『普通』に憧れる子供たちの夢と不安、児童養護施設出身者の声
先日の児童養護施設の視察に続き、NPO法人タイガーマスク基金様の講演会に参加しました。
タイガーマスク基金様は、児童養護施設に暮らす&巣立つ子供を応援すると共に子供の虐待やDVがない社会を目指して活動する団体です。
支援給付事業、学習支援、職業支援、家族形成力養成、社会貢献体験など様々な活動を行われています。
施設出身者は、身近に学費を準備してくれる家庭や、巣立った後に帰れる家庭もない子供たちも多く、公的支援も18歳を超えると途絶えていく中で、成人するまでの18~20歳くらいまでの支援も重要なんです。
前回のブログ
タイトルは「施設を巣立った大人たちが語る本音トーク」『児童養護施設で暮らしたこと 巣立った今』でした。
講演の内容は40代の施設出身者の男性二名からのお話でした。
なぜ、このような啓発活動をしているか?
「卒園して20数年経つが『根本が変わっていない』」という事に大きな理由があるそうです。もうお一人も「施設出身者の不安や希望は30年前から変わっていない」と語っていました。
今ではお二人とも結婚し家族を持たれていますが、その中で「親のいない親」になる事への不安と希望があったそうです。
戻れる家庭がない、家族がいない事から来る、精神的な苦しさ、脆さや不安、悲しみ。
また、同様に制度の狭間に居る子供たちもいます。
施設に入る事はないが、家庭や学校で苦しい想いをしている子供たちもいます。
そうした子供たちに何が出来るか?どうやって心のSOSを拾っていくか・・・
「本当の当事者に気づくキッカケを様々な手を使って与えていく」・・・
今後重要になるでしょう。
「普通」へのあこがれ
「普通」になる努力
「普通+α」を目指す
この「普通」という言葉が何度も使われていました。
「普通」が何か定義は人それぞれ、定義すること自体は難しいでしょうし、仮にその「普通」であっても、また別の形でそれぞれの苦しみや悲しみはあるでしょう。
しかしながら、「普通」に憧れ「普通になる事へ向かって努力する事」。
この言葉に私も大いに共感しました。
私は持病のてんかんをもっており、最近までは運転免許の取得も出来ませんでした。
また先日の質問でも少し触れましたが、家族の自殺を経験し今でいう面前DVのような光景をずっと見てきました。
命を絶った家族の姿は脳裏に焼き付いており自分に、もっと出来る事があったのではないかと後悔し続けてきました。
様々な形での困難や苦しみ、傷を抱えた子供・若者は多くいます。
そうした子供や若者たちへの社会的擁護がなぜ進んでいかないのか?
かつての自分を見ているようでとても他人事ではいられません。
最後に「重要な他者」になってほしいと、説明がありました。
重要な他者、家族になる事は出来なくても彼らを支える事は出来ます。
社会に、制度に、そして私達に何が出来るのか?
区議会議員として、自分自身の事としても考え続けていきたいと思います。