The Urban Folks 設立趣旨
寄稿:「海外から児童ポルノ呼ばわりされた日本のマンガ」
こんばんは。おぎの稔です。
The Urban Folksさんでの連載企画「THE OTAKU議員」の第二回となる今回は日本のマンガが海外の公式な会議で「児童ポルノと同類」呼ばわりされてきた事について、書きました。
THE OTAKU議員・第2回「日本のマンガが海外から児童ポルノ扱いされてきた時代をご存知ですか?」
児童ポルノ根絶 世界会議 閲覧も漫画も犯罪
(毎日新聞 2008年12月2日)
批判を受けている当時から「クールジャパン」「日本のコンテンツ力」等といった言葉はありましたが、その一方でこういった部分にはなかなか陽が当たってきませんでした。世界でヒットするような人気作品だけが「日本のマンガ・アニメ」ではありません。
当然ですが今でこそ著名な作家の方々も最初から有名だったわけではありません。例えばですが、私の好きな作家の方も大ヒットしたアニメの監督をいくつも務めていますが、デビュー当初は、某メーカーでハードボイルドテイストなアダルト向けの作品を作っていました。その作品も発売当初はあまり話題になりませんでしたが、口コミでヒットをしていき、一般向けの販売やテレビアニメ化もされました。
日本のマンガ、アニメの表現の中には他国ではなかなか受け入れられない、その国の習慣や宗教的戒律、倫理観に反するもの、一般社会でもなかなか認めがたいものがあります。実際に行ってしまえば犯罪になるもの、多くの方を傷つけるものもあるでしょうが、あくまで空想、表現の中の話であり、それらを飲み込む懐の広さ、すそ野の広さが、産業・文化としてマンガやアニメなどがここまで大きくなった要因でもあると言えます。
マンガ、アニメといったコンテンツの表現の自由を巡る問題、実際には事実誤認でもあるにもかかわらず「変態議員」「子供にこんなものを見せるのか」「女性の敵」などとレッテルを貼られるリスクがある事から、当初は広げていくのが難しい問題でもありましたが、マンガ、アニメと共に育ってきた若い方を中心に、心ある一部の政治家の方々がは批判を受けてでも「それは違う」と声を上げてくれたおかげで、コンテンツを巡る表現の自由の危機は回避をされてきました。
オリンピック・パラリンピックが迫り、海外に日本のマンガ、アニメ文化をPRしよう、訪日外国人に楽しんでもらおうとの声も聞こえるようになってきました。それを否定するつもりはありませんが、一度立ち止まって、こうした国内外から偏見や事実誤認に基づく批判を受けていた事、すそ野の広さも日本のマンガ、アニメの魅力であるとしたうえで、どのようにPRし、発信していくのかを考えても良いのではないかと考えます。
皆様、如何お考えでしょうか?
第一回はこちら
「防腐剤 着色料 保存料 様々な化学物質、身体によかろうハズもない。しかし、だからとて健康にいいものだけを採る。これも健全とは言い難い。
毒も喰らう
栄養も喰らう。
両方を共に美味いと感じ 血肉に変える度量こそが食には肝要だ。」
「範馬刃牙」より 範馬勇次郎