大田区は帰宅困難者及び徒歩帰宅者支援強化を!
大田区議会議員のおぎの稔です。今回は3月の予算特別委員会で取り上げた帰宅困難者対策、徒歩帰宅者支援についてです。
帰宅困難者対策、この言葉自体は既にお聞きになった方も多いと思います。3・11以降、都心を中心に様々な対策が講じられてきました。駅や公共施設などに避難をして頂き、急場をしのいでいただくのですが、実際のところ、発災時には遠方でも、徒歩帰宅を選択される方も沢山いるのではないでしょうか?
私も2011年3月11日夜、たくさんの方が通り沿いを徒歩帰宅する中に混じり、帰宅をしました。本来は防災、防犯の視点からも事業所や一時滞在施設、駅などに留まって頂くのが、望ましいのですが、やむを得ず徒歩で帰宅する場合に備えての支援として、事業者の協力や特に多くの徒歩帰宅者が通るであろう、主要道路沿いの警備など、徒歩帰宅者支援・安全対策を汲む必要もあると考えます。特に大田区を始め、東京都内の自治体は住民以外の方の避難、誘導など安全安心と言った点も考慮に入れなければなりません。
皆様、如何お考えですか?
大田区 HP
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【質疑】
同様に、東京、首都圏の中でどのような役割を担っているのかを、防災の視点からも考える必要があるのではないでしょうか?
先日の大雪の際、私は道路交通網が麻痺している中、馬込から下丸子まで徒歩で帰宅をしました。帰宅まで1時間を要しました。自分が実際に歩く事でも感じたことがありましたので、その事も踏まえ、帰宅困難者対策や帰宅時の安全対策についてお聞きします。
区は大規模災害時の帰宅困難者向けの一次滞在施設の設置を行なっており、都では対策としてコンビニエンスストアなどとの連携、条例において、乗降客数の30万人以上の大きな駅での協議会の設置も行っており、区内では蒲田駅が該当します。
こうした対策で対応できるよう、留まってくれるに越したことはないのですが、都市部ならではの課題であるかと考えますが、多くの方が徒歩での帰宅を余儀なくされる場合も発生すると考えられます。では大きな災害が起きた場合、どのような公的支援を受ける事ができるのでしょうか?①
【答弁】危機管理室長
東日本大震災の際には、都内公共交通機関が一斉に運行を見合わせました。
都心にいた人々が一斉に帰宅行動をとった事により、緊急道路ネットワークの通行障害が発生するなど、憂慮する事態に見舞われました。こうした教訓から発災時には事業者の責任に置きまして一斉帰宅を抑制する事を原則としております。
区は帰宅困難者の安全の為に、一時滞在施設の確保を進めており、現在大田区民ホール、大田区産業プラザ、片柳学園等の12か所を指定しております。
また京急高架下倉庫には帰宅困難者用を含めた毛布、食料、飲料水などを備蓄しております。一方やむを得ず、徒歩で帰宅する場合の支援として、東京都が都立高校や協定を締結している主要道路沿いのコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、レストラン等の事業者を帰宅支援ステーションとして設置してございます。
これらの施設において徒歩帰宅者へトイレ・飲料水、帰宅支援情報などを提供する事としています。
区といたしましては、都と連携いたしまして、区内の徒歩帰宅者に対し、帰宅支援ステーションの設置場所の情報などを提供してまいります。
【質疑】
大規模災害時は事業所や大学などとも協力し、緊密な連携のもとで対処することが必要です。安全面では、事業者や店舗には従業員、顧客の帰宅抑制、一時的な滞在という点も考慮していただかなければなりません。
大変ではありますが、すぐに帰宅をするのではなく、被災時の災害対策、協力としてお店を開けて貰い、事業を継続して頂かなければなりません。
都条例によって、協議会の設置が行われている蒲田駅近辺の事業所や商店街、各種団体などには既にご案内かと思いますが、区内においては、複数路線の乗り入れのあるターミナル駅や大きな駅や商店街などを中心に、事業者に協力要請、意識の共有を行なっていくべきと考えます。
また、悪天候や事故に対する都内の交通インフラの脆弱性なども指摘されています。公共交通へ依存度の高い首都圏では、半日ないし数時間単位で公共交通が大きく影響を受ける場合には、暫定的に事業所や学校などに留まってもらう必要性がありますが、先ほど述べたとおり、徒歩での帰宅を選択される方もいるかと思います。その場合、多くの方が慣れない裏道などではなく、幹線道路沿いに目的地を目指すと予想されます。
災害時の幹線道路上の経路安全対策、一時滞在施設の増設も必要です。区として大規模災害時の帰宅抑制や徒歩帰宅者の安全対策についてどのようにお考えですか?②
【答弁】
災害時の帰宅抑制や徒歩帰宅者の安全対策は、区の行政エリアを超えるため国や都を始め隣接自治体、警察、消防、事業者との協力・連携の下、安全を確保していく事が重要でございます。例えば警察は交通規制や公共の安全と秩序の維持にあたり、消防は火災情報等の伝達などを行い徒歩帰宅者の安全を確保します。
先ほど申しあげたとおり、災害時の徒歩帰宅は延焼火災や治安の悪化などにより、犯罪に巻き込まれる危険が想定されるため、むやみに移動させない事が安全対策の基本となります。
やむを得ず、災害直後に徒歩帰宅者が発生した場合、区は都や警察、消防など関係機関と連携し、徒歩帰宅者の安全を確保してまいります。
また、区は平時においても、災害時の従業員の帰宅抑制など事業者向けのハンドブックや講演会を実施し、事業者の責任について啓発を行っております。
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