Apr 11, 2019

政策マンガ27弾 自殺対策から考える大田区の課題編

おぎの稔政策マンガ27弾 

自殺対策から考える大田区の課題編

 

 

こんにちは。おぎの稔です。政策マンガ27弾は以前、ブログでも取り上げました自殺対策から見る大田区の課題です。

マンガは漫画アシスタントの聖月様に作成頂きました。下の説明にも述べていますが、こうした数字、状況を改善するには、区の職員、管理職だけでなく区長の強力なリーダーシップが必要です。

 

大田区は基礎的自治体としての福祉・命への投資が弱い!?

 特別区という違いはあれ本来、大田区の役割は市町村と同じく住民に密着した基礎自治体です。大田区には約4000人の職員がおり、人口も72万人規模と大規模で簡単にはいかないのかもしれませんが、基本を忘れてはいけません。

 一つの例として自殺対策の名目で実施されている、様々な悩みを抱えた方に寄り添う「ゲートキーパー(GK)研修」の他区との比較を上げます。上の画像がその、一部抜粋です。

 人口約73万人の大田区の一年の履修者は、240人。一方で人口25万人の港区は、995人。人口近い足立区は645人、江戸川区は785人、練馬区は 335人、人口約28万人の目黒区が365人、およそ人口が大田区の半分の新宿が248人となっています。皆様、如何お考えですか?大田区より人口の多い世田谷区が101人と比率で見ても数字で見ても、大田区がワーストというわけではありませんが、他区と比べて多いとも言い切れません。

 次に、区職員のGK研修の履修率です。大田区は9.4%となっています。他区では港区は73.4%、人口の近い足立区は82.5%、江戸川区が 40%、練馬区も21.2%でした。大田区より少ない自治体も勿論ありますが、低い数字であるといえると思います。

 実際に自殺対策に先進的に取り組んでいる、足立区ではGK研修は3400名いる職員の3年目の必修となっており、中級、上級研修もそれぞれの職層の必須科目となっているそうです。足立区の8割を超える履修率の要因には職員個々の意識だけでなく、区全体の意識、首長のリーダーシップも関係しており、研修参加者数、職員履修率を見ても課題は明らかです。

今後の課題は孤立と孤独!?

 平成21年~26年 大田区内全自殺者数は865名。(男性612名、女性253名)20代~60代は全ての年代で男性自殺者は女性の倍以上です。同居人の有無でも男女の差が明確に出ており、同居人ありの場合が20代から60代まででは約2倍の差であるのに対し、同居人無しでは自殺者は20代で男性が7倍、30代で2倍、40代で8倍、50代で10倍、60代で3倍となっています。

 孤独を抱えた、あるいは社会的に重圧を負いながら、周囲に相談をしづらい立場の方は男女ともに多くありますが、特に男性に顕著なのだと思います。そういった中、先日、「2020年に単身世帯4割に」とのニュースが流れました。日本は少子化、高齢化と共に「超単身社会」になります。一人一人に寄り添える社会が、個人を大切にする社会への転換が必要です。

 

巨大開発、ハコモノ投資から命・福祉の予算へ!

 大田区は様々な大型開発に力を入れています。蒲蒲線計画、羽田空港跡地購入、連続立体交差事業もありました。勝海舟記念館も作られました。そういった開発、ハコモノ全てを否定はしません。しかし、先日は、氷河期世代の方の問題にも触れさせ得て頂きましたが、これからの時代はそうした開発と、区民一人一人、特に手が足りていない若者、現役世代の方にどう寄り添っていくのか、様々な課題を抱えた方と区はどう向き合っていくのかといった視点が大切になります。羽田空港を抱えた交通の拠点としてだけでなく、暮らしやすさ、住みやすさでも他の自治体に負けない、開発だけでなく人出を増やし、大田区に定着させる努力を。その為にしっかりと、個人個人の生活に予算を使って行くべきだと思います。

質疑はこちら

平成30年第3回定例会質疑

 

●関連ブログ

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もっと個人を大切に!自殺対策から見る大田区の課題!

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