Jun 7, 2018

羽田空港に直通しない蒲蒲線の効果検証はしっかりと!

 こんばんは。おぎの稔です。今回のブログは少し時間が空いてしまいましたが、3月の予算特別委員会で蒲蒲線・新空港線について質問した内容についてのご報告です。

 東横線から多摩川線に、そして蒲田駅の地下を通り京急蒲田駅地下で停車し乗り換えを行い、京急空港線で空港方面へと向かう計画となっている現在の蒲蒲線・新空港線計画。蒲田駅と京急蒲田駅間の800mの分断の解消という名目もありました。この距離は徒歩8分と言われています。

  空港までの直通運転ではない現在の計画では、京急蒲田駅の地下の新ホームから地上2,3階にある京急線への乗り換えを行う移動時間が、5-6分はかかってしまう可能性があります。純粋なホームとホームの移動だけでなく、電車のダイヤ、乗り換えの為の待ち時間を考えれば、時間の短縮効果がどこまで図れるのか、区民の皆様が実感できるのか疑問があります。

 大田区は新空港線の費用便益比も公にしていますが、こちらの便益も、区民の方にもメリットは示されているものの、区外の方も含め普段から電車で、長い距離を移動する方にこそ大きいもので、地域で暮らし事業を営む方にそのまま=(イコール)とはならないのではないかと言う事も指摘させて頂きました。

 国や都だけが進めるのなら、まだしもその計画に区が多額の税金を投入しているのは本当に適切なのでしょうか?大きく影響を受ける可能性のある東急多摩川線沿線に住む議員の一人としても、沿線を利用、また沿線に住む皆様にとっても納得のいく計画であるよう議論を尽くし、そうならないのであれば、簡単には受容できないという態度で、区議会に臨んでいきます。

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【質疑】

●交通について

 蒲蒲線、新空港線について伺います。新空港線計画については我が会派でも昨年より何度も質問を重ねてまいりました。
大田区は新空港線整備資金積立基金として、平成30年度も引き続き予算で10億円の積み立てを行い、新空港線の整備主体設立の為の出資金として約1億8000万円を計上しています。この出資金は29年度も計上されておりますが、関係者間の合意に至らなかったため、本年度も再び計上がなされたものです。
新空港線は大きく分けて区が整備案を既に示している、矢口渡駅の先から京急蒲田駅の地下まで整備をする1期工事と、そこから空港までを繋げる2期工事にわかれています。
 平成30年大田区議会第一回定例会での我が会派の三沢議員の代表質問への松原区長の回答にあるように、2期工事は技術的課題もあり時期は未定となっているため、2期工事の展望とは関係なく、まず1期工事を着手することになります。しかしながら1期工事での整備では、以前のフリーゲージトレインによる乗り換えなしでの羽田空港への直通運転ではなく、京急蒲田駅の地下から地上2階、3階の京急線への乗り換えが必要となるだけでなく、東急線においても蒲田駅で多摩川線と池上線の地上、地下での乗り換えが必要になる事が予想されます。この、地下からの乗り換えが必要になる事を区はどのように周知をしていきますか?お答えください。①

 

【答弁 概要①】

 

新空港線の整備概要につきましては、蒲田駅及び京急蒲田駅につきまして、地下駅から地上駅の乗り換えとなってございます。

この両駅での乗り換えの形につきましては、これまでも区のHP、大田区新空港線整備促進区民協議会、そして各種地域イベントなどにおいて第一期工事期間の整備イメージ図によりまして、区民の皆様に情報提供してまいりました。

委員お話の通り、駅乗り換えの利便性は重要な課題であり、利用者にとってより利用しやすい駅施設にする必要があると考えております。

従いまして、バリアフリー化はもとより最適な導線の検討が求められております。

 この課題につきましては、整備主体の成立後、具体的な整備計画を定めていく段階に置きましてより詳細に検討する事になりますので、区は整備主体と共に、丁寧に情報提供を行っていきます。今後も整備実現に向けて、区民の皆様のより一層のご理解・ご協力が頂けるよう取り組んで参ります。

 

 

 

② 

続いて、利用者便益について質問します。
 大田区は新空港線の費用便益比1.5と、基準値の1.0を大きく上回り、社会経済的に有意義な事業と評価しています。
費用便益比とは、具体的には目的地までにかかる時間短縮効果を「走行時間短縮便益」、事故が減少する効果を「交通事故減少便益」、燃費向上効果を「走行経費減少便益」としてそれぞれ金額に換算して合算し「便益」とします。一方、事業に要する工事費、維持管理費などの費用の合計を「費用」とし。「便益」を「費用」で割ったものを「費用便益比」とします。
 この便益比、特に恩恵が大きいのは、頻繁に鉄道を利用する方々であり、現在懸念の声が上がっているのは、整備する事による踏切遮断や乗り換え等での移動の時間増加の影響や、人の移動の変化による商店街への影響など、影響を受ける多摩川線沿線や蒲田近辺などの整備区間に近い地域にお住いの方々や事業を営む方々であると考えます。区内へのメリットも示されているものの、区外の広範囲にメリットのある本計画に、大田区の税金が使われることに疑問があり、自分たちの生活が変わる事への懸念があるのではないでしょうか?区の認識をお聞かせください。②

 

 

【答弁 概要②】

 

新空港線は区内東西交通の移動利便性の向上はもとより、広域的な鉄道ネットワークが強化されるほか、災害時の代替ルートの役割も担うものでございます。

新空港線整備はこのように区外に広範な利便性の向上をもたらし、都市の防災性の向上にも寄与するもので合えることから、現在、東京都と適切な費用負担割合となる様、話し合いを進めております。

また、委員お話の地域の方々の懸念についてでございますが、新空港線整備による踏切遮断時間などへの影響などは、重要な課題であり、今後整備を進めるにあたっては、これらの課題について懸念を払しょくしていく必要があると認識してございます。

現在、多摩川線につきましては既に改正踏切道改良促進法に指定された改良すべき踏切もございますので、これらの地域の課題をしっかりと捉えながら進めてまいります。大田都市づくりビジョンに示す通り、新空港線を軸として街づくりを一体的に行い、より安全で魅力的なまちとなるよう取り組んで参ります。

なお、沿線の皆様へは今後の計画策定に向けてより丁寧な説明・情報提供を行ってまいります。

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予算特別委員会 総括質疑の内容はこちら➠平成30年大田区議会予算特別委員会総括質疑 全文

以前の代表質問の内容はこちら➠・大田区議会第二回定例会 代表質問文面

政策マンガはこちら➠●政策マンガ第15弾「蒲蒲線・新空港線編」

 

蒲蒲線について➠

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