Dec 30, 2017

大田区で民泊制度を進める上で足りないものは?

こんばんは。おぎの稔です。

 大田区が国家戦略特区制度を活用して全国に先駆けて「特区民泊」を始めた事もあり、民泊について議会でも何度も取り上げられてきました。そういった中、平成29年大田区議会第4回定例会において、来年6月の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行にともなう「大田区住宅事業法施行条例」及び現在の特区民泊の基準となる宿泊日数を短縮した「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の一部を改正する条例」が可決されました。

 前者がいわゆる民泊新法による民泊、後者が特区民泊となります。大田区の住宅宿泊事業法施行条例は、結果的に旅館業と同じ「住居専用地域全域」での営業を禁止する、特区民泊と似た厳しい条件を課した形での施行となりました。また、これらの他に行政に届け出、認可を受けていないいわゆる違法民泊があり、違法民泊の実態調査の委託事業についても入った補正予算も可決されました。

 

大田区議会 HP

第79号議案 大田区住宅事業法施行条例

第80号議案 大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例の一部を改正する条例

http://www.city.ota.tokyo.jp/gikai/honkaigi_iinkai/honkaigi/h_29/4teirei/2904kuchoteisyutu.files/2904_kuchogian75-80.pdf

 

 私は、今回の審議において特区民泊の制限を短縮する条例改正に賛成、国の民泊新法に新たに条例で制限を強化する事にもなる「住宅宿泊事業法施行条例」に反対をしました。

 特区民泊がその厳しさゆえに、運用においてこれまで大きなトラブルも生じてこなかった事は評価できることでもあると思います。

 しかし、国の改革に案に対して、このように制限を掛けてしまう事が良い事なのでしょうか?私からは、所属する健康福祉委員会で民泊について「部局を横断した会議体の設置」、簡易宿所の時にも質疑で取り上げた「インターネットでの基準を満たして民泊を運用する事業者の公表」を要望しました。

●広く民泊の活用について議論する場を

 

 私は大田区で「特区民泊」が導入される議論の際に、区議会で議論を担当する総務財政委員会に所属していました。国家戦略特区についての議論という事で、当時の区長政策室からも答弁を頂いていましたが、実際の条例提出の際は、議論する委員会も変わり、所管は旅館業の衛生、管理や指導を行う保健所、健康政策部に移っていきました。現在もその流れは継続しており、今回の議論も健康福祉委員会で中心的に行われました。

 私からも改めて質問をしましたが、健康政策部のこの民泊についての関わり方は、管理、監視、適切な指導に運用です。

担当者は観光部門も兼ねてはいますが、現状観光、産業、交流・地域連携という面での議論がしにくい構造になっています。松原区長も大田区の目玉政策の一つとして掲げている「民泊」。区政において民泊を広く活用していく為に、保健所以外の場所でもっと部局を横断した議論が出来る場が必要ではないでしょうか?

 

●必要なイニシアティブ

 

 住宅宿泊事業法施行条例では、事業者の求めに応じて「区の基準を満たした事業者、施設」であることを示す証票を交付する事になっています。これは、その施設の入口などに貼る事で、いわゆる闇民泊、違法民泊ではない行政の基準を満たした民泊であることを証明するものです。しかし、もともと民泊は民間側で流行したものを行政の側が追いかけて制度化をしているものです。

 

 基準も運用も厳しい、行政の基準に合わせてしっかりと運用して頂く、そのことは法律・条令に沿って当然行って頂かなければいけませんが、真面目なものが損をする制度では、制度の浸透に時間がかかってしまいます。簡易宿所の時※にも質疑で取り上げましたが、こうした民泊は主にインターネットを介して行われるものなので、区のHPなどで一覧を公開し、行政の基準を満たした施設であることを明示していく事で、正規の基準を満たした事業者、施設に対するインセンティブとなり、制度の浸透に寄与する事が出来ると思います。

 

 地域の安全安心、不安の声とも向き合いながら、大田区で民泊がそのポテンシャルをもっと活かしていけるように議論を行っていきます。

●関連記事

 

特区民泊認定数50件に 東京・大田区

産経新聞 12月28日

全国初の「特区民泊」のスタートから約2年となる東京都大田区は、27日現在の認定数が50件、定員851人、264居室に達したと発表した。

 同区をめぐっては昨年1月29日、「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」として全国初の特区民泊の申請受付を開始。同2月12日に第1号が認定された。現在も申請中の物件のほか、消防指導や周辺住民への説明が終わり次第申請が見込まれる物件も複数あるという。

 同区は、現在6泊7日以上の最低滞在日数制限を2泊3日以上に緩和する改正条例案を今月8日に可決、来年3月15日に施行する。区は「今後も安全、安心に配慮し、地域の理解をいただきながら『特区民泊』事業を推進する」としている。

 

民泊の過剰規制は避けて=条例制定の指針公表-国交、厚労両省

 国土交通省と厚生労働省は26日、空き部屋に旅行者らを有料で泊める「民泊」をめぐり、自治体が独自に制定する条例のガイドラインを公表した。条例で年間の営業日数を「0日」としたり、禁止区域を「住居専用地域全域」としたりするなど過剰な規制を避けるよう求めた。
 来年6月施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)は年間営業日数の上限を180日と規定している。民泊は騒音発生などで周辺住民の生活環境を悪化させるとの懸念もあり、東京都新宿、大田区が独自の規制条例を制定したほか、全国各地の自治体で同様の動きが見られる。
 観光庁は「国が一律に判断基準を示すのは難しい。条例で制限する場合には法の趣旨に照らして慎重な検討をしてほしい」と自治体に要請している。

時事通信 12月26日

 

●関連ブログ

※申請情報を親切に。簡易宿所の申請を判りやすく!

 

民泊の福祉活用。大田区で医療・民間企業との協力が前進

民間枠は約4%!?バランスは大丈夫?民泊関連支援事業

【記事紹介】違う視点から民泊の可能性を考えてみる

大田区の民泊の動きと若手議員の会の視察報告。

民泊条例、可決しました。

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