若者の就労支援の為、大田区も就労訓練の強化を!!
本日は、大田区立糀谷中学校夜間学級(二部)の卒業式に出席してきました。
今年度は8名が卒業。外国籍の方、様々な事情で学びなおしをした方等、様々な方がご卒業をされました。
教育の場は何のために、誰の為にあるのか?考える場になりました。
さて、先日の大田区議会予算特別委員会で、若者の就労支援の現状と実績、およびマッチング重視の現状から就労訓練の強化について質問しました。
定時制校とはまた違いますが、就労支援の必要性について、区の見解を伺いました。
まず取り上げたヤングジョブクリエイションやミニ面接会は議員になって最初の本会議での質疑でも聞いています。
前回質問をしたH26年度に比べて、少しずつですが、女性の参加者も増えているようです。(女性の来場者1人→5名に)
女性に限らず、若者への就職支援の場として昨年以上の成果もあげています。
まだ不充分な部分もあるとは思いますが、今後の拡充を期待します。
※前回の質疑の様子は、政策マンガでも取り上げています!
おぎの稔政策マンガ第5弾 ~若者と女性の就労支援編~
そして、もう1点、質問をしたのが就労訓練、中間的就労と言われる分野の支援事業についてです。
若者サポートステーション等が行われている他区では始まっている自治体も多いのですが、大田区では昨年までありませんでした。
昨年、生活困窮者自立支援法に基づき開設されたJOBOTAにおいて、職場体験事業として、ようやく同趣旨の事業が始まりましたが、産業経済部では現在も就労訓練は行われていません。
若者支援の現場を何度か回り、お話も聞かせて頂く中で私が必要性を感じたのは、様々な理由から働いたことが無かったり、働く自信がない、働く事に困難を抱えた方々への支援についてです。
彼ら、彼女らに必要なのは、面接の前にまず仕事、職場環境に慣れる、仕事をする為の準備だと思っています。
職親プロジェクトの話も触れましたが、定着率を上げ、継続的な雇用に結び付けていく為には、職探しだけでは不足です。
通信教育課程をもつ都立高校にも視察に行きましたが、困難、その他事情を抱える若者は多くいます。
福祉部の管理するJOBOTAで就労訓練が始まりましたが、区内産業、事業との縁の深い、産業経済部、産業振興協会で行われていないのはアンバランスです。
もちろん、メンタル面、健康面等の支援含め、福祉部の助力も必要です。
ですが、産業経済部ももっと本腰を入れて、若者の就労訓練について乗り出していくべきだと思っています。
福祉部との連携によるJOBOTAの就労準備支援の拡充か、産業経済部の事業として就労訓練事業が出来ないか?
質問しました。
若者を巡る環境については、引き続き、声を上げていきます!
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質疑で取り上げた機関、就労支援事業等
大田区
・「ヤングジョブクリエイションおおた2015」開催案内
・「大田区ものづくり企業 ミニ面接会」参加企業募集
・お仕事ナビ大田区
・大田区生活再建・就労サポートセンター JOBOTA
・ハローワーク大森(東京都)
他区参考事例
●以前のブログ
初質問は若者と生活困窮者支援!連合審査会で質問しました。
おぎの稔政策マンガ第5弾 ~若者と女性の就労支援編~
●動画
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【質疑】
【産業経済費】13分
【質問】
私からは先ほど、公明党の小峰委員からも質疑がありましたが、昨年に続き、大田区の若者の就労支援についてお聞きします。
若者の未来に責任を持つことは、この国の、大田区の未来にも責任を持つことだと思っています。
30歳、当事者としての想いも込めて、現在の大田区の現状について質問させて頂きます。
区内で若者への就労支援を探すと、大きくハローワーク、おしごとナビ大田区等の他に、大田区産業振興協会の独自事業で若者と中小企業をマッチングする「ヤングジョブクリエイションおおた」、「大田区ものづくり企業ミニ面接会」が行われております。
この事業についてお聞きします。
「大田区ものづくり企業ミニ面接会」は平成27年2月から平成28年2月までで計4回、横浜商科大学、工学院大学で行われました。
延べ参加人数は86名で女性参加者が5名と聞いています。
昨年質問した際、「多くの若者や女性の就業機会を増やしていくという点におきましては、出展企業の分野を増やし、大学等への参加者案内も文科系、理工系を問わず呼びかけていきたいと考えている」との答弁がありました。
