Mar 19, 2026

都議会 R8年3月 経済港湾委員会 スタートアップ戦略推進本部

東京都議会議員のおぎの稔です。

3月16日月曜日、所属する都議会の経済港湾委員会にてスタートアップ戦略推進本部に予算調査の中での委員会質疑を行わせていただきました。東京にとって大切なスタートアップ支援。様々なチャンスに巡り合えることのできる東京でスタートアップの発展を応援していくことは、より多くの人が集まり、様々な取り組みが実施され都市の活力を推進していくことにもなります。

特に、東京都の行政としては社会課題解決などをスタートアップの力で行っていくことが期待しています。東京がイノベーションの場を創出し、世界中から人が集まり新たなうねりがうまれる都市になるよう引き続き取り組んでまいります。

===質疑===

<質疑①>

持続可能な未来の都市を創る東京ベイeSGプロジェクトについて伺う。

これまで都は、ベイエリアをフィールドに空飛ぶクルマや、最新の風力発電といった再生可能エネルギー、CO2の回収技術などの技術実証を進めてきた。

また、今年度からは、私の地元大田区でも、羽田空港における自動運転の実装支援を開始するなど、現実の都市の中で動き始めていることを、先の事務事業質疑で確認したところである。

ベイエリアには、この羽田空港周辺をはじめ、区のインキュベーション施設や民間によるオープンイノベーションの取組など、多彩な取組が進められており、最近では臨海副都心の新たなスポーツ・エンタメ施設や、芝浦、高輪・品川、大井町などでも大規模な民間施設がオープンしている。このような取組との、官民の連携でイノベーションを起こしていくことが重要と考える。

<質疑①>そこでまず、こうした多様な主体と拠点が集積するベイエリアにおいて、東京ベイeSGプロジェクトは今後どのように展開していくのか、伺う。

 

<答弁①>

持続可能な都市の実現に向け、まちづくりの中でイノベーションを実践する東京ベイeSGプロジェクトは、中央防波堤エリアを中心に最先端技術の社会実装を進めながら、関係区等とも連携し実装場所の拡大を図ってきた

今後、ベイエリア全体を、スタートアップ戦略2.0に掲げたイノベーションフィールドとして広く展開することとし、中央防波堤エリアにおける実装支援を拡充するとともに、ベイエリア各地の新たなインキュベーション施設や、民間のイノベーション拠点等も活用し、多様な主体が集うTIB等で生まれた挑戦的アイデアを実践する取組を充実

 

<質疑②>

東京ベイeSGプロジェクトが、ベイエリア全体をアイデア実践の、いわばプラットフォームとしていく方向性を確認した。

新しいアイデアや技術を実現するためには、実際のフィールドで検証し、データの収集や改善を繰り返していくプロセスが重要である。

先般の事務事業質疑では、技術の社会実装を進める取組として、令和7年度に、3件のプロジェクトが採択されていることも確認しているが、こうした取組をベイエリア全体に広げていく上でも、これまでの取組に加え、意欲あるスタートアップなど、より多くの事業者に間口を広げて、フィールドを提供していくことが必要ではないか。

(質疑②)そこで、最先端技術の社会実装に向けて、より多くの事業者を後押しするために、来年度、具体的にどのように事業を進めていくのか、伺う。

<答弁②>

これまで取り組んできた「先行プロジェクト」は、ベイエリアのフィールド全体を、より多くの事業者に技術実装の場として開放していく観点から、「Tokyo Bay Innovation Field」と名称を改め、事業を再構築

具体的には、「フィールド提供型」と「プロジェクトサポート型」を用意し、「フィールド提供型」では、中央防波堤エリアを無償で開放し、試作・検証段階から既製品の改良まで幅広い製品開発等を20件支援

また、「プロジェクトサポート型」については、社会実装を見据え、生活や産業に身近な場でのユースケース検証まで取り組むプロジェクトを3件程度採択し、事業費の支援も行いながら、フィールドを提供

<質疑③>今年度まで行っている事業費支援を伴う3件に加え、「Tokyo Bay Innovation Field」の新たな取組では、フィールド提供を中心としたメニューを20件増やし多くの事業者に取組の機会を提供していくことが分かった。ここで内容について詳細に確認したいが、

(質疑③)新たな取組であるこのフィールド提供型の支援について、具体的にどのような内容かを伺う。

(答弁③)

