Apr 6, 2019

もっと個人を大切に!自殺対策から見る大田区の課題!

大田区は基礎的自治体としての福祉・命への投資が弱い!?

 特別区という違いはあれ本来、大田区の役割は市町村と同じく住民に密着した基礎自治体です。大田区には約4000人の職員がおり、人口も72万人規模と大規模で簡単にはいかないのかもしれませんが、基本を忘れてはいけません。

 一つの例として自殺対策の名目で実施されている、様々な悩みを抱えた方に寄り添う「ゲートキーパー(GK)研修」の他区との比較を上げます。上の画像がその、一部抜粋です。

 人口約73万人の大田区の一年の履修者は、240人。一方で人口25万人の港区は、995人。人口近い足立区は645人、江戸川区は785人、練馬区は 335人、人口約28万人の目黒区が365人、およそ人口が大田区の半分の新宿が248人となっています。皆様、如何お考えですか?大田区より人口の多い世田谷区が101人と比率で見ても数字で見ても、大田区がワーストというわけではありませんが、他区と比べて多いとも言い切れません。

 次に、区職員のGK研修の履修率です。大田区は9.4%となっています。他区では港区は73.4%、人口の近い足立区は82.5%、江戸川区が 40%、練馬区も21.2%でした。大田区より少ない自治体も勿論ありますが、低い数字であるといえると思います。

 実際に自殺対策に先進的に取り組んでいる、足立区ではGK研修は3400名いる職員の3年目の必修となっており、中級、上級研修もそれぞれの職層の必須科目となっているそうです。足立区の8割を超える履修率の要因には職員個々の意識だけでなく、区全体の意識、首長のリーダーシップも関係しており、研修参加者数、職員履修率を見ても課題は明らかです。

 

今後の課題は孤立と孤独!?

 

 平成21年~26年 大田区内全自殺者数は865名。(男性612名、女性253名)20代~60代は全ての年代で男性自殺者は女性の倍以上です。同居人の有無でも男女の差が明確に出ており、同居人ありの場合が20代から60代まででは約2倍の差であるのに対し、同居人無しでは自殺者は20代で男性が7倍、30代で2倍、40代で8倍、50代で10倍、60代で3倍となっています。

 孤独を抱えた、あるいは社会的に重圧を負いながら、周囲に相談をしづらい立場の方は男女ともに多くありますが、特に男性に顕著なのだと思います。そういった中、先日、「2020年に単身世帯4割に」とのニュースが流れました。日本は少子化、高齢化と共に「超単身社会」になります。一人一人に寄り添える社会が、個人を大切にする社会への転換が必要です。

 

巨大開発、ハコモノ投資から命・福祉の予算へ!

 大田区は様々な大型開発に力を入れています。蒲蒲線計画、羽田空港跡地購入、連続立体交差事業もありました。勝海舟記念館も作られました。そういった開発、ハコモノ全てを否定はしません。しかし、先日は、氷河期世代の方の問題にも触れさせ得て頂きましたが、これからの時代はそうした開発と、区民一人一人、特に手が足りていない若者、現役世代の方にどう寄り添っていくのか、様々な課題を抱えた方と区はどう向き合っていくのかといった視点が大切になります。羽田空港を抱えた交通の拠点としてだけでなく、暮らしやすさ、住みやすさでも他の自治体に負けない、開発だけでなく人出を増やし、大田区に定着させる努力を。その為にしっかりと、個人個人の生活に予算を使って行くべきだと思います。

 

—-質疑

大田区議会平成30年第3回定例会

【質疑概要】

まず、ゲートキーパー研修についてお伺いいたします。

 「ゲートキーパーとは、「門番」という意味です。自殺対策におけるゲートキーパーとは、「地域や職場、教育、その他様々な分野において、身近な人の自殺のサインに気づき、その人の話を受け止め、必要に応じて専門相談機関につなぐなどの役割が期待される人」のことでゲートキーパーの役割とは、ひとことで言うと、「気づき、受け止め、つなぐ」ことです。私も中級研修を受けました。

 ゲートキーパー研修について、議会事務局を通じて東京23区に調査を依頼し回答を頂きました。その抜粋をタブレット型端末に資料として配信しています。資料1をご覧ください。一番右側が平成29年度のGK研修参加者です。人口約73万人の大田区の一年の履修者は、240人。一方で人口25万人の港区は、995人。人口近い足立区は645人、江戸川区は785人、練馬区は 335人、人口約28万人の目黒区が365人、およそ人口が大田区の半分の新宿が248人となっています。

皆様、如何お考えですか?

 大田区より人口の多い世田谷区が101人と比率で見ても数字で見ても、大田区がワーストというわけではありません。しかしながら、この場で何度もお訴えをしてきた通り、自殺を防ぐには、様々な機会を通してその予兆を掴み、適切な機関につなげていく事が肝要であり、その役割の一部は、区民の皆様にも担って頂く必要があります。

数字が全てでありませんが、この履修者数について、私はまだまだ、少ないように感じますもっと多くの区民の方に研修を受けて貰う必要があると思いますが、見解をお伺いします。

 

【答弁 概要】

ゲートキーパー講座については、自殺の実態や基本的な対応を学ぶ基礎講座と、ロールプレイによる実践的な対応を学ぶ応用講座を開催しています。
受講者は、医療・福祉・教育関係者、一般区民など様々で、受講者数は着実に増えております。自殺を図った人の多くは、病気や過労、生活困窮、介護疲れ、いじめなど、様々な要因により心理的に追い込まれた結果、鬱病などを発症し、正常な判断ができない状態にあります。このため、周りの人が自殺の危険を示すサインに気づき、話を聞いて、支援につなげることが大切です。
 こうした役割を担うゲートキーパーの養成は、誰も自殺に追い込まれない社会の実現を目指す区において、重要な課題となっています。従来の講座に加え、生活困窮など自殺の要因を抱える人に接する機会が多い各種相談員や、介護支援専門員等の支援者へ出前型の講座を実施するなど、引き続きゲートキーパーの養成を推進してまいります。