その後、どのような対策が行われましたでしょうか?お答えください。
【答弁概要】 産業振興課長
「ミニ面接会」については実施大学を平成26年度の工学院大学に加え、文系の横浜商科大学でも実施いたしました。女子学生の参加数は平成26年度の1名から、27年度は両校合計で4名となっております。
「ヤングジョブクリエイション」は、次世代を担う若手人材へ区内中小企業の魅力を発信し、中長期的な人材確保に結び付けるイベントと位置づけ、区内の工業高校や専門学校を中心に近隣の大学などに広く参加を呼びかけています。今年度は企業30社・参加者398名で開催され、参加企業のうち商業・サービス業の比率を昨年度の3割から今年度は5割に拡大、参加者の女性比率は5%程度でした。今年度は就職戦線が学生側の売り手市場となっています。これまでに4社・4名の採用が内定、うち1名が女性でした。
【質問】
ありがとうございます。
就労支援事業となるとマッチングに比重が置かれていますが、働く為の訓練も重要であると考えております。
その際の成果の一つの指標に、職場定着率があると思います。
例として大田区が平成26年に始めた保護観察対象者の少年の雇用について取り上げさせて頂きます。
この取組は都内では初、半年間、臨時職員採用という形で行われました。
仕事は、簡単な軽作業を中心にしており、就労そのものと言うよりも、保護観察中に職業体験の機会を提供する社会復帰支援事業であります。
民間では日本財団が取り組んでいる協力雇用主制度と似た、職親プロジェクトと呼ばれる民間企業が保護観察中の少年を受け入れて、就労を促進している事業もありますが、大きな課題の一つとなっているのは定着率です。
先日、職親プロジェクトの3周年記念シンポジウムにも参加させて頂きましたが、職親プロジェクトの半年間の「就労体験プログラム」の修了率が40%、その後も雇用を継続した方が27.5%と、定着させ、その後の就労を維持していく事がいかに難しいか、課題になっています。
大田区の保護観察中の少年の雇用については現状、全員が勤めきっており、この取組が高い定着率と、その後の継続的な社会復帰に結びついている事は高く評価できると共に、参考になる部分も多くあると思います。様々な事情、困難を抱えた事から中には社会復帰について課題を抱えた少年もいらっしゃると思います。
今後も引き続き、一時罪を犯してしまった少年・少女が社会に戻れる為の取組を行っていただきたいと思います。
さて、生活困窮者自立支援法に基づき開設されたJOBOTAでは就労準備支援が行われております。
平成28年度予算においても、生活困窮者自立支援事業には1億6778万1千円の予算が計上されています。
さて、内閣府が発表した2015年版「子ども・若者白書」によれば、34歳までのニートは日本全体で約56万人、また別途、高齢ニートと呼ばれる35–39歳の方が約20万人となっております。労働力調査によれば
2015年の若年層フリーターは約167万人となっております。
大田区でも、支援体制についての整備が急がれます。
特に、非正規雇用労働者の増加などの雇用情勢の悪化、長時間労働、過酷な職場環境の常態化、心身を病む若者の増加、全体的な自殺者現象の中で、若者の自殺者数も他の年代に比べ減少幅が少ない事等から、若者を使い捨てにする日本社会というイメージが溢れてしまっています。
こうしたイメージが固定化するのは若者だけでなく、日本全体にとって、決して良いことではありません。
だからこそ、若者を就労に繋げ、社会復帰に繋げていく支援の必要性は大きく、大田区の発展、産業振興の為にも、拡充が求められます。
そうはいっても、様々な事情から働く事が難しい若者達や、働いた経験のない、自身の無い若者の中には面接、職探しの前に、仕事をする為の訓練が必要な方も多くおります。
JOBOTAにおける就労準備支援の相談・支援の実績、企業等との連携についてお答えください。
【答弁概要】援護担当課長
JOBOTAにおきましてはお話のように、就労や生活習慣に課題を抱え、直ちに一般就労を行う事が困難な方に対しまして、キャリアカウンセリングや就労体験といった就労を目指したサポートを行う就労準備支援事業を行っております。
この就労準備支援事業の実績についてでございますが、まず昨年4月から今年2月までの11か月の新規相談件数は696件でございます。
