Jul 13, 2018

性についての正しい知識と教育を子どもたちに

 おぎの稔です。先日の大田区議会予算特別委員会で、私は若者の性感染症対策について質問をしましたが、今回は、12日に日本財団ビルで開催された「もっと話そう、ちゃんと学ぼう。『これからの性教育プロジェクト』」についての報告をします。性教育や若者の性を巡る様々な課題について、登壇者からの講演、またグループディスカッションが行われました。

 

 当日のテーマはこちら

  • 国際スタンダードから考える日本の性教育の課題 
  • みんなの「わからない、知りたい」に応える~にんしんSOS相談窓口の現場~ 
  • 中高生の性を取り巻く環境、親はどう向き合えばいい? 
  • 若者が考える、いま私たちに必要なチカラ 
 
 
 世界一新生児死亡率の低い「世界一赤ちゃんの亡くならない国」である日本。その一方で児童虐待で命を落とすことが一番多いのは、赤ちゃんが生まれたその日でもあります。新生児死亡率の高い他の国とは事情が異なります。
 
 
 
 実際に現場で様々な相談を受け続けてきた「一般社団法人にんしんSOS東京」の資料からも、悩みや不安を抱える10代の児童生徒が多い事、年齢別の相談の傾向、10代はメールやSNSなどを使ったテキストでの相談が一番多いという事など様々な課題が判りました。電話が中心の行政の相談窓口も対象者のニーズに合った形で変えていかなければなりません。出産時の母子手帳交付、おそらくは飛込分娩と思われるケースも都内で年間600件前後あるというのも衝撃的でした。
 

 
 
 
 
(NPO法人ピルコンの資料より)
 
 
 現代社会、若者が様々な媒体を通して性への情報に簡単に触れる事が出来るのも現実です。ではその際、若者はどのような知識や情報に触れる事が多いでしょうか?創作物、フィクションの情報に触れる機会が多いのではない課と考えます。そうしたフィクション、表現に触れる事もまた自由であり、年齢に見合った情報に触れる事も健全な事です。
 一方で、若者が教育現場で、社会で正しい知識や情報に触れる機会はしっかりと担保されているのでしょうか?情報が一方的になってしまっているのではないかと思います。
 こうした議論の中では、出る表現物、フィクションの悪影響、取り締まり強化というのは、単に臭い物に蓋を仕様とするだけではないかと考えますが、それにしてもバランスが悪い。
 
 なぜ性教育をするのか?
 それは当の子ども達が「自分たちの力」で望まぬ妊娠や、身体的、社会的な様々なリスクを回避をするため。子どもたちを守るためではないかと、私は考えています。一生外、性から切り離された生活を送るのであれば、また異なるのでしょう。しかし、思春期の頃から子供たちは性に関心を持って行きます。若い人たちが自分で考えて答えを選択する、その為の情報へ触れる機会が少ない。自力で探すしかない。こういった事が問題なのではないでしょうか?
 
 参考として流された映像の中で、日本のある政治家が「子どもたちに性教育は必要ない、お花を綺麗だと思っていればいい」というようなことを発言されていました。続けてその政治家は「では何時(性教育が)必要か?」との問いに「結婚するとき」と答えていました。結婚するまで性行為や性に関するリスクや知識に触れなくても良いのでしょうか?かえって子供たちを不幸にしてしまうように私には思えてなりません。
 
 
 1994年のカイロの国連会議(国際人口・開発会議)で、国際的承認を得た「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康・権利)という考え方があります。「人々が安全で満ちたりた性生活を営む事が出来、生殖能力を持ち、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人もつかを決める自由を持つこと」を意味します。大切なのは個人の選択。その選択の為の知識、情報を私達大人は子供たちに与えなければならないのではないでしょうか?
 
 「性教育は寝た子を起こす」と言う言葉が示すように、特に議会の中では性教育についてはまだ理解を得られない部分もあります。何が、どこまでが「性教育」なのかという定義の問題もあります。しかし、イデオロギーなどの問題ではなく、合理的に現実的に子どもたちを守る施策の一つとして、性についての知識をしっかりと子供たちに教えていく必要があるのではないかと言う事を、私は考え、今後も訴えていきます。
 
 
 
 
 
これからの性教育プロジェクト
日本の子ども・若者たちに「性の健康と権利」としての
包括的性教育を豊かに保障することを目指すプロジェクトです。
 
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関連ブログ:

中学・高校での対策強化を。都内での性感染症患者急増。

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