「フィールド提供型」については、企業の取組内容や期間などに応じ、二つのメニューにより実証を支援。具体的には、モビリティのテスト走行など、一週間程度の短期的な利用を想定した技術実証に対応する「一時利用タイプ」と、CO2を回収する装置など、一年間程度の中長期的なデータ取得に向けた機器検証に対応する「常設設置タイプ」を展開。このように、事業者の様々な実証ニーズに的確に対応し、きめ細やかな支援を行うことで、最先端技術の社会実装を強力に後押し

 

<質疑④>

様々な事業者のニーズに応じて、メニューを用意していることが確認できた。より多くの事業者が、この新しい取組に参加して貰えるよう、しっかりと発信して欲しい。

一方で、こうした取組を都民に理解して貰うことも、最先端技術を社会実装へとつなげていく重要な取組である。

東京ベイeSGプロジェクトでは、お台場・青海の日本科学未来館に「Tokyo Mirai Park」という拠点を設け、特に子供達にとっては、未来の技術に触れる絶好の機会となっている。

その「Tokyo Mirai Park」が入る日本科学未来館は、令和8年10月から約半年間、施設整備工事のために休館すると聞いている。

「Tokyo Mirai Park」は、将来のイノベーションを起こす担い手である子供達に向けた重要な取組であり、休館中にも活動を続け、令和9年4月の再開に繋げていただきたいと考えている。

(質疑④)日本科学未来館の休館を契機に、今後、「Tokyo Mirai Park」で行っている取組をどのように展開していくのか、伺う。

 

(答弁④)

「Tokyo Mirai Park」は、最先端技術の体験展示を行う1階Parkと、ワークショップ等を行う3階Labを展開しており、今回の工事の影響で1階Parkは休止するが、3階Labは引き続き活用する方向で調整

休館中の体験展示については、多様な挑戦者が集うTIBや集客力の高いベイエリアの民間施設を活用し、子供から大人まで最先端技術を身近に体験できるイベントを展開。さらに継続的な取組として、「Tokyo Mirai Park」を、戦略2.0で示す子供達の挑戦意欲を育む「TIB KIDS」へ繋いでいくことで、イノベーションを生み出す裾野を拡大するベイエリアの拠点へと成長させていく

<質疑⑤>

「Tokyo Mirai Park」の閉館中にも体験展示を行い取組の灯を消すことなく、さらに「TIB KIDS」と連動を進めるなど、イノベーション創出に繋がる取組の強化を図っていくことが確認できた。

これまでの質疑を通じて、東京ベイeSGプロジェクトが、中央防波堤エリアという広大なフィールドを最大限に活用しながら、臨海副都心や羽田空港周辺を含むベイエリア全体へと展開を広げ、スタートアップ戦略2.0の実現に向けた取組も行いながら、着実に歩みを進めていることを確認できた。

ベイエリアから始まるこの取組が、東京全体、さらには日本、世界へと広がるモデルとなるよう、引き続き展開されることを期待する。

さて、次にスケールアップについて伺う。先の本会議や予算特別委員会の代表質問で我が会派が指摘したように、外貨を稼ぎ、雇用創出に貢献するスケールアップ企業を生み出していくことの重要性は言うまでもない。世界市場に挑戦する企業を育てていくには、これまでにない大胆なサポートが必要となると主張してきたところだが、今回、スシテックグローバルにおいて、1社当たり10億円という思い切った支援策が新たに盛り込まれた。⑤本事業において、どのようなステップを踏み、何社程度を対象に取組を進めていくのか伺う。

 

(答弁⑤)

本事業では現在67社を選定し、今後150社規模の集団形成を行っていく。その中から選抜された企業に最大2億円の資金サポートを行う成長加速プログラムでは、5期に亘り合計50社程度を支援。さらに来年度新たに設ける、海外でのプラント開発や量産設備の整備などの大型プロジェクトをサポートする最大10億円のプログラムでは、今後5年程度で、特に成長性の高い企業を5社絞り込み、徹底した支援を行う。こうした取組により、東京・日本の経済成長をけん引する新たな産業の創出に貢献する、グローバルにスケールアップする企業を育てていく

 

<質疑⑥>

厳選に厳選を重ねて有望企業を選りすぐり、海外での大胆なチャレンジに対し、思い切った支援をすることで、グローバルにスケールアップする企業を生み出すことを目指すものであることが確認できた。このような行政による大型の資金サポートでグローバルでの成功を後押しすることは極めて重要であり、着実に取組を進められたい。

また、スシテックグローバルでは現在67社の有望企業が選抜されており、その中には、新素材や核融合技術など、海外での活躍が期待される分野が含まれているが、創薬分野もまた、海外市場を見据えて設立当初からグローバルな事業展開を前提に取り組むことが重要な分野である。

