大田区議会で児童虐待防止対策の強化を求める意見書が可決されました。
こんばんは。おぎの稔です。先日、6月25日に閉会した大田区議会第二回定例会で、区議会全体として東京都知事に対し、意見書を送付する事が決定をしましたので、ご報告させて頂きます。
報道もされていますが、大田区内も所管する品川児童相談所の管轄内の目黒区で5歳の子供が犠牲になる痛ましい事件が起きました。小さな命が理不尽にも犠牲になることについて、憤りと深い悲しみを感じざるを得ません。
虐待を行う親の事がクローズアップされますが、親御さんだけの課題ではなく地域、学校、社会で虐待から子供を守る、支援が必要な家庭を見守る必要があると思います。私も区議会議員に当選させて頂いて以来、児童虐待、家庭の問題について幾度か相談を受ける事がありました。大田区や児相とも連携させて頂く中で、家族の抱える問題の解決のための困難にも直面をしました。一方で、家庭を離れて自立の道を選んだ子供が伸び伸びと日々暮らしているという話を聞いて、この姿こそ、本来この子が持っていた姿なのかと感慨深い思いもしました。
児童虐待の問題が大きく注目を浴びている今だからこそ、対策前進、課題の抽出が少しでも進むよう、私も声を上げていきたいと思います。
議員提出第10号議案
児童虐待防止対策の強化を求める意見書
上記の議案を大田区議会会議規則第13条第1項の規定により提出する。
平成30年6月25日
大田区議会議長
提出 者
高瀬 三徳 押 見 隆 太 松 本 洋 之 清 水 菊美 荻 野 稔
児童虐待防止対策の強化を求める意見書
児童虐待は子どもの生命に重大な脅威を与えるだけでなく、子どもの心に深い傷を負わせ、未来に向けた無限の可能性を奪う行為であり、決して許されるものではない。しかしながら、現在も罪のない子どもが虐待を受け、死亡する痛ましい事件が発生している。本年2月には足立区において生後2か月の女児が、3月には目黒区において5歳の女児が、虐待を受けて亡くなった。
平成28年5月、全ての児童が健全に育成されるよう、児童虐待について発生予防から自立支援までの一連の対策の更なる強化を図るため、児童福祉法の改正が行われた。改正法では、特別区も児童相談所を設置することが可能となり、本区は児童虐待の根絶に向けて、いち早く児童相談所の設置に名乗りを上げ、開設準備を進めている。増加する児童虐待を根絶するためには、応急的な措置の実施と共に、各区における児童相談所の開設を推進し、充実した体制の下で都区が連携して取組むことが不可欠である。
そこで、大田区議会は、東京都に対し、今後、子どもの生命が失われる痛ましい事件が繰り返されないよう、児童虐待防止対策の強化を図るため、下記の事項について速やかに実施するよう、強く要請する。
①度重なる痛ましい虐待死事件の詳細な検証と類似事件の再発防止に向けた検討を迅速に行うこと。
②虐待の早期発見、早期対応をさらに推進するため、学校や医療機関、警察等の関係機関の連携をさらに強化すること。
③児童相談所と区の子ども家庭支援センターとの個別ケースの情報共有と連携をさらに強化すること。
④児童相談体制の充実のために、区の児童相談所設置に向けた財源確保や人材育成を積極的に支援すること。
⑤虐待を受けた児童の保護やケアのために、区と連携して一時保護所の増設や家庭養護推進につながる里親家庭の拡充を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
年月日
東京都知事宛
大田区議会議長名
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