にどのように対応をしますか?お答えください。⑤

 

6、災害時の区有施設の取り扱いについて

   続けて、災害時の区内施設の利用について伺います。発災時、施設を使用してのイベント開催は困難です。しかしコストと準備に時間がかかった分、主催者側がギリギリまでの開催の判断をまつ事情も理解できます。特に、大田スタジアム、大田区総合体育館、区民プラザ、アプリコ、産業プラザPiOなどは判断が難しくなります。震災と異なり、事前にある程度予想をされる台風や大雨などの風水害の場合、主催者側からのキャンセルを待つという形になります。

 利用の取り消しという形で「災害その他の事情により施設の利用ができなくなったとき。」と利用負担が掛からない形での決まりがある施設も多いと思いますが、台風を事前に予測し、キャンセルしたが当日の被害はそれほどでもなかったという事も起きうる可能性もあります。この場合、災害などの事情に認定されるでしょうか?

 先ほどの取り消し規定のみの施設も多いと思いますが、災害発生時、区として施設をどの段階で災害対応として、避難所など優先的に使用していくかを事前に示す事も必要です。現在は施設の管理者ごとに独自の対応をされていると思いますが、災害発生時の対応について改めて、それぞれの施設ごとに整備が必要ではないでしょうか?見解を伺います⑥

 

7、蒲蒲線 新空港線について

 続いて、新空港線・蒲蒲線について伺います。私は何度も特に東急線、多摩川線沿線の住民の不安、利便性の悪化という点についてどう考えているのか、議会でも訴えてまいりました。1分1秒を争い、鉄道会社がダイヤ改正、乗り換えを行なっている昨今、乗り換えと地上地下の移動、接続を考えた際、空港に接続する公共交通としての新空港線の機能は弱いように考えます。

 大田区側からの渋谷、池袋方面への利便性についても、地下と地上での乗り換えを考えると言われるほどに向上が出来るのか、疑問であります。今後の少子高齢化時代を考えた際に今、新線設置が必要と考えるか?という点もありますが、今回は風水害に関連して、質問します。

 今回風水害時のハザードマップが注目をされましたが、蒲蒲線(新空港線)計画の、矢口渡の先から蒲田の地下へと掘っていくエリアは多摩川氾濫時の浸水エリアにあります。蒲蒲線が沈むんです。浸水、冠水対策としてどのようなことが考えられるでしょうか?

また、鉄道会社が早めの計画運休、運行停止を行っている傾向になってきた中で、新空港線も同様の対応をとると考えられます。電車が止まります。その場合、大田区の言う、災害時の代替ルートの利用は目的の機能を十分に果たせないことも考えられますが、合わせて見解を伺います。⑦-⑧

 

以上です。答弁、宜しくお願い致します。

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