これまで我が会派は、VC自らがビジネスを立ち上げるカンパニークリエーションに着目し、社会的なインパクトのある分野での創業を目指すべきと主張し、都は、創薬分野での取組を進めていると聞いている。

(⑥)欧米と比べ、資金・人材の確保などで環境が整っているとは言えない日本において、今後、分野特化型カンパニークリエーション創出支援事業をどのように進めていくのか伺う。

 

(答弁⑥)

都は、創薬分野でVC等が研究シーズに狙いを定めスタートアップを立ち上げるカンパニークリエーション創出に向けた取組を新たに開始し、癌や神経疾患等難治性疾患の治療を進める5つのプロジェクトを今月公表した。今後これらに対し、創薬分野に精通する有識者によるアドバイザリーボードがきめ細かな支援を行う他、チーム運営費用の助成等を行うことで、カンパニークリエーションの事例を積み重ね、日本版モデルの構築を目指す。また、事業化を進めるうえで欠かせない専門経営人材の発掘・育成に向け、候補となる人材のコミュニティ形成や実践的ワークショップ等に取り組み、創薬エコシステムをけん引する人材創出に繋げていく

<質疑⑦>

都が取り組むカンパニークリエーションが、大きな社会的インパクトを生み出す可能性を秘めていることを確認できた。創薬以外の様々な分野にも広げていってほしい。また、この可能性を着実に成果につなげるべく、しっかりと支援してもらいたい。さて、創薬を含め、大きな社会的インパクト創出につながる分野として、ディープテックがあげられる。

日本の大学には先人たちが培って来た基礎研究の成果が蓄積されており、これを活かし、ビジネスにつなげていくことは日本の勝ち筋の一つだと考える。一方で、事業化に当たっては、研究開発の場や資金など様々な課題がある。都は今年度、民間による研究開発支援拠点の整備を後押しするディープテック・イノベーション推進事業を立ち上げ、来年度も拡充の予算を計上している。

(⑦)本事業の今後の展開について、伺う。

(答弁⑦)

今年度開始した本事業では、世界有数のライフサイエンス支援者によるウェットラボ整備の取組を採択したところであり、引き続き、民間による優良な計画を掘り起こし、取組をさらに推進していくため、先般、次期募集の概要を発表し、関係者への周知を開始。ウェットラボ設備やAI開発環境など支援拠点に求められる機能は様々であることから、多様なニーズに応えるため、整備内容や期間の異なる複数のタイプの取組を募り、一件当たり7億円を上限に支援。こうした取組により、研究開発環境の整備を進め、ディープテックの社会実装を加速

<質疑⑧>

都内に、ウェットラボやクリーンルームなどの研究開発施設が足りていないという声は少なくない。事業化に向けては息の長い支援が必要であり、このような取組を着実に進めていってもらいたい。

さて、数多くのディープテックを輩出するのが「大学発スタートアップ」である。東京にはイノベーション創出の担い手である優れた研究人材やポテンシャルの高い技術が豊富に存在しており、大学発スタートアップの数も年々増加し着実に裾野は広がっている。一方で、研究シーズをビジネスに昇華させる経営人材の不足や知財対応の難しさなど、大学発スタートアップを取り巻く様々な課題が存在している。こうした課題を解決するためには、大学単体に対する支援に加え、大学の連合体等、より広い枠組みで取り組む必要があるのではないか。

(⑧)都は今後、全国規模の組織とどのように連携し、イノベーション創出に向けて取組を展開していくのか伺う。

 

(答弁⑧)

都は昨年、大学発スタートアップの全国組織「NINEJP」と連携協定を締結し、大学発スタートアップの成長の後押しに取り組んでいく。TIBでは、今月から経営人材の紹介や投資家等の適切な支援者へ繋ぐ窓口相談を開始。知財・研究開発等の専門的な相談対応を行う大学と分担しながら、大学発スタートアップの抱える課題を解決していく。4月のスシテックでは、大学発スタートアップのパビリオンを設置し、全国から選抜された企業や研究者等がまとまって出展するとともに、AIをテーマにピッチコンテストを開催する等、日本の優れた技術や研究成果を世界に向け強く発信

<締め>

全国の大学や研究機関と連携しながら、スシテックやTIBを起点として、大学発スタートアップの成長を後押ししていくという方向性は、東京がハブとしての役割を果たそうとするものであり評価できる。こうした取組が日本のイノベーション全体の底上げにつながることを期待し、私の質疑を終わる。

 

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