Jul 27, 2016

収入31万で支出は7億円。どうなる?ふるさと納税制度

先月の一般質問で取り上げさせて頂いた内容について、ご報告させて頂きます。

早速ですが、ふるさと納税制度を皆様はご利用されていますか?

 

様々な地域の名産品を貰えると共に、税額控除もされるお得な制度。

平成27年4月1日以降分の利用については「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設され、確定申告を必要としなくなるなど、ますます便利になりました。

 

私も魅力的だと思っていますが、その一方で、今後何らかの対策・ルール設定を行わなければならないと認識しています。

 

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なぜその必要があるのか?

簡潔に言えば、この制度は(他者を含む方の)税金でぜいたく品、名産品、高級品を買う制度になっているからです。

 

 

元々、都市部などに出てきている方が、ふるさとに貢献する為にと創設された制度であったにも関わらず、現在は、ふるさとかどうかは関係なく、自分の欲しい名産品等を買う制度になっている事は皆さんもご存じでしょう。

 

それが良いという方もいると思います。

一般的な売買であれば、文句はありません。

 

しかし、制度の特徴でもありますが、制度を利用する事により、2000円を除いた住民税が減税(翌年度分の税額控除)されている事に問題があります。※

 

 

例えば、大田区は特別区という立場な為、他の自治体のように、地方交付税による補てんもなく、利用額から2000円を引いた額がそのまま流出します。

 

では、どれだけの額が控除されているか、皆さんはご存知ですか?

 

質疑でも明らかになりましたが、H27年中、大田区民の方が利用したふるさと納税によって、翌年、特別区民税から控除される額は約7億4千万円。

一方で、大田区への寄附は31万円5千円でした。

差し引き、約7億3千970万円の税金が、ふるさと納税先の自治体に流れていく事になります。

 

質疑において大田区からも「区としても改善の余地のある制度だと認識している」と答弁を頂いていますが、極論を言えばその7億を超える予算があれば、どこにお金を使えるのか?

都市部特有の課題、待機児童問題解消や若者問題などにも使う事も出来ます。

 

 

 

※上限あり 例1万円であれば、2000円を残し8000円が他自治体に(23区の場合、地方交付税で補てんされる場合は、75%が国から補てんされる)

 

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もちろん、「だから、ふるさと納税制度は撤廃すべきだ」などというつもりはありません。

地方活性化、見知らぬ名産品、地方の良さを知る事が出来る利点もあるでしょう。

佐賀県のように、寄付先にNPOなどを選ぶことが出来るような取組もスタートしています。

 

大田区も返礼品を全く行っていないという事情もあり、返礼を始めればもっと寄付が集まるという反論もあるでしょう。

一方で、この制度が税金によって賄われている制度であり、住民税が他自治体に寄付され不足した分、他の区民の税金で補わられているという事実を見逃すことはできません。

制度を利用していない方からすれば、一方的に自分の税金が、他人が名産品を買うために使われている事にもなります。

都市部にもそこで暮らす住民、支援を必要とする方がいるにも関わらず、豊かな都市部が苦しい地方を救うのは当然だとして、都市部の税金は、様々な形で国に吸い上げられています。

ここまで自治体からの過剰な税金の流出による、都市部に依存しきった国家運営を進めていく事は健全とは言えないでしょう。

都市部だけで解決をしているわけではありませんので、全てを否定するわけではありませんが、一端立ち止まり、都市部の税金の流出をこのまま続けて良いのか、議論をしていくべきではないでしょうか?

私は、一定の歯止めを掛けながら、都市部の魅力、力を強化し自治体の力を高めていく政策が必要になってくる時期が来ていると思っており、都市部特有の課題の解決の為に使える予算を確保し、実施する事で、日本全体の成長に寄与する事も出来ると認識しています。

 

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東京一極集中の打破。

都市部への依存の集中を打破し、都市部への依存の深まりに一定の歯止めをかけ、都市の多極化、成長、課題解決を行っていく事が、今後の社会では必要になってくると思いますが、皆様、どうお考えですか?

 

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・参考記事

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5774

佐賀を「NPO」の集積地に ふるさと納税を武器に誘致

 

http://www.toseishimpo.co.jp/modules/news_detail/index.php?id=4343

都政新報 2016年5月13日号

中野区/区民は返礼品の対象外に/ふるさと納税本格募集で

中野区は10月から開始予定のふるさと納税を行った寄付者への返礼品制度で、区民は当面、返礼の対象外とすると9日に開かれた区議会総務委員会に報告した。区政策室によると、所得額によって変動があるものの、寄付を行った区民に返礼品を贈呈する場合、ほとんどのケースで個人住民税の控除額と返礼品の贈呈経費の合計額が寄付額を上回り、区の赤字となる見通しとなったため、区民を対象外に決めた。23区では7区が返礼品制度を設けているが、区民を対象外とするのは中野区が初という。

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2016.6月 大田区議会 一般質問

【質疑 概要】

 

続きまして、ふるさと納税についてお聞きします。

指定した自治体に寄付をすることで、お礼を貰える事から、現在は過熱した名産品アピール合戦と化しているこの制度、23区でも7区が返礼を行ってはいますが、私は都民、大田区民この制度上、損をしていると考えています。

 

例えば中野区は、10月から開始予定の返礼を赤字の懸念から区民は当面対象外にするとしました。

 

ふるさと納税制度の利用者を出した自治体は、金額から2000円を引いた分が減収になりますが、地方交付税で75パーセントは補てんされますので、結果、25パーセント分が減収となります。

 

一方、「寄付扱い」される為、地方交付税の算定式の上で収入として算定されず、ふるさと納税を受けた自治体は返礼品と寄付額の差額がそのまま利益となります。

 

東京23区は地方交付税の直接の交付団体ではなく、都が不交付団体なため、2000円を残し、ふるさと納税分の額は出ていきます。

 

23区には都区財政調整制度もありますが、元々、区民の税金を都が集め、再分配する制度であるため、ふるさと納税の利用が進むほど税金が流出していくことに変わりがなく、返礼のない大田区は特に不利益があると思います。

 

大田区におけるふるさと納税の実情、減収はどれほどですか?

また、この制度について区の見解をお示しください。

 

以上で質問を終えます。

ご回答よろしくお願いいたします。

 

 

【答弁 概要】

 

私からはふるさと納税の実績、及び減収に関するご質問についてお答え申し上げます。

 

平成27年中に区民の方がふるさと納税制度を利用し、平成28年度に特別区民税から税額控除されるのは、金額として約7億4千万円、件数にして1万4千件でございます。

 

一方、大田区ではふるさと納税とそれ以外のご寄附を明確に区分しておりませんが、個人からのご寄附を頂いたものをふるさと納税とみなして集計いたしますと平成27年度につきましては、金額にして約31万5千円、件数では7件となっております。

 

また、ふるさと納税について区はどのように認識してるかとのご質問でございますが、ふるさと納税制度はうまれ育ったふるさとを寄付により応援するという趣旨で創設されたものでございます。

 

しかし、現状では本来の趣旨から外れ高額の返礼品を用意する事によって、寄付金を募る自治体が、自治体間競争を過度に助長するというご指摘もございまして、区としても改善の余地がある制度だと認識しております。

 

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