子供を望む全ての区民の為に大田区も踏み込んだ調査を!
東京若手議員の会の研修会、文京区における少子化対策について学ぶため、文京区役所にお邪魔してきました。
少子化対策を産めよ増やせよと、強制するかのように誤解する方もいるかもしれません。
あくまで子供を望むことは選択肢の一つであり、少子化対策はその事を念頭に置く必要があります。
その中で文京区の打ち出す「ぶんきょうハッピーベイビープロジェクト」では、子供を望むすべての区民が安心して子どもを産み、育てられるよう、区民自らの主体的な健康維持・増進に向けた取組みを支援するとともに、妊娠・出産等に関する正確な情報を提供していくため、ぶんきょうハッピーベイビー応援団を設置し、少子化対策の推進を図っています。
プロジェクトの一環として成人向けに配布された冊子ではライフ&キャリアデザインの観点から、お金の事、保険、結婚、衣食住、メンタルヘルス、性感染症、中絶リスク、出産、教育資金や子育ての基礎知識などかなり幅広い分野について触れており、サポート体制も組まれております。
なかなか行政の配る冊子としては踏み込んだ内容ではありますが、出産にいくら掛かる(出産一時金支給後)、結婚にいくら掛かる(ゼクシィ結婚トレンド調査が元、親からの援助やご祝儀まで計算に)など、やたらと現実的、実用的な内容であり、私も結婚する※際は参考にしたくなります!
※未だその予定はありませんが
また、同じく同プロジェクトでは、成人だけでなく、中学3年生向けの冊子も作成、配布しています。
教科書同様、人体の構造、成長過程の変化、規則正しい生活・食事の重要性、性感染症の話もありますが、
・卵子が年をとること
・マスターベーションはいけない事なのか?
・無理なダイエットはよくない、やせすぎは美しくない
・中絶のリスク、男子女子の性欲の違い
といった「教科書にはないけど、実は若者・学生にとって『必要な情報』」を記載し、教材という形で配布しております。
以前の一般質問で、文部科学省の指導要綱の関係で、学校教育では扱えない「目に見えにくい・予防の難しい持病」について質問をしましたが、教科書で扱えないテーマのう中で必要だと思う事は、こうした形で教えていくの自治体の施作として必要なのではないでしょうか?
文京区は、作成にあたり、相当突っ込んだ内容のアンケートを行っています。
・意識調査報告書 文京区HP
http://www.city.bunkyo.lg.jp/kyoiku/shussan/ninshinshussan/_18818/isikityousa.html
・報告書&アンケート
「結婚・妊娠・出産・育児に関する意識調査報告書」(PDFファイル; 2364KB)
結婚・妊娠・出産・育児の時期に当たる20歳から45歳までの区民を対象に、その約1割程度の8,000人を無作為抽出し、郵送によるアンケート調査を実施いたしました。本報告書は、その結果をまとめたものです。
「婚姻の有無」、「理想の結婚年齢」、「実際に結婚すると思う年齢」、「結婚しなくてもよい、したくないと考える理由」、「希望する子供の人数」、「子供をもちたい年齢」等、細かく踏み込んだ内容にも触れております。
個人の価値観にも踏み込む事から反発も覚悟したそうですが、「ともかく相手を知らなければ対策は打てない」との事でした。
確かに、無記名とはいえ踏み込んだ内容まで調査、ニーズを把握しなければ効果的な対策も打てないと思います。
この調査、対策を進めれば進めるほど、ある意味、待機児、子育て施作への費用も掛かるかもしれませんが、それでも東京都全体で、子供を望むすべての方々、そして子供達への支援という点から、踏み込んだ実態調査を行うべきではないかと思いました。
大田区も「大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略」等、様々な事業、施作を組み立てて行っております。
とはいえ、文京区がここまで区民個人の価値観、ライフプラン、生き方に踏み込んだ調査と支援策を打ち出している事は勉強になりました。
以前、大田区議会総務財政委員会に大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)が示された際、掲げる目標について指摘もしましたが、「希望する数の子供を産み育てやすい街になっているか」の目標を大田区は合計特殊出生率1.2以上。(現在は1.19)と提示しましたが、目標の根拠を設定する為に、区民に希望する子供の数を調査したわけではありませんでした。
希望する子供の数を知りたいなら、出生率だけでなく産みたい子供の希望数を聞いた方が良いのでは?と質問しましたが、個人の価値観まで踏み込んだ質問は難しいと当時回答を貰いました。
他方、文京区はここまで踏み込んだ内容の冊子を作成、配布しながら、冊子配布への苦情はまだ来ていないそうです。
学校での性教育や少子化対策についても更に考えていければと思います。
文京区のアンケートでは、子供も産まない理由の1位は
男性は「経済的に難しいから」
女性は「年齢的に難しいから」でした。
「早い段階で自分自身のライフプラン、生活設計を区民には考えてほしい、そしてそのために必要な情報を早い段階で区民に伝えるのが行政の役割である。」
「正確な情報を適切な年齢にキチンと伝える」
晩婚化が進んでいる今だからこそ、正確な情報を、機会を逃さずにその時々にしっかりと伝えていく意義は大きく、押しつけをせず、個人の選択、価値観を尊重しながらも「産もうと思ったら、産むのは難しくなっていた」という事態を減らすためにも、大田区でも子供を望むすべての区民が安心して生活できるライフ&キャリアデザイン、情報提供について考えていかなければならないと思います。
余談ですが、
文京区とゼクシィがコラボしたご当地婚姻届。
正式な婚姻届
面白いですね。
https://www.recruit-mp.co.jp/machi/bunkyo/
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