Oct 13, 2016

羽田空港新飛行経路問題についての陳情討論

だいぶ遅くなってしまいましたが、先月9月28日に、本会議で行った羽田空港新飛行経路などの問題について出された陳情についての討論です。

 

私としては、羽田空港の現状、経済・輸送面の事情などから、機能強化が必要だという点を否定するつもりはありません。

しかしながら、最優先は区民の安全・安心であると考えます。

 

 

それを軽視出来るほどの恩恵が、大田区に本当にあるのか?

「羽田空港があるのが大田区」

イメージとして大田区を語るのに羽田空港は使いやすいのは確かです。

しかし、大田区の観光マーケティング調査からも判るように大田区内で実際に買い物・宿泊など利用客は思ったほど多くなく、空港はあるものの、大田区内を素通りしてしまう、通過点のようになってしまっているのも残念ながら事実であります。

羽田空港、またその機能強化が大田区、区民にどれほどの恩恵があったのかの実際の検証が必要です。

 

また、戦後の48時間以内の強制退去から始まり、近年、問題とされてきた左旋回などの騒音問題についてどれだけ区民が苦しみ、改善・解決の糸口がつかめたのかも重要な問題であります。

そうした問題や新たな被害を増やしてしまうような状況は避けなければなりません。

新飛行経路による健康被害やリスク、安全性などの検証を、大田区内だけではなく、国防、東京の安全安心の面からも検証を行い、その事を広く国民に示し、理解を得ていかなければならないと思っています。

 

大田区もこの間、国土交通省とも議論・交渉を続けており、新飛行経路の問題、またその他空港周辺などの問題などについて条件闘争で勝ち取れたものも多くあると聞いています。

その点において区の努力、対応を認め有難くも思います。

 

しかしながら、その事がどれだけ住民に届いているのか?その条件闘争が本当に、区民の利益に資する物なのか?

交渉中であり、離せない事もあるのだと思いますが、それも踏まえれば区からの住民への説明については、現段階ではやはり不足していると考えざるを得ないでしょう。

 

「国の航空政策だから区としてもなかなか答えられない。国土交通省との共同説明会開催は区が単独では決められない。」

 

そうした事などを含め、区からの説明も受けた上で陳情については不採択の意思表示も示しましたが、引き続き、関心を持って取り組んでいきます。

 

 

「都民の安全考えて」 羽田新飛行ルートで学習会

東京新聞 2016年5月17日 朝刊

 

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国土交通省 羽田空港のこれから

※画像はリンク先より引用

http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/international/new.html

 

航空政策についてはまだ不勉強で、お叱りを受ける事も多いのが現状ですが、調査を重ね、問題点の理解を踏まえたうえで、提案、議論を行えるよう今後も努力を重ねていきます。


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東京維新の会 大田は第28第49号、28第50号、28第51号の陳情に、委員長報告に賛成、不採択を主張いたしますが、若干の意見を述べさせて頂きます。

 

まず、不採択の理由ですが、陳情の内容にいくつかの事実誤認があり、議会として、陳情に賛成する事はそぐわないからです。

 

ただし、こうした陳情が複数出ていることは、大田区民が羽田新航路問題に強い懸念をもっていることの表れであり、今後、大田区として積極的に懸念払拭の為に行動するべきではないでしょうか。少なくとも、「国土交通省に対して騒音影響に関する情報提供や区民への丁寧な説明、また安全の確保や環境影響に配慮した方策等の検討などを求める」とホームページにあるようなものではなく、代替案の提示・リスクの洗い出しによる対応策の検討等の最善の努力を行うべきでしょう。リスクの否定では区民は納得しません。

一層の詳細、丁寧な説明を求めます。

 

またいくつか疑念も区民の間ではあることを指摘せねばなりません。

第一に、空港での4本目の滑走路整備に伴う神奈川・都心北上ルートについては平成21年に「安全上の理由」により撤回されていますが、今回「安全上の改善」が果たしてあったのかということです。そもそも、これは千葉県の自治体連合の「騒音共有」という地域課題に配慮したルートではないかとの声もあります。

落下物などの危険性、東京、大田区の空の安全、騒音などの健康被害等、区民生活に大きく影響を与えかねない事について、区は声を大にして国に対して訴えかけるべきです。

 

第二は、テロリズムに関する懸念です。

確かにテロのリスクは現在の飛行ルートでもありますが、このルートは近年頻発の傾向にある航空機爆破テロの有効性を高めています。ハイジャックも対応までの時間を短縮させ容易化するでしょう。

その意味で、テロのリスクを格段に上昇させることは論を待ちません。

 

国際空港は、新しいスキャン技術の導入など、警備を強化しているという話もありますが、それではなぜ、航空機爆破が繰り返され、先日8月5日、新千歳空港で若い女性客1人が国内線ターミナルの保安検査場で金属探知機を通過せず、羽田行きに搭乗して出発するような事案、昨年11月に靖国神社で発生した爆発音事件で火薬等の爆弾の材料を機内に犯人が持ち込めたのでしょうか。これこそ、ヒューマンエラーや技術の限界を示唆しています。

 

これらの懸念を払拭できない限り、なぜわざわざテロのリスクがもっとも高まる2020年東京五輪を目処に実施することに区民の理解を得ることは至難であると考えます。

今後、この点について、議会活動などを通して、区側に対し、情報共有や区民の懸念払拭のために協力をしていければと思っております。

以上、東京維新の会大田の討論とさせていただきます。

 

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