これらの相談者に対しましては、それぞれの事情等に応じまして課題解決や自立に向けた道筋を示す支援プランを作成しておりますが、この支援プランの作成件数は11か月間で355件でございます。
それらのプランの中で就労準備支援を内容に位置づけた方は37人ございます。
就労準備支援の中心は就労体験になりますが、その内容につきましてはJOBOTA内での軽作業含め、区民活動支援施設でございます、コラボ大森での芝刈り作業や認知症グループホーム等の介護施設での活動などを取り入れております。
企業との連携についてでございますが、JOBOTAでは昨年11月に無料職業紹介所の許可を得た事から、毎月JOBOTAの就労支援員が企業を訪問致しまして、就職先としての求人や就労体験、中間的就労の受け入れ先としてのお願いをさせて頂くなど連携を図らせて頂いている所でございます。
これまでの区内企業への就職等の実績につきましては、公害調査や警備関係の会社に3名、介護関係事業所に4名が就職しています。
また、就労体験の受け入れなどの区内の協力企業につきましては、先ほどご紹介しました認知症グループホームで2か所ございます。
【質問】
ありがとうございます。この事業は社会復帰の入口だけではなく、定着率の向上について果たす意義も大きいと思いますが、ただいまの答弁の通り、区内事業者との連携が弱いように感じます。
産業経済部等との連携強化で前進が期待できると考えますが、現在の状況をお答えください。
【答弁概要】援護担当課長
JOBOTAでは就労支援員による区内企業への訪問のほか、財団法人大田区産業振興協会を訪問いたしまして、区内企業にJOBOTAを周知して頂くための働きかけを行ってございます。
また同法人内の内職相談にも求人を頂けるようお願いをしております。
最近も内職相談の担当者が見学に来所するなど、相互に情報交換等を行っております。
今後も就労準備支援の、企業やハローワークはもとより産業経済部や財団法人大田区産業振興協会等の関係機関とのネットワークが広がるよう取り組んで参ります。
【質問】
ありがとうございます。
必要性の一方、経営環境等の厳しい中で、受け入れを行える事業者が少ないのも実態だと思います。
例えば、さきほどの職親プロジェクトのような場合、
民間では協力雇用主に対する刑務所出所者就労奨励金制度もありますが、協力を呼びかける事と並行して、協力企業へのインセティブ、若者の就労支援、社会貢献に協力している企業だという事を宣伝するような取り組みも必要です。
社会復帰や就労の為の訓練、そして、職場定着率を上げていく事は、マッチングと同様に、若者を巡る就労環境改善において重要な課題であると認識しております。
足立区ではあだち仕事道場で就労訓練事業、荒川区では就労支援課を設置し、支援にあたっており、大田区でも更なる体制強化が望まれます。
就労訓練についてJOBOTAとの連携や産業経済部独自の支援等の取組を、他区の事例も参考にしながら来年度以降、検討を行っていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
【答弁概要】 産業振興課長
区内事業者への働きかけについては、公益財団法人産業振興協会が「おしごとナビ大田区」や若者と中小企業のマッチング事業を実施しております。
区は毎月定期的にハローワーク大森と情報交換しております。
また、区と産業振興協会は日常的に企業経営者から情報収集を行い、人材確保や人材育成上の課題を把握し、必要に応じてJOBOTAなどの紹介を行っております。
引き続き、他区の支援策を調査するとともに、東京商工会議所大田支部、大田区商店街連合会、大田工業連合会等、区内の商工業団体のご意見も聞きながら、就労訓練を含めた就労に関する支援のあり方を研究してまいります。
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ありがとうございます。
国でもようやく、若者支援について真剣に議論がされるようになり、大田区議会でも先日、公明党の末安議員から若者支援の担当の所管部署の設置を要望する質疑がありました。
引き続き、大田区としましても、一人でも多くの働きたくても働けない若者を就労に結び付け、区、そして区内産業の発展、街のにぎわいへとつなげていく事、大田区として全力で若者を応援して頂く事を要望し、質問を終えます。
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