【衛生費②】

続けて、区職員のゲートキーパー研修履修数について伺います。

配信資料1をご覧ください。平成30年4月1日現在の職員の履修数を載せています。

大田区は9.4%となっています。

他区では港区は73.4%、人口の近い足立区は82.5%、江戸川区が 40%、練馬区も21.2%でした。大田区より少ない自治体も勿論ありますが、低い数字であるといえると思います。

実際に自殺対策に先進的に取り組んでいる、足立区でお話を聞いてきました。

GK研修は3400名いる職員の3年目の必修となっており、中級、上級研修もそれぞれの職層の必須科目となっているそうです。足立区の8割を超える履修率の要因には職員個々の意識だけでなく、区全体の意識、首長のリーダーシップもあります。

自殺対策は保健師、福祉職の方だけが取り組むわけではありません。経済的、身体的理由、仕事の関係や人間関係、様々な要因が複合的に重なって起きる自殺は起きます。専門職だけでなく様々な機会を通して身近な方の悩みをキャッチし必要であれば専門機関に繋げていく事が重要です。

身近な存在として多くの区民に接する区職員にこそ、対策の必要性を認識して頂く必要があります。区の自殺対策についての姿勢として、この数字で良いのでしょうか?予算を掛け、取組を行っていただいている事を否定はしませんが、一層の努力を期待したいと思います。

大田区の自殺者数は、全国同様年々、減少傾向にあります。0には出来なくとも、対策によって減らす事はできるのです。それでも、多くの方が未だに自ら命を絶っています。区民の生活と命を守る最前線にいる区職員の皆様に、研修をもっと多く受けて貰う必要があると考えますが、見解を伺います。②

 

【答弁 概要】

 業務でかかわる区民や職員など、身近な人の変化に気づき、自殺防止に必要な対応をとるには、ゲートキーパーに関する知識を身につけることが有効であると認識しています。より多くの職員に対して意識啓発を行うため、係長や主任の研修プログラムに加えて実施いたします。
 その際、健康政策部が、本年7月に作成した「大田区自殺総合対策ゲートキーパー手帳」を活用して、自殺対策の基本について学びます。また、あわせて、ゲートキーパー基礎講座の開催案内も周知してまいります。さらに、今後策定する大田区自殺対策計画を踏まえて、管理職向けの講演会も検討しています。

 

【衛生費③】

若年層などへの幅広い支援、啓発としてインターネット検索と広告機能を活用したGKシステムについて伺います。タブレット型端末に配信した資料2、3をご覧ください。こちらは実際に足立区でスマートホンの位置情報をオンにした上で「自殺 孤独」の文字で検索した画面です。 画像のような広告が表示され、クリックすると足立区のページに繋がります。このシステムは「インターネットGK」と呼ばれ、検索の文字列の中から、語句を抽出し、広告を表示、HPに繋げます。

 

330文字の語句を広告の表示対象に、4月からスタートしたこの事業は予算として約450万円、2013年から活動しているNPO法人に受託をしています。毎月一回、報告を受けており、妊産婦や学校と言った個別の支援につなげたケースや私立の中学生からの相談も受けるようになった事から、私立学校が盲点であった事など発見もあったそうです。

特に若年層は、他の世代が減少傾向にある中で、自殺者数が比率として減少していない事からも、重点的な取り組みが必要になります。取り組みの一つとして、インターネットGK導入に意義はあると思いますが、区の見解を伺います。③

 

【答弁概要】

インターネット検索と広告機能を活用した自殺対策については区も注目し、情報を収集しているところです。
 区内で「死にたい」など自殺に関連する用語の検索を行うと、広告が表示され、メールで相談できる仕組みになっています。また、相談者の約8割は10代から30代であり、電話による相談と比較すると若年層の割合が格段に高くなっております。このように、若年層や自殺リスクが高い人からの相談の入り口となっている点で、自殺予防に有効であると考えております。
 実態の支援へ着実につなげることを含め、インターネットを活用した相談支援について研究しながら、若年層に対する効果的な自殺対策を推進してまいります。

 

【衛生費④】

 自殺に関する質疑の最後に、自死遺族支援について伺います。
私自身も自死遺族の1人として、この場で何度も自殺対策についての訴えをしてまいりました。都のリーフレットなどは本区も窓口で配布をしておりますが、具体的な事業はまだ行われておりません。23区の中では、足立区などの4区が自死遺族支援のための事業として、自死遺族の会、グリーフサポートへの協力を行っております。自死遺族支援は、改正された自殺対策基本法によって、取り組む必要のある事業としても記載されており、大田区も、今後行っていかなければならない事業であります。大田区の見解を伺います。

 

【答弁概要】

 自死遺族の支援については、保健師等による個別の相談支援や必要な情報提供を行っているところです。大切な人を自殺で亡くされた方が集い、思いを分かち合う場については、様々な辛い思いを1人で抱え込んでいる方にとって、同じような体験をした人だからこそ、素直な気持ちを話せる貴重な場所であり、意義深い活動と存じます。
 引き続き、必要な情報提供や民間団体との連携を含め、残された人の気持ちに寄り添いながら、支援を充実してまいります。

 

前大田区議会議員 おぎの稔公式HP

 

 

 

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