Dec 22, 2015

アニメ業界の現状ってどうなっているの?③アニメ制作現場に行ってみた編

前回(アニメ業界の現状ってどうなっているの?②クールジャパン政策って実際のところどうなの?)に続いて、今回は都内にあるアニメ制作スタジオにお邪魔させて頂き、意見交換と現場の視察を行わせて頂きました。

 

※内容につきましては、お話した方の経験やその周辺での出来事に基づいた個人の意見であり、実態とは違う内容も含まれる可能性もあります。予めご了承ください。

 

 

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前回インタビューをさせて頂いた方とは違う会社の方で、今回は会社の代表にお話を伺いました。

その中で改めて思ったのは、業界の抱える構造的な問題、そして人材育成・環境整備に早急に力を入れていかなければならないという事でした。

 

●アニメ制作とグロス請け

 

グロス作品、グロス請けという言葉がアニメ制作にはあります。

簡単に言うとアニメシリーズの作品、1話、2話をアニメ制作会社が別のアニメ制作会社にいわば下請けに出す制作方法です。

1話丸ごとのような形でなくとも、OVAや劇場版の中での数分または背景、動画等をグロスとして受託する場合もあるそうです。

過去のブログでも取り上げた通り、アニメ制作はまさに自動車の制作のような工場労働・完全分業作業であり、自社がテレビシリーズを担当しなくてもグロス作品を担当することを考えれば、会社の規模、受注する仕事の種類を超えて、有名なアニメ制作会社以外にも多くのアニメ制作会社、アニメ産業従業者が関わっている事になります。

 

●アニメーターの定着率は低い

例年、新人の獲得を行うよう努力をしたうえで、インターンシップや新人研修用といった事も行い、育成にも力を入れているそうですがそれでも残念ながら新人の定着率は高くはないそうです。

一方で、企業説明会等、人員募集をすれば定員を上回る応募が来るという事でアニメ産業の門を叩く方は現在でも国内に多くいるのだろうとの事です。

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●制作会社への利益配分の少なさ

アニメ一話あたりの総事業費は1本で1000万円を超えます。しかし、制作会社に掛かる費用はその中のだいたい3分の一前後。

いわゆる電波料、番組枠などの権利、広告宣伝費用等、必要な費用も引かれていますから、誰かが懐に入れているという話ではありませんが、月に何百枚と書いても※経営は楽ではないようです。

 

ちなみに深夜番組やキー局以外の局は電波料などが昼間に比べて安く、最近(でもありませんが)の深夜帯アニメの量産にはそのような事情もあるそうです。

 

以前のブログでも同様の話が出ましたがとにかく制作会社はグッズ、CD、単行本等の手段がない分、製作費以外の利益の回収手段が限定的で、現場の制作会社には後にヒット等しても成功報酬のような形で配当が下りてくる事が殆どありません。

 

現場にも還元が生まれる仕組みや形を考える必要がありますが、実際に会社側が出資をして後に利益を得た事例もあるそうです。

参考事例にしていけると良いですね。

 

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●アニメ業界人を育てて行こうという意識

 

アニメ制作工程に勤務する方への報酬は多くはなく、東京近辺で実家くらしの方・・・などが推奨される例もあるそうです。

 

メディアでも取り上げられ、皆様もご存じだと思いますが海外にアニメ制作が受注されるようになって久しいと言われています。

 

原画さんや声優さんなどの音響、演出面では日本で行う事が多いのですが、特に工程の内の動画作成から彩色のような単価の安い仕事が外注されることが数十年前から続いているそうです。※②

 

また、人件費だけではなく人材不足による国内アニメ制作現場の空洞化、アニメーターの高齢化など現在起きている自体は深刻です。

空洞化による人員不足で国内での発注は出来ず、海外へ・・・・という悪循環も起きています。

 

全てを国産で賄う事は不可能ですが、これだけクールジャパンと持て囃すのであれば日本の中でしっかりとアニメ産業従事者を育てていかなければなりません。

 

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●行政、民間に期待する事(願望)

大田区で保育士に対して行われている住宅借り上げ支援のような、衣食住のいずれかを支援する制度が時限的にでもあると有難いとの事でした。

やれお金を出せという話だけでもなく・・・・シェアハウス、空き家活用のような話でも、検討は出来るかもしれませんね。

 

 

また、支援の方法としてアニメをもっと作ってほしい使ってほしいとの話もありました。

行政や企業の宣伝、紹介・宣伝・教育等に官民問わず本格的なアニメを導入して頂くのも立派な支援になるかもしれませんね。※③

 

費用は決して安価ではありませんが※④

アニメーションを育てて行こうという意識も含め、是非、アニメを活用をして頂きたいと思います。

 

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まとめ

 

前回と異なる立場の方にお話を聞いても、頂いた話には似た話も多くありました。

業界全体の構造的な問題も多くあるのだと思います。

 

一方で、どういう支援があるとよいのか?というお話も頂きました。

他にも、アニメ等のコンテンツ産業に関わる方々にお話を聞いていくつもりですが、法や条例の話なのか、民民の話なのかは別にしても、

一アニメファンとして、アニメ産業を盛り立てていけるよう微力ながら応援をしていきたいと思っています。

 

 

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アニメ制作現場については、もっと沢山の方に見てほしいとの事でしたので地方議員の仲間や学生インターンやご関心のある方々とまた見学に訪れたいと思っています。

 

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※劇場版等の作品は、単価が上がるそうです。

 

※② 工程については以前のブログを参照してください。

アニメ業界の現状ってどうなっているの?①~撮影監督さんに聞く業界の話~

※③このブログを書いている最中に見つけたのですが、実際に下記のような事例もあるようです。

「自治体・企業PR専門のアニメ制作会社「自治体アニメ」が誕生 制作費用を抑えたアニメ作りを提案」

 

※④ 上記のような電波料等が掛かるわけではありませんので、数分のアニメで1000万円という事はありません。15秒ほどのCMサイズでも作成は出来ますので、ご興味のある方は是非アニメ制作スタジオさんにお問い合わせください。

 

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大田区議会議員 おぎの稔

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