Sep 25, 2016

平成28年大田区議会第3回定例会 一般質問概要

先日の平成28年大田区議会第3回定例会 おぎの稔の一般質問、質疑&討論概要です。

防災行政無線の運用、携帯電話充電器の避難所への配備、イスラム教徒を始めとした外国人対応についてです。

携帯電話充電器については、予算の中で活用していくなど対応すると、かなり前向きな答弁を頂きました。

今後も、しっかりと、大田区と話し合い、提案を行っていきたいと思います。

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東京維新の会大田の荻野稔です。通告に従い、質問します。

 

はじめに大田区の防災体制、防災行政無線の平時における運用について質問します。

私は次の理由から見直しを求めます。

第一に、放送塔周辺の状況の変化です。

 

大田区の防災行政無線塔は昭和55年から運用され、現在では区内250か所に設置されていますが、当時に比べて高層マンションが建設される等、周辺環境は大きく変わりました。

 

過去の区議会における議論においても、放送内容の聞こえにくさについて議論されていますが、大きさだけでなく音の通り方について、遮蔽物の状況確認など、放送塔の周辺状況の確認が必要です。

 

第二に、住民の生活リズムの多様化です。

 

私の下にも防災行政無線塔の至近に建設されたマンション住民の方から健康を害しかねないという悲痛な苦情も来ていますが、区民の生活リズムの多様化が進み、行政が住民の生活リズムに踏み込むことについてより慎重さが求められるようになっています。

 

第三に、有事における防災行政無線の活用です。

総務省の被災自治体への調査では、57.1%が防災無線は聞こえなかった。もしくは聞こえたが耳に入らなかったと回答しています。

防災無線のみを頼りに情報を得る方だけでなく、防災無線の音が聞こえた事から、他の情報を自分で確認する方も多くおり、エリアメール、SNS,テレビ、FM等との連携の拡大・深化も必要です。

 

以上の理由により、防災行政無線の平時の運用・配置・向き等の見直し、他の手段の組み合わせによる偏重の是正を、環境の変化や災害時の聞こえ方を踏まえて行っていただきたいと考えますが、見解をお伺いいたします。

 

続きまして、大田区の防災備蓄品についてお伺いいたします。

これまでの防災備蓄は特に生命維持に力点が行われてきましたが、新たに情報の要素も加え、災害時にも携帯電話を区民が継続的に使用できるように、防災備蓄に携帯電話充電器を加えるべきだと考えます。

 

「情報」は今や普段の生活だけでなく災害時にも不可欠の要素となっています。

東日本大震災で携帯電話の果たした役割を見れば明らかであり、総務省の報告書では防災行政無線の限界が指摘される一方で、twitterや携帯メールの効果が注目されております。

 

また、情報の取得は心の安定に役立ちます。

本区には様々な文化的・言語的背景をお持ちの方も居住しており、観光や通勤通学の途中に帰宅困難民となる方々がいる事も予想されます。

 

彼らが迅速に家族との安否確認や災害情報を入手できるようにすることは、心の安定、混乱の防止に繋がり、パニックの回避、迅速な復興に繋がるでしょう。

区内の各避難所では、防災関連予算を避難所ごとに確保していると伺っておりますが、そこから、ガラケー、スマホ等の充電器を購入してはいかがでしょうか?

また、商店街連合会の物資あっせん内容に携帯電話充電器が入りましたが、区でも自治会等の防災備蓄に携帯充電器を入れるよう啓発を実施してはいかがでしょうか?

 

国際的にも避難物資に充電装置を含むことは時代の潮流となりつつあります。

備蓄の充実を要望し、次の質問に移ります。

 

本日9月15日はイスラム教の犠牲祭の最終日です。

2030年には総人口の26%を占めるとの予測もあるなど、ムスリムの世界における存在感は高まる一方で、羽田空港を抱え、日本の玄関口でもある大田区での受入れ体制強化が望まれます。

 

しかしながら、日本社会にとっては、未だマイノリティであるムスリムの方たちは生活の上で多くの困難を抱えています。

例えば、食事や教育、女性の抱える問題です。ムスリムへの偏見からおこるいじめや食事の問題、女性の場合、病院での診断で宗教上の理由から女医を希望する方、また、ヴェールを被るムスリマ女性が髪を切る場合、女性の美容師さんを探し、男性に見られないような環境での施術を望む方もおります。

 

また、ムスリムの中には都内では難しい土葬を望む方も多くおります。

 

こうした問題は、ムスリムに限らず様々な立場で共通して起こり得るものであり、国際都市を標榜する大田区において対策が必要な課題です。

多文化共生推進センターMICS大田では、区内の外国籍住民の相談を受けており、個々の相談事例を記録しているとお聞きしました。

こうしたMICS大田で受けた相談、対応事例から得た情報などを集計し、彼らの抱える困難を解決し、区内の環境改革の為に、情報を収集し、外国人からの問い合わせへの対応事例を調査し課題・対応事例などの抽出、庁内での共有を行うべきではないでしょうか?

