児童養護施設を視察してきました。
大田区久が原にある児童養護施設※、聖フランシスコ子供寮を視察させて頂きました。
施設の現状や、現代の子供や家庭が抱える様々な課題についてお話をさせて頂きました。
児童養護施設(じどうようごしせつ)とは、児童福祉法に定める児童福祉施設の一つ。
児童福祉法41条は、「児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童など、環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設」と定義する。児童相談所長の判断に基づき、都道府県知事が入所措置を決定する児童福祉施設である。略して養護施設(ようごしせつ)とも称する厚生労働省の調査によると、2012年3月31日現在、全国で589の施設があり、約28,200人の児童が入所している
wikiより
施設入所者の内訳で虐待を受けた子どもは約半数、何らかの障害を持つ子どもも2割を超えると近年増加している事に対する問題と共に、施設を巣立った方の社会的用語、支援が不足している事も問題視されています。
児童の入所している各部屋ごとにお風呂、洗面所、リビング、台所があります。
こちらはグループホーム。
中高生の男の子、女の子など、本園に入りきらない人たち用の寮です。
先進的なマンションタイプの寮であり、食事も先生の手作り。
卒園生たちとの交流も盛んにおこなわれているとの事です。
実際に私が伺った際も、専門学校に通っている卒園生が、厨房でお菓子作りをしていました。地域のイベントに出品するとの事でした。
また、入所者は、携帯・スマホを高校生から持てます。
もっと早く持ちたいという児童も多いそうですが、高校生になったら、すぐスマホにしようと、月額のお小遣い※を貯金している子も多いとの事でした。
※東京都が支給する生活指導訓練費(お小遣い)別途、お年玉等も支給される。
高校生が月額約5千円、中学、小学生と年齢によって異なる
一般家庭と同じ水準の生活を・・・・と素晴らしい環境ではありますが、聖フランシスコ子供寮さんはかなり恵まれた施設でもあるように感じます。
ここまでの環境を提供できない施設も多いのではないでしょうか?
40年以上、施設で働かれているシスターからお話をお聞きしました。
子供たちを育て上げる事について、どの子も、どの年代も難しいそうです。
●児童養護施設に預けられる子と親の変化
以前は、親が面会に来ないケースも多かったのですが、最近は面会に来るケースも多く、施設に接触してくる親が増えたそうです。
話を聞く限り、自分が虐待をしているという自覚のない親が増えたと感じるそうです。
児童虐待の社会的認知度が高まり、通報も増えていますが、その社会の感覚と乖離している親御さんも多いのでしょうか?
母子分離を受け入れられず、親の側が子供に依存してしまっていると思われるケースもあるそうです。
●法律上は措置の延長、18歳以上でも20歳までなら※預かることも出来るそうですが、児童養護施設の在籍者数は、15年前に比べると、増減を繰り返してはいますが、全体的には微増しており、
施設を必要とする児童は多く、行政からの催促もあり、18歳以上を預かる事はなかなか難しいそうです。
大学アパート等での保証人探し等保護者の不在や、家族、支えての不足で困難を抱える若者も少なくなく、施設を巣立った若者を支える体制作りは、現状に追いついていません。
18歳から20歳、そして社会に出た後の施設出身者の待遇、環境にも注力しなければなりません。※児童福祉法31条
児童への支援とともに必要だと感じたのは、親、家庭への支援、ケアです。
機能不全家庭、虐待をする親元で育った子供が増えている中では、どうしても親にも目を向けていかなければならないと思いました。
児童養護施設に関わるお話は、ブログで次回以降取り上げる予定の、タイガーマスク基金さんのお話の中でも触れていきます。