 

今回はムスリムを取り上げました。

 

外国人対応というととりわけ観光・産業分野が大きく注目をされますが、行政の役割には、住民が生活を送っていく上で、国民・人種・信仰によらずの困難の解消をしていく事もあります。

 

2020年に迫る東京五輪にも向けて、MICS大田と連携を強化していくべきと考えますが、見解をお示しください。

以上で質問を終えます。ご回答、宜しくお願い致します。

 

https://youtu.be/Bzn66Kl0J3I

 

【答弁概要】

 

●危機管理室長

 

私からは防災に関するご質問に順次お答えします。まず、防災行政無線についてのご質問ですが、大田区を含めた都市部では、マンション等の高層建築物の建設、サッシを始めとする建物設備の性能向上など、住環境が変化してきており、防災行政無線の使用の際には区民から「うるさい」「聞き取れない」ほか、様々なご意見を頂いております。

こうしたご意見に対して、これまでスピーカーの音量・方向等の調整や設置スピーカーの増減、放送塔の移設などにより個別に対応しております。

区内250か所に設置している各放送塔の立地状況につきましては、毎年保守点検を行っております。災害時に適切な放送を行うために今後も計画的に現況確認に努めてまいります。

 

防災行政無線の放送が聞きづらくなっている状況への対応につきましては、ホームページやメールサービス、各携帯事業者によるエリアメールの活用や東京都の災害情報システムを利用してのマスメディアへの情報提供等、防災行政無線にだけ頼ることなく情報発信ツールの複線化に努めております。

また、防災行政無線の放送内容を電話で確認ができる「防災行政無線電話応答サービス」によりまして、無線放送を補完する仕組みを構築したいと考えております。

災害時には自助の観点から、情報を待つだけではなく自らが収集に行く姿勢が重要と考えます。

今後も、防災行政無線の運用や時代に合った情報提供手段に関して、引き続き研究してまいります。

 

続きまして携帯電話充電器についてのご質問でございますが、スマートフォンなどの携帯電話は、災害時に事業者が通話・通信制限をかけるものの、被災者にとっては災害時においても身近な情報収集、連絡ツールでございます。

避難所に避難している被災者に対して、区からの情報は各避難所本部から原則、提供、周知されることになります。

また、避難所には、家族の安否確認等に利用してもらうためNTTの「災害時特設公衆電話」を配備しております。

 

それでも個人的に連絡や情報を収集するなど携帯電話を利用する人が多数存在することが想定されます。

基本的には個人で備えて頂くことが重要と考えますが、こうした状況を鑑みまして、区といたしましても携帯電話充電器の避難所への配備につきましては、電源の確保や運用ルールの構築にも配慮しながら、避難所の消耗品予算を活用するなどの方法で、対応してまいりたいと考えております。

 

なお、自助・共助の観点から、区の「防災用品あっせん」品目に、携帯電話機等の充電にも使える手回し充電式ラジオをご案内しておりますが、あわせて個人や自治会、町会、マンションや企業に対して、講演会や講和、訓練の機会を利用し備蓄啓発を行ってまいります。

私からは以上でございます。

 

 


●観光国際都市部長

 

私からはMICS大田との連携強化に関するご質問ですけれども、

区ではこれまで外国人区民が地域で安心して快適に暮らしていけるように、環境整備を進めてまいりました。

その一つとして、MICS大田を中心に、相談・通訳・情報提供などサポートを行っております。

 

この相談内容については、月ごとに子育てや教育、医療など10の項目に分けて、件数を集計しております。

 

相談を受けた際、その場で相談員から各担当部局へ連絡し、問題の解決を図っておりますけれども、今後もMICS大田と連携しながら、課内での情報共有は勿論、関係部局にも積極的に情報提供を行ってまいります。

 

また、MICS大田での対応事例を、庁内連携会議や多文化共生推進会議の中でも活用して、外国人が抱える課題解決に繋げていきたいと考えております。

 

このようにMICS大田と連携を強化していく事が、国際都市おおたに相応しい多文化共生の街づくりを進める事になり、東京2020大会に向けて様々な外国人を受け入れる環境整備につながると考えております。

 

以上です